令和5年12月議会 施政方針

  本日ここに、令和五年第四回富士河口湖町議会定例会の開会にあたり、私の町長就任後の初議会となりますことから、今後の町政運営に対する所信の一端を申し上げさせていただくとともに、本定例会に提出いたしました案件の主なるものにつきまして、その概要を御説明申し上げ、議員各位並びに町民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げたいと存じます。
 去る十一月十二日に執行されました町長選挙におきましては、多くの町民の皆様から温かいご支援とご支持をいただき、第四代富士河口湖町長に就任させていただきましたことを深く感謝申し上げる次第であります。
 奇しくも今年は、町制施行二十周年と富士山の世界文化遺産登録十周年の節目を迎えた大切な時期であり、今、ここに登壇いたしまして、改めてこれからの町政のかじ取りを担うことの責任の重大さを痛感するとともに、身が引き締まる思いであります。

それでは、これからの任期を通じて町民の皆様とお約束したことのうち、主なる事項について申し述べます。
 まず一つ目として、燃料費や諸物価の高騰から町民の「生活をまもる」ための施策の実施です。これまで続いている燃料費をはじめとする諸物価の高騰は、すべての町民の皆さまの生活に切実なる影響を与えております。このことを鑑み、物価高による生活への影響を和らげ、地域経済の健全な発展を促進するため、前町政でこれまで実施してきた「くらし応援商品券事業」のようなしくみとして、全ての町民を対象にした、そして生活に必要な様々なものを町内において購入可能な商品券の配布を実施したいと考えているところであります。
この事業については、先月二十九日に成立した国の第一次補正予算の内容等を精査した上で、早急に実施することが肝要であること、また事業の規模と財源などを考慮し、令和六年度当初予算を編成していく中で実施方法等を決定し、本年度中に補正予算を編成したいと考えているところであります。
 また、さらに町民の生活の支援を行うため、ペイペイ等を活用した給付事業について経費を新年度当初予算に計上したいと考えております。こうした施策の継続により、町民生活を守り、地域経済に一層の活力を与えてまいりたいと考えております。この事業についても実施方法にあたっては、財源の効率的な使用等を考慮し、当初予算を編成していく中で検討してまいりたいと考えております。
 また、今回、国では前述の補正予算により、物価高対策のための「重点支援地方交付金」の低所得世帯支援枠を追加的に拡大して、低所得者に対し追加支援することを決めております。この事業は、一世帯あたり七万円の支援を行い、これまでに交付した三万円と合わせ十万円の支援とするというものであります。今議会の最終日に事業費の補正予算を提出させていただきたいと考えておりますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
私が選挙時に町民の皆様にお約束しました事業につきまして、その実現のために今後、順次積極的に予算を確保してまいりたいと考えております。
 二つ目として、「福祉立町」の推進です。福祉とは、すべての町民が安心して生活できる社会を築くことです。お年寄りや障がい者、すべての層に寄り添い、地域全体で協力し、包摂的な支え合いのある社会の実現を目指します。また、地域資源を最大限に活用し、地域住民の声に耳を傾けながら、福祉サービスの充実を図ります。まずはおむつを使用する皆様からの声を反映するよう高齢者等のおむつ購入補助の対象者の拡充を図ることから始めたいと考えております。
 三つ目として、大切に考えるのは、「教育をまもる」ことです。教育こそが町の発展と人口減少対策の要であり、「教育は公共事業」という前町政の信念を受け継ぎ、真摯に向き合うことで、町の未来を切り開いていく決意です。町の未来を担う子どもたちの教育レベルを向上させることは勿論のこと、自己肯定感を芽生えさせ、地域全体の活気と誇りを育みます。そのため、これまでの施策に加え、まずは教育格差是正を考えた助成の実現を図ってまいりたいと考えております。
 また、必要な環境の整備を進めます。充実した学びの環境が未来への投資であり、町全体の発展に繋がると確信しています。船津小学校の新設や二十五人学級への対応のため特別教室棟の新設、また現在普通教室についての基本設計をしている勝山中学校に続いて、小立保育所や小立小学校の改築事業などの整備は重要課題と考えており、事業の実施に向けて取り組んでまいりたいと考えております。教育を通じて可能性を広げ、輝かしい未来を築いていきたいと考えております。
 四つ目として、「観光産業」に力を注ぎ、地域経済の牽引役として更なる発展を目指します。町の魅力を引き立て、観光業を活性化させるための施策を打ち出していきます。観光産業を基幹産業と位置づけ、法定外目的税を活用した税収の上乗せなどにより、観光予算に資金を充実させてまいりたいと考えております。観光施設の整備やイベントの充実など、地域全体の観光資源を拡充し、多くの訪れる方々に魅力を発信できる体制を整えます。当地域の観光業は、町の特産品や伝統文化、美しい自然などを活かした魅力があります。これを最大限に引き出し、地域住民と協力して観光産業を発展させることで、地元経済の振興や雇用の創出にも寄与していきます。
 五つ目は、「環境保全」を重要な課題と位置づけます。富士山と湖を中心としたこの美しい自然環境の保全は、私たちが今を生きる上で課せられた重要な責務です。その価値を守り、未来の世代に引き継いでいくために、積極的な取り組みを進めていきます。環境にやさしいSDGs(持続可能な開発目標)の達成を目指し、地域全体で環境への理解を深め、持続可能なまちづくりを目指します。共に力を合わせ、美しい自然環境を守り抜き、未来に誇り高いまちを築いていく覚悟であります。
 次に、「富士五湖首都圏フォーラム」の推進です。観光産業が我が町の基幹産業であり、富士五湖エリアの観光資源を最大限に活かし、地域経済を活性化させるために大切な施策となると確信しています。このフォーラムの推進には、地域の個々の特徴や課題に焦点を当て、県および富士北麓市町村と共に共通の認識を得るため、地域コンセンサスを築いていくことが重要です。一つひとつの課題に対して、地域全体で協力し、理解を深めながら進めてまいりたいと考えております。このフォーラムの推進により、地域の魅力が一層引き立ち、観光業を初めとする産業の振興が期待でき、さらに地域経済の拡大や雇用の創出も期待されます。
 次に、「防災強靭化のまちづくり」を推進することです。富士山噴火などの自然災害に備え、避難地、避難路、避難方法などを再検討し、強靭化施策を進めていくことで、町民と観光客の安心と安全を確保してまいります。この取り組みにおいては、県と国との共同作業が不可欠です。地域の特性やニーズに合わせ、地域全体で一丸となり、迅速かつ効果的な防災対策を進め、災害が起きた時には、円滑かつ迅速な避難・対応ができるように努めてまいります。未来に向けた強いまちを築いていくことをお約束いたします。
 次に、「農振地域除外の拡充」です。農業は地域経済や食料自給率を向上させるうえで不可欠ですが、農振地域の除外拡充は、地域全体の発展を促進し、農業の振興だけでなく、住民の生活向上にも寄与するものと考えております。優良な農地には十分な保護を施し、農業の振興を図ると同時に、地域全体が活気づくまちづくりを目指します。
 次に、「女性副町長の登用」を図ることです。町政において、女性が果たすべき役割や視点は非常に重要です。女性ならではのアプローチで、より幅広い視点から町政を進めていくことが期待されます。そのために、女性の副町長を登用し、今以上に女性の声を反映しつつ、町政を運営していく方針です。また、女性が仕事と家庭を両立させやすい環境を整え、多様な価値観を尊重するまちづくりを進めます。皆様のご理解とご支援を心よりお願いいたします。
 最後に最も大切な政策の一つとして、「子育て支援」がございますが、これまで前町政が実現してきた中学校までの給食費の無料化や保育所保育料完全無償化事業、高校生までの医療費の窓口無料化そして、家庭で保育する保護者等へ助成する「おうち子育て応援事業」をはじめとする様々な子育て応援政策を大切にし、継続・発展を目指します。
 これからの任期を通じて町民の皆様とお約束したことのうち、主なる事項について申し述べてまいりましたが、先代の方々がこれまで育て上げてきた社会基盤をさらに磨き、「住みたいまち」・「産んでみたいまち」・「育ててみたいまち」・「働いてみたいまち」として、町民のみなさまがこの町の素晴らしさを実感し、この町で生活を営む喜びと誇りを次世代につなげ、希望と笑顔あふれるまちづくりに邁進してまいりますので、町民の皆様並びに議員各位のご支援とご協力をお願い申し上げます。
 
  それでは、今議会に提出いたしました議案等の主なるものの概要を申し上げます。提出案件は全部で二十三件であります。内訳は、報告が一件、町有施設の指定管理者の指定が一件、条例関係が七件、町道の路線廃止と認定が一件づつ、補正予算は、特別会計補正予算が十一件及び一般会計補正予算であります。
 まず、「富士河口湖町町有施設の指定管理者の指定について」であります。「西湖いやしの里根場」の指定管理者の指定期間が令和六年三月三十一日をもって満了となるため、四月一日以降の指定管理者について提案するものであります。
 次に、条例の一部改正でありますが、「富士河口湖町職員給与条例の一部を改正する条例」は、国、県の給与に関する勧告並びに一般職の国家公務員の給与改定等に鑑み、これらの条例の一部を改正する必要があるために改正するものです。
「富士河口湖町税条例の一部を改正する条例」は、身体障碍者等に対する軽自動車税の減免制度の見直しを行う必要があるため、改正するものです。
「富士河口湖町国民健康保険税条例の一部を改正する条例」は、令和五年度分の国民健康保険税のうち、令和六年一月以後の期間に係るもの及び令和六年度以後の年度分について出産被保険者に係る産前産後期間の減免を適用する必要があるため、改正するものです。
 また、「西湖ネイチャーセンター条例の一部を改正する条例」は、西湖蝙蝠穴入洞料を改定し、安定した経営を行う必要があるため、改正するものです。
「富士河口湖町簡易水道事業の設置等に関する条例の制定」及び「富士河口湖町下水道事業の設置等に関する条例の制定」については、これらそれぞれの会計について、地方公営企業会計に移行するため、新たに必要な条例を制定するものです。
 次に、補正予算の特別会計十一会計と一般会計でありますが、そのうち、令和五年度一般会計補正予算(第七号)の概要について御説明いたします。
今回の補正は、既定の歳入歳出予算の総額に八億六千八百六十九万七千円を追加し、歳入歳出の総額を百四十七億九千九百五十三万三千円とするものです。
 
まず、歳入の主なものを御説明いたします。
国庫支出金九千九百十六万六千円、県支出金七千二十八万九千円、繰入金百八十七万三千円、繰越金六億八千八十八万円をそれぞれ増額いたしました。
 次に、歳出の主なものを御説明いたします。
 総務費は、企画費で新築住宅建築等奨励金四十五万円、移住交付金六百九十万円を計上し、戸籍住民登録費では戸籍事務へのマイナンバー制度導入に係る費用一千三十七万三千円などを計上しました。
 民生費は、社会福祉総務費で、国民健康保険特別会計繰出金四千二百五十一万二千円、介護給付・訓練等給付費一億円、老人福祉費で、介護保険特別会計繰出金二千二百十七万六千円、母子 福祉費では、ひとり親家庭等ファミリーサポート支援事業費、ひとり親家庭等医療費助成金など百四十六万円、保育所費で認定こども園等、地域型保育施設委託料五千七百万円、民間保育事業所おむつ処理機器等設備補助金九十五万円、足和田保育所自動食器洗浄機買換費百四十三万円などの増額であります。
 衛生費は、予防費で、帯状疱疹接種委託料の追加百八十四万円、また、がん患者の生活の質の向上を図るため、がん治療に伴う外見変化を補完する補装具の購入費の助成金として百万円、環境衛生費で合併処理浄化槽設置事業補助金四百四十八万八千円を増額しました。
 商工費は、河口湖駅前通り外国人観光客誘導警備委託八十万六千円、梨川もみじ回廊・大池公園樹木整備費百九十六万円の増額であります。
 土木費は、土木総務費で道路用地等の分筆登記委託料の二百十八万二千円、西湖桑留尾急傾斜事業増額分百十五万円、道路橋梁費で町道除雪委託料等五千三百万円の増額であります。都市計画費では、浅川地内もみじ補植事業費など百三十万円を計上しております。
 消防費は、富士五湖広域行政事務組合消防特別負担金一千万円、消防団員出動手当一千四百万円、防火水槽・消火栓整備費五百万円、災害対策費には、防災行政無線地図表示板ディスプレイ修繕費など六十五万円を計上しております。
 教育費は、小学校費で小立小学校パソコン教室・普通教室改修工事、船津小学校プール循環装置移設工事など八百七十七万円、令和六年度小学校教科書改訂による教師用教科書指導書・デジタル教科書購入費三千二百五十万円、中学校費では、肢体不自由生徒用 廊下階段手すり設置・段差解消工事費八十八万円、社会教育費では、中央公民館玄関入口階段部及びスロープ部への手摺設置工事八十一万円、保健体育費では、勝山小中学校グラウンド照明水銀灯取替修繕、町民プール温水ポンプ修繕、くぬぎ平人工芝東トイレ浄化槽入替工事など六百九十三万一千円の増額であります。
 
以上、本定例会に上程しました令和五年度一般会計補正予算(第七号)の説明とさせていただきます。詳細な内容や特別会計につきましては、各常任委員会において担当課長から説明をさせていただきますので、ご審議のうえご議決を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
 

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