本日ここに、令和8年第3回富士河口湖町議会定例会の開会にあたり、今後の町政運営に対する所信の一端を申し上げさせていただくとともに、本定例会に提出いたしました案件の主なるものにつきまして、その概要をご説明申し上げ、議員各位並びに町民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げたいと存じます。
さて、7月28日に発生した熊本地震は、最大震度7を観測し、地震の規模をあらわすマグニチュードは 7.1の長周期型地震動により、住宅の全半壊は4万軒を超え、災害関連死を含む死者の数は38人、8月末日時点での公表されている避難所生活者の数は、2,460人で、発生当初の1万人を超える避難者数より減少しているものの、把握できていない車中泊や軒先避難者まで入れるとその数はさらに多くなり実態が見えきれず、熊本県では全容の把握に努めるとともに連日の猛暑のなか、命を守る対策も求められているとの報道であります。そのような状況のなか、山梨県において応急対策職員派遣制度に基づく職員の派遣について、8月3日を第1班とし、今日現在までに第7班を派遣し、避難所の運営補助から罹災証明事務処理などに注力しているところです。当町からも9月7日から13日まで第8班の派遣隊として、農林課の小佐野才史くんを派遣するところですが、慣れない地において、さらに酷暑の中、被災自治体の手助けとなるよう、祈りながら送り出すところであります。
一方、6月26日には、県東部富士五湖を震源地とする地震で、震度6弱を観測しました。幸いにも大きな被害が発生しておりませんが、改めて防災対策を強化していくところであります。また、気象庁発表の大雨による警報基準が5月から変更となったと同時に、すでに3つの台風上陸となり、暴風雨被害が日本全国で起きております。地球温暖化の影響もありますが、線状降水帯の発生や時間的記録豪雨がもたらす天候や環境の変化による新たなる災害発生も視野に入れた防災対策も考えていかなければならないところにあります。
くわえて、先日、報道にもありましたが、災害時要支援者個別避難計画の策定に取り組み、有事の際の町民の生命財産を守るべく災害対策に注力していくところであります。
さて、我々の生活に影響を与える、国内経済に目を向けてみますと、歴史的な円安傾向については、政府はアメリカ側からの協調介入という異例の援護をうけ、為替市場の円買いドル売りが進められたものの、物価高に苦しむ日本と自国経済への波及を危惧するアメリカ側の思惑が一致した措置ではありましたが、円安基調改善にむかう抜本的な転換には至らないという見方が強く出ており、9月から10月に前倒しで行われる可能性のある、日銀による利上げが円安の処方箋となるとする専門家の見方に注目が集まるところとなっております。
また、2025年1月にトランプ大統領が就任以来、アメリカ第1主義による国益や国内産業を最優先する外交・経済政策の様々な政策の一つに、外国からの輸入品に対しての高い関税措置の継続により、日本には7月から12.5%の追加関税措置が発動されました。
これにより他国にも圧力をかけるのと同時に、日本経済と世界経済の不確実性を高めることも懸念されます。
くわえて、収束に程遠い、中東情勢はエネルギーや物価の高止まりにもつながり、国内経済活動の業績悪化や倒産・雇用への影響も表面化しています。このような中、政府は石油製品価格の高騰を抑制するため、ガソリンや軽油等、燃料油に対する支援を行い安定した供給を目指し、国民の生活と経済活動を守る施策を展開しております。
それらの施策の展開によって、内閣府で発表した2026年4月~6月期の国内総生産の速報値では、物価変動の影響を除き実質で0.3%増となり、3四半期連続のプラス成長となったとありました。
大きな要因の一つとして、自動車などの輸出の増加が全体のプラス成長を引っ張り、景気全体としては回復傾向を維持しているとのことです。
しかしながら、中東情勢などを背景とした原油高、輸入物価の上昇が続けば、今後の景気失速へのリスクや、日銀の金利政策の判断にも影響も与えかねない見通しでもあります。このような物価高騰、住民生活への影響が危惧される中ではありますが、町では、現在、商品券事業を継続して行っております。本年12月まで利用できる 1人10,000円の商品券事業に続いて、2027年2月からさらに生活の一助となるべく1人10,000円の物価高騰対策生活支援商品券事業を継続して行っていきます。
また、上水道の基本料金を、本年度末の3月使用分までの6ヶ月間、無料化とすることといたしました。今議会に、関係する補正予算の上程を予定しており、町民のみなさまへの生活の支援となるべく施策を展開してまいります。
さて、先日、山梨日日新聞に県内宿泊者の実績として令和8年上半期の報道発表があり、県内を訪れる観光客数は過去最高の入込数であったとのことです。なかでも、富士北麓地区を訪れる観光客数が順調な伸びをみせております。
このような中で、6月30日付けで総務大臣から同意を得られた法定外目的税の「宿泊税」においては、予定どおり令和9年4月1日から制度開始とすることとし、準備を行ってまいりました。
宿泊税の導入は、私の政策のひとつとして掲げてきたものであり、制度設計にはじまり条例制定に至るまで、宿泊事業者さまを始めとする関係団体の皆様のご協力のもと、官民一体となり取り組んできた新たな仕組みであり、ご協力いただきました関係各位にあらためて御礼申し上げます。くわえて、制度の円滑な運用は、事業者様 一人一人のご協力のもと成り立つもので、事業者のみなさまにおかれては、この制度を支えていただく大切なパートナーと思っております。がっちりとスクラムを組んで円滑な制度運用を推進するために、8月から3会場において計7回の説明会を実施しました。あわせて、導入までの間、丁寧に情報提供を続けてまいりますのでご協力方お願いいたします。
本町においての宿泊税の活用方針ですが、現在、本町観光政策における最上位計画である「観光立町推進基本計画」の見直しと併せて、使途決定のルールの検討を進めております。本町観光に関わる皆様からのご意見を伺いながら、宿泊税を単なる新たな財源としての考えではなく、本町の観光資源をさらに磨き上げ、地域の価値を高めるための重要な投資原資とし、効果的に活用することで、観光客の満足度向上と地域住民の生活との調和を図り、持続可能な観光地づくりを実現できるものとして考えてまいります。今よりも、さらにワンランク上の観光地を目指し、町の将来にしっかりとつなげてまいる所存であります。
さて、昨年度から開催している、八木崎公園においての“富士河口湖円縁まつり”については、昔懐かしの屋台風景によるお祭り広場の実施により訪れるお客様、特に小さいお子様連れの家族は、富士山山開きまつりと相まった開催でそれぞれに楽しい時間を過ごされていました。今後とも、夏の定番イベントとして、町民と観光客の皆様との交流の機会となることを期待するところでございます。
また、富士五湖の花火大会ですが、観光連盟を中心に実行委員会形式で実施したことにより、各地域、湖間の一体化や連携も図られ、町挙げての夏の一大イベントとして、こちらも期待するところでございます。同時に募集したクラウドファンディングも好調の伸びを見せており、8月中旬時点で1,825千円のご寄附をいただけました。ご協力いただいた全国からの寄附者の方々に感謝申し上げると同時に、開催に際してご尽力いただいた多くの関係者や、実行委員会を盛り上げてくださいました有志の皆様に、この場をお借りしまして改めて御礼申し上げます。
さて、観光振興と地域の共生と言えば、外国人観光客が多数訪れる町内において、外国人との交流や新たなる文化創造の発信には、観光をはじめとする異文化交流のまちづくりにもつなげていくことも欠くことができないと考えております。6月定例議会の所信でも触れさせていただきましたが、6月18日から30日まで、オーストリアのウィーン、ドイツのベルリンを中心に2か国訪欧して参りました。
音楽の都ウィーンにおかれましては、オーストリア国立ウィーン音楽高校と、音楽によるまちづくり事業に伴う音楽教育支援及び青少年の交流連携協定覚書締結をオーストリア日本国大使館 徳聡子公使の立ち合いのもとで行いました。
また、国際的なリゾート地であるペルチャッハ村とは、オーストリア日本国大使館 岩間公典特命全権大使立ち合いのもとで、音楽のまちづくり連携協定を締結いたしました。音楽を切り口とし、国際観光リゾート地としての知名度を生かし、当町の観光PR拠点としても連携を検討していくことになります。
さらに、ドイツのベルリンでは、昨年7月に行われたベルリンフィルハーモニー管弦楽団によるヴァルトビューネ河口湖が開催されたことが記憶に新しいところですが、国外初の演奏の機会を富士の麓「河口湖ステラシアター」において実施されたことが、国内外に大きな発信となり町のブランディングの向上、ワンランクアップしたまちづくりを形づくる重要な機会になりました。このたびの2か国の滞在は各大使館のご支援とご理解の中、音楽によるまちづくり事業や、文化観光経済活性化事業など、今後、町の幅広い事業への支援協力をお示しいただくなど、国際文化観光振興戦略の重要な組織パートナー構築の機会となりました。
また、日本貿易推進機構(JETRO)とは、今年4月の連携協定を締結したことを踏まえて、全面的な協力体制を敷いていただきました。ウィーンとベルリン両所長からの現地支援をいただき、また、日本政府観光局(JNTO)フランクフルト事務所長からは、現地の訪日専門の旅行会社の紹介につながるなど、国際的に富士山の麓における当町の魅力を、具体的に発信する拠点組織づくりができたことにより、中長期的な観光振興の発展につなげられるものと実感しているところであります。
こうした海外からの文化創造の発信や、取り入れる観点において、語学力の充実は必須であると考えております。特に小中校生を中心に現在も実施されている外国語教育では、外国語指導助手(ALT)の配置をしておりますが、教室の外においても実践的な生の英語に触れる機会を増やすため、現在業務委託している事業からさらに実践的な指導体制を図るために、今議会の補正予算にも外国語指導助手受け入れ支援業務にかかる費用を提案させていただきました。
また、先月26日には、県内の公立中学校での少人数教育の在り方を協議する検討会が開催され、単に1学級を「25人学級」とし、国の基準よりも小さい規模にするということではなく、加配により教員1人あたりの生徒数を少なくし、より教育の質の向上を目指す内容でした。委員からも中学生の発達段階においてのある程度の学級規模が必要であることや教科担任制の授業形態では、加配による対応の方が柔軟に運用できるなど事務局案を支持する意見があったようです。
同委員会では、第2回を9月下旬に開き、年内に提出する予定の報告書の内容検討、県ならびに県教委は、報告書に基づき中学校での少人数学級の方向性を判断するとありますので、今後とも、県の動向に注視していきたいと思います。
さて、夏の風物詩としてもうひとつ、富士山河口湖音楽祭2026が8月8日から22日まで15日間にわたり開催されました。この音楽祭では、オープニングにおいて、町内の中高生の吹奏楽部やふじ山麓児童合唱団、富士河口湖音楽祭中学生特別バンドなどの演奏で幕を開け、最終日には特別町民で世界的指揮者佐渡裕さんの指揮で、国内の吹奏楽演奏団体を代表するシエナ・ウインド・オーケストラによるコンサートが開催され、感動の中で幕を閉じたところです。
そして、9月19日から22日までの4日間、世界的なピアニスト辻井伸行さんを中心演奏家とした演奏家が一堂に会し、河口湖ステラシアター、河口湖円形ホールを中心に富士山河口湖ピアノフェスティバルが開催されます。本年度も辻井さんによる音楽芸術鑑賞教室や町内小学校向けの学校訪問演奏会が予定されており、ここでも世界的な演奏に触れる機会の創出を実現いたします。フェスティバル期間中、河口湖ステラシアター、円形ホールを中心に合計9公演を予定しています。ぜひ鑑賞してはいかがでしょうか。
音楽を通じてのまちづくりは、わたくしの訪欧の1つの大きな目的でもあり、今後も継続して進めていきたい施策でもあります。町では、この豊かな自然を守り引き継いでいくとともに、音楽や芸術文化によるツーリズムの創造により、地域経済の新たな生産性を向上させる仕組みづくりと、心豊かで活力あふれるまちづくりを更に目指してまいります。
さて、今週末になりますが、『マウント富士トライアスロン2026』が開催されます。本年度で第5回を迎え、1,219人の選手を迎え、河口湖でのスイムに始まり、西湖のロード、大橋を渡るコースでのランの合計52.5㎞で競われます。本年はロードのコースを従来の西湖3周回していたものを、西湖から勝山道の駅南の交差点を折り返しとした2周回するコースに変更としました。周回するコース内での選手と選手の間を広くすることにより安全性を保てることとなります。例年、トライアスロン専門誌による大会満足度ランキングにおいて上位に位置し、富士の裾野で展開する今大会がさらに人気を博するものとなるよう準備を進めているところであります。選手が繰り広げる暑い闘いに町民のみなさまの応援をお願いします。