令和3年6月議会 施政方針

 本日ここに、令和三年第ニ回富士河口湖町議会定例会の開会にあたり、提出いたしました案件の主なるものにつきまして、その概要をご説明申し上げますとともに、私の所信の一端を申し上げ、議員各位並びに町民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 はじめに、「新型コロナウイルス感染症」の感染防止の徹底にご協力をいただいている町民・事業者の皆様、そして、感染症拡大の最前線で献身的なご尽力をいただいている医療従事者をはじめとするエッセンシャルワーカーの皆様に、改めて深い敬意とともに心より感謝を申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威を振るうという未曽有の事態が一年余り続いている中、感染力が強いとされる変異ウイルスへの置き換わりが進むとともに感染が再拡大し、四月下旬には東京、京都、大阪、兵庫の四都府県に三度目の「緊急事態宣言」が発出され、続いて、先月までに愛知、福岡をはじめとする六道県が追加され、その対象は、十都道府県に広がっているところであります。加えて「まん延防止等重点措置」の適用も神奈川をはじめとする八県が対象となっており、未だ先の見通せない閉塞した状況に置かれております。
 日々を健康に安心して過ごせることは、誰もが願うことですが、新型コロナウイルスの脅威は、私たちの暮らしに大きな不安の影を落としております。
 町では、感染対策として、極めて重要なワクチンの接種体制を早期に構築し、円滑に実施するため、必要な準備を着実に進めることで町民の皆さまへ一日も早く接種の機会を提供できるよう、万全を尽くしてまいりました。
 一方で、ワクチンの供給については、政府は当初、今年前半までに国民全員分を確保するとしていたものの、その予定は徐々にずれ込み、四月に入り、ようやく六十五歳以上の方のワクチンの供給計画の目処がたったことで、五月二十五日から七十五歳以上の方に対する先行接種を開始し、続いて六十五歳以上の方の接種を今月十二日から開始することとなっております。接種会場は、富士北麓地域六市町村を一つのブロックとして、接種体制を整え、町中央公民館と富士吉田市鐘山体育館の二か所となっておりますが、接種にあたっては、ワクチンの供給状況の関係で予約が必要となっております。町民の皆様には大変お手数をおかけいたしますが、通知に記載されたコールセンターで電話予約をしていただくか、町のホームページからWEB(ウエブ)予約をしていただくようご理解をお願いいたします。今後、一般の方のワクチン接種が可能となった際は、いち早く皆様に通知を差し上げますので何卒ご理解をお願いいたします。
 また、新型コロナによる長引く社会経済活動の停滞は、地域経済にも深刻な影響を及ぼしております。こうした状況を踏まえ、これまで様々な町民支援、福祉施策、経済支援策を講じてまいりましたが、新たな景気浮揚及び町民の皆様への支援策として、先の議会において、約一億四千八百万円の補正予算を編成し、再び「くらし応援商品券事業」を実施することとしております。この事業は、昨年も実施いたしましたが、全町民を対象に今回は、一人あたり五千円分の商品券を配布するもので、町の募集に応じて登録した町内のあらゆる事業所で利用可能なものとし、使用期限を十二月三十一日と定め、確実に消費需要が生まれるように配慮し、コロナ禍の影響により困難を抱えている家庭を支援するとともに、地域経済に一層の活力を与えてまいりたいと考えております。この商品券は、今月中旬から順次、書留郵便で町民の皆様に配布を始め、来月中旬までにはすべての世帯への配布を完了する予定でありますので、日常生活の様々な場面で活用していただきたいと考えております。
 また、町では、コロナ禍での生活支援策として、経済的に困窮する女性のために、防災備蓄品を活用し、『レディース・セーフティ・ライフセット』として、生理用品や備蓄食料等の配布をしております。希望される方は、町役場二階の地域防災課でお受け取りくださいますようお願いいたします。
 また、併せて町社会福祉協議会に委託し、生活困窮者のために食料品と生理用品を用意しておりますので、希望される方は、町社会福祉協議会でお受け取りください。
 次に夏の花火大会について申し上げます。
 コロナ禍の中での、富士山山開き花火大会そして、河口湖湖上祭をはじめとする富士五湖のうち四つの湖の花火大会、奥河口湖ふるさと祭り花火大会の実施について、事業主体である各観光協会の皆様と意見交換を行ってまいりました。
 この間、地域の活性化のため、歴史ある花火大会を開催すべく、コロナ禍の下での開催方法・時間短縮や感染予防対策などを模索してまいりましたが、感染力が高いと指摘されている変異株の発生や緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の延長など厳しい状況が続く中、県内外から一度に多くのお客様を受け入れることについて、その感染予防の徹底を図ることは、たいへんに困難なことであると判断されるところです。
 また、花火大会の実施が起因と考えられるような大きな感染が発生した場合、町や観光業界へのダメージは極めて大きくなると考えられることから、今回は、残念ながら中止するという決定に至りましたことをご報告いたします。
 感染拡大防止に伴う制約から、地域での行事やイベント活動について、実施することが難しい状況が続いておりますが、それによって地域の活力が失われることがないよう新しい日常の下での新しい活力の創出などの支援にも努めてまいりたいと考えております。
 次にくぬぎ平スポーツ公園人工芝運動場について申し上げます。四月三日、昨年度から、進めてまいりましたくぬぎ平スポーツ公園人工芝運動場のリニューアルを記念して、関係者と多くの来賓を迎え、完成式典を開催するとともに、完成記念大会を盛大に開催いたしました。
 大会は、四月三日、四日の二日間に渡り、全国の強豪チームである令和元年全国中学校大会二位の「青森山田中学校」、東京都の「多摩大学目黒中学校」、静岡県の「浜松開誠館中学校」、千葉県「暁星国際中学校」を招待し、県内チームでは、「FCラーゴ河口湖」や県新人大会優勝校の「甲府東中学校」、「県中体連選抜U十四」を迎えリーグ戦を行ったものであります。試合の結果は、青森山田中学校が優勝し、準優勝は、浜松開誠館中学校となりましたが、選手監督コーチ、大会関係者と多数の観覧者の来場により、盛況のうちに終了したところであります。
 今後、八月には、第五十二回全国中学校サッカー大会が代表三十二チームの参加により開催されることとなっております。八月十八日にステラシアターで開会式が行われ、八月十九日から八月二十三日までの五日間、くぬぎ平スポーツ公園人工芝運動場をはじめとする地元の施設で試合が行われます。こうした大会等を通して、スポーツの振興を図ることはもちろん、富士北麓のすばらしい景観と冷涼な気候、そしてすばらしい施設を紹介、宣伝することで様々な大会の誘致やスポーツ合宿の受け入れなど、より豊かな経済の発展へと繋がるよう期待するとともに、引き続き環境整備に努めてまいりたいと考えております。
 また、働き方改革や新型コロナウイルスの拡大によるテレワークの急速な普及に見られるような働き方の変化に伴い、都会から地方への移住の関心が高まっております。都心から近距離にありながらも、自然が豊かで冷涼な気候の本町の魅力に着目してもらう好機であります。町外から人を呼び込み、新たな活力を生み出していくため、本町の魅力や資源を生かした取組を展開することに引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
 次に富士山噴火ハザードマップについて申し上げます。
 富士山噴火ハザードマップの十七年ぶりとなる改定版が、富士山火山防災対策協議会により公表されました。平成十八年に策定された旧マップを平成三十年から改定に着手し、昨年の中間報告を経て、新たな科学的知見や技術をもとにまとめられたものとなっております。
 具体的には、対象とする噴火年代や溶岩の噴出流量の見直し、最新の技術を用いた溶岩流のシミュレーション、噴火パターン数の追加などが行われております。これにより、溶岩流の到達可能性エリアが従来の想定より広がり、また到達する時間も早くなるエリアが広がったことが示されております。今回の改定により、より詳細で可能性の高いハザードマップが示されましたので、正確に分析し、適切な防災対策を実施するための基盤づくりに繋げてまいりたいと考えております。
 また、町民の皆様には、改定されたハザードマップの情報をきめ細かに周知し、正しく理解していただき、しっかりと備えることができるよう機会を通じて説明をしてまいりたいと考えております。
 次に、教育について申し上げます。この四月から小学校一年生は、県の主導により二十五人学級がスタートしております。この制度を今年度から実現するため、必要な予算を計上し、準備、対応したところであります。
 そして、この制度の継続にあたって、今後想定される対象児童数を鑑みますと、特に勝山小学校については、令和五年度には、教室数が不足することが見込まれるため、校舎を増築することが必要となりました。そのため、今回の補正予算で増築のための設計委託料を計上しております。設計を今年度中に完了し、令和四年度中には増築工事を完了するよう計画を進めているところであります。二十五人学級を推進していくことは、児童の学力向上と、きめ細かな教育指導にとても有効なものだと考えておりますので、そのための環境整備に努めてまいる所存であります。
 次に本町をとりまく高速道路網の整備についてでありますが、四月十日、東富士五湖道路と新東名高速道路とを結ぶ「須走道路・御殿場バイパス」五・ニキロメートルが開通し、これに合わせて、新東名高速道路の新御殿場インターチェンジから御殿場ジャンクションの間も同日に開通しました。このことにより、山梨県から静岡県の間の移動時間が短縮されるとともに、週末を中心に混雑していた国道一三八号線の渋滞緩和などが期待され、富士北麓地域への観光や地域産業の発展などに繋がるものと考えております。
 また、中部横断自動車道の山梨ー静岡間で、最後の未開通区間となっている「下部温泉早川インターチェンジから南部インターチェンジ間」についても、この九月に開通する見通しであることが四月に発表されました。そして、「新たな御坂トンネル」の整備計画が公表されている国道一三七号とこれらの高速道路網を含む幹線道路のネットワークにより、県内外の観光地への利便性が向上することで、これまでになかった観光周遊や地域経済の発展を期待するところであります。

 コロナ禍の収束が見通せない困難な状況が続いておりますが、ポストコロナに向けた潮流の中で、地域活性化と将来にわたる持続的な産業の発展や幅広い分野への産業形成に向け、今後も引き続き、町民生活や地域経済を注視し、国・県の動向等も踏まえ、適時適切に施策を打ち出すことで、町民生活と地域経済を全力で支えてまいる所存であります。

 それでは、今議会に提出いたしました議案についてご説明いたします。提出案件は全部で九件であります。内訳は、令和二年度富士河口湖町下水道事業特別会計予算繰越明許費繰越計算書の報告、令和二年度一般会計予算繰越明許費繰越計算書の報告、条例の一部改正が四件、特別会計補正予算が二件及び一般会計補正予算であります。
 そのうち、令和三年度一般会計補正予算(第三号)についてご説明いたします。
 今回の補正は、既定の歳入歳出予算の総額に八千六百ニ十四万三千円を追加し、歳入歳出の総額を百十九億十万ニ千円とするものです。
 歳入の主なものをご説明いたします。
 国庫支出金四千九百六十ニ万九千円、繰越金二千四百五十一万七千円、町債一千二百万円の増額等となっております。
 次に、歳出の主なものをご説明いたします。
 民生費では、子育て生活支援特別給付金(その他の子育て世帯分)とその支給に要する経費を含め、四千九百三十二万一千円であります。
 消防費では、避難所用床マットの購入費として百二十五万円であります。
 教育費では、学校建設費で勝山小学校の増改築に伴う設計費千六百万円、公民館費で、中央公民館等の修繕、整備に係る費用として二百三十三万四千円、図書館費で施設修繕費として四十四万四千円、体育施設費では、小学校夜間照明の電球交換費三十三万円また、くぬぎ平スポーツ公園第二サッカー場の芝張替費用五百三十九万円であります。

 以上、雑駁な説明で恐縮ですが、本定例会に上程しました 令和三年度一般会計補正予算(第三号)の説明とさせていただきます。詳細な内容や特別会計につきましては、各常任委員会において担当課長から説明させていただきますので、ご審議のうえご議決を賜りますようお願い申し上げます。

この情報はお役に立ちましたか?

いただいたご意見は掲載内容改善の参考とさせていただきます

この情報はお役に立ちましたか?




  投票しないで結果をみる

総務課


〒401-0392
山梨県南都留郡富士河口湖町船津1700番地
電話 : 0555-72-1111(代表)

お問い合わせはこちら

富士河口湖町役場 〒401-0392 山梨県南都留郡富士河口湖町船津1700番地
TEL:0555-72-1111(代表)/ FAX:0555-72-0969
開庁日時/月〜金曜日 午前8時30分〜午後5時15分(祝日、12月29日〜1月3日を除く)

TOP