本日ここに、令和五年第三回富士河口湖町議会定例会の開会にあたり提出いたしました案件の主なるものにつきまして、その概要を御説明申し上げますとともに、私の所信の一端を申し上げ、議員各位並びに町民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げたいと存じます。
はじめに今議会では、令和四年度の三十一の特別会計及び水道事業会計並びに一般会計の決算の認定をお願いするところですが、一般会計決算について概要をご説明いたします。
歳入においては、コロナ禍の影響を大きく受けてきた個人住民税や法人町民税の計が、対前年度比二.九%、約四千九百万円の増と前年度並みとなりましたが、固定資産税については、前年度に実施した減免措置がなくなったことなどにより、十三.九%、約二億八千七百万円の増となり、地方税全体では、九.六%の増となりました。また、普通交付税は、基準財政需要額の内、「臨時経済対策費」が継続となったことや、「臨時財政対策債発行可能額」が減額となったことなどにより、九千二百三十万円ほどの増額となりました。
歳出においては、社会保障経費や道路などのインフラ整備のほか、コロナ禍にあって町民・事業者の暮らしを支援するための経費や勝山小学校特別教室棟増築事業などの教育費、また、子育て支援などの民生費が主な内容となっております。
その内、コロナ禍に対する主な支援では、全町民に五千円の商品券を配布した「くらし応援商品券事業」約一億四千八十万円をはじめ、町内出身の大学生等や町内の大学等に就学する学生を対象に、一人当たり三万円を給付した「大学生等生活支援給付金事業」三千四百五十万円また、生活困窮世帯に係る「高等学校学習用端末購入支援事業」は、三百五十万円となりました。
また、国の政策による「子育て世帯生活支援特別給付金事業」や「出産・子育て応援交付金事業」、「住民税非課税世帯等臨時特別給付金事業」などの実施のほか、町独自に六十五歳以上の高齢者の方に一人あたり三万円を給付した「高齢者緊急生活支援給付金事業」一億四千二百万円、酪農等を経営する事業者の方々への支援の「配合飼料高騰対策事業」二千三百二十万円となっております。
また、経済対策として、町内宿泊施設への宿泊者に対する宿泊費の一部の助成と対象の宿泊客に商品券を配布し、誘客を図った「宿泊支援事業」一万四千六百泊分、九千百六十万円、また合宿での誘客を図るための「スポーツ・文化合宿再開支援事業」は、二万六千泊分、三千二十万円の事業費となり、これらの新型コロナ関連の支援事業費の合計は六億円あまりとなっております。
次に、「町制施行二十周年」及び「富士山世界文化遺産登録十周年」の関係記念イベントなどについて申し上げます。年度当初より、富士山シンポジウムの開催や記念ウオーキングの開催など、機会あるごとに記念イベント等を実施してまいりましたが、世界文化遺産の指定を受けた六月二十二日には、記念式典と記念花火の打ち上げのほか、当日は天候により見合わせることとなりましたが、河口湖ハーブフェスティバルの開催にも合わせ二十三日、二十四日には、大石公園において四百機のドローンによる富士山と河口湖にちなんだショーを公演し、高評を得たところです。
また、八月には、夏の風物詩である納涼花火大会、コロナ禍後初めてとなる西湖竜宮祭、本栖神湖祭などの開催や四日には、町制二十周年記念花火大会と茅原実里さんによる記念ライブコンサートの開催、そして締め括りの河口湖湖上祭と多くの観客でたいへんな賑わいをみせました。観光入り込みは、順調に推移し、シーズンを通してコロナ禍以前を彷彿させるものとなっているところであります。
また、スポーツにおいても、くぬぎ平スポーツ公園人工芝運動場において、町のスポーツクラブが様々な大会を開催するほか、これまで、日本クラブユースサッカー連盟などが主催する東日本地区の代表チームによるJCYインターシティトリムカップやJHTラクロス大会など十を超える大きな大会をはじめ様々な大会が開催され、スポーツの振興はもちろん、スポーツ大会の誘致、そして、それに伴う宿泊の需要に繋がっているところであります。今年度は、人工芝運動場の北側に防球ネットの設置を予定しているほか、運動場の南側に位置するメイン・サブの両グランドなどを含め、引き続き環境整備に努めてまいりたいと考えております。
今後の主な記念イベント等の開催予定は、九月十日、今年で二回目を迎える「Mt(マウント).富士トライアスロン富士河口湖2023」を河口湖・西湖の特設コースを舞台に個人千百五十人、リレー十六チームのアスリートの参加のなか記念大会として開催をする予定であります。
また、十月一日には、町制祭のイベントである「まちフェス」を例年より内容を充実した上で開催するほか、十一月十五日には、「町制二十周年記念式典」を開催するとともに、翌週の二十二日には、記念式典の「特別企画」として、特別町民でもある「綾小路きみまろ」氏による記念ライブ公演を開催します。この公演は町民を対象にした無料公演となりますが、会場の関係等で事前申込制による抽選とさせていただいております。これまで、広報誌やCATV等でお知らせし、既に多くの方が申し込みをされておりますが、申込期限が今月十四日までとなっておりますので希望される方は申し込み下さるようお願いいたします。
また、これらの記念イベントのほか、今年で三年目となる「富士山河口湖ピアノフェスティバル」を九月十五日から十八日までの四日間、開催するほか、昨年「東京ガールズコレクション」の「TGC(ティジーシー) FES(フェス)」が山梨県で初めて県主催により当町で開催されましたが、その第二弾として、今年も十月二十二日に「TGC(ティジーシー) FES(フェス) 山梨 2023」が河口湖ステラシアターをメイン会場に開催される予定です。
こうした様々なイベントの開催とその情報発信により、町の知名度のアップと多くの誘客に繋げたいと考えておりますが、同時に町民の皆様には様々な形で楽しんでいただきたいと考えているところです。
次に今年度の主な事業の進捗などについて申し上げます。
燃料・食料品価格等の物価高騰への町独自の支援策として、事業費四億二千四百万円余りをかけ、年度当初より二度に渡り、すべての町民を対象に一人あたり、合わせて一万五千円分の商品券を配布する「くらし応援商品券事業」を実施しております。当初配布した商品券に加え、追加配布をしている商品券も今月中には、全ての世帯への配布を完了する予定となっております。両商品券は、ともに十二月末までの使用期限となっておりますので、様々な場面で活用していただきたいと考えております。
また、当町の観光産業の発展を牽引してきた温泉ですが、町制施行二十周年となる今年度、その四つ目となる新源泉を掘削するよう、先月八日、掘削のための契約の議会承認をいただいたところであります。工期は、来年三月までとなっており、年度中には新源泉が新たに誕生する予定であります。
教育施設では、生涯学習館・子ども未来創造館の空調設備等の改修を行っておりますが、夏休み明けの先月末から工事に入り、十月末の完了を予定しております。また、昨年から行ってきた船津小学校の体育館の大規模改修事業は、先月中旬に竣工したところです。屋根の修繕や外壁の塗装をはじめ、床も新たに張り替えられ、照明設備も新たとなり、新学期から授業が開始されております。新校舎や運動場、外構整備をはじめとする周辺整備に続き、残っていた体育館の改修が終了したことで、全ての関連整備が完了したこととなります。
また、これまでに拡大、実現してきた小学校・保育所の給食費の無料化や乳幼児へのおむつ用品支給事業、高校生までの医療費の無料化をはじめとする子育て支援策は、今年度においては、昨年度までの三歳以上の児童に対する保育料等の無償化と、0歳から二歳までの一部無償化に加えて、新たに0歳から二歳までの全ての児童について、保育料等の無償化を実施することとしたことで、全ての児童の「幼児教育・保育の無償化」という形を実現させました。また、それとともに、保育所等に通わせることなく、自宅などで一歳から三歳の児童の保育をしていただいている保護者の方にも、負担の軽減を図るよう相談支援や児童一人に一か月あたり二万円、年間二十四万円を助成する「おうち子育て応援事業」も開始しております。
これまで、こうした未来を担う子どもたちの健やかな成長と子育てを応援するための様々な支援策と併せて人口問題にも取り組むとともに、コロナ禍にありながら、持続可能な社会・まちづくりの実現のため、観光をはじめとする経済の活性化と社会保障費の継続や拡充、また、様々な福祉施策の実現や拡充、さらには、教育・防災・インフラの適切な整備など、あらゆる面に目を配りながら実行してまいりました。今後も効率的な財政運営を進めるとともに、町民一人一人の福祉の向上のため、活力あるまちづくりを進めていく所存であります。
それでは、今議会に提出いたしました議案について御説明いたします。
提出案件は全部で四十七件です。内訳は、報告が二件、条例の一部改正が三件と決算認定が三十三件、補正予算が九件です。まず、報告につきましては、「令和四年度決算に基づく財政健全化判断比率等の報告について」及び「令和五年度教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価について」です。
次に、条例の一部改正の内、「富士河口湖町印鑑条例の一部を改正する条例の制定について」は、法改正によりマイナンバーカードをスマートフォンに搭載することで、コンビニエンスストアにおいて、それを利用して住民票や印鑑登録証明が取得できるようになることに対応するため、提案するものです。
次に、令和四年度決算認定につきましては、三十一の特別会計及び一般会計並びに水道事業会計です。
次に、補正予算については、特別会計七会計と一般会計並びに水道事業会計でありますが、そのうち、令和五年度一般会計補正予算(第五号)の概要について御説明いたします。
今回の補正は、既定の歳入歳出予算の総額に二億一千二百八十二万九千円を追加し、歳入歳出の総額を百三十八億八千十五万六千円とするものです。
歳入の主なものを御説明いたします。
国庫支出金三百三十一万三千円、県支出金四百六十三万八千円、繰越金一億九千六百二十万九千円をそれぞれ増額するものです。
次に、歳出の主なものを御説明いたします。
総務費では、町制二十周年記念イベントを充実させるための関係経費三百三十三万円、東京二十三区からの当町への移住に対する「移住交付金」の追加分八百万円、大池公園内への電気自動車急速充電器新設に伴う関連費用五百二十九万円の増額です。
衛生費では、清掃費で利便性の向上とごみの分別及び減量化につなげるため、スマートフォンを利用して、ごみの収集日、分別方法や収集場所などの情報の照会と通知を受け取れるなどの機能をもったアプリ「さんあーる」を導入する費用として二十万円の増額です。
農林水産業費では、農業費で特に原料生産国の状況などの影響を強く受けた家畜配合飼料の高騰が、酪農等を経営する事業者の方々の経営を大きく圧迫していることを受け、その経営を支援するため、新たに酪農業、肉牛畜産業を営む事業者を対象に「配合飼料高騰対策事業補助金」を昨年に引き続き交付することとしました。補助内容は、乳牛一頭につき五千円、肉牛は一頭につき二千円を交付するもので、一千五百万円の増額です。
商工費では、「東京ガールズコレクション」の「TGC(ティジーシー) FES(フェス) 山梨 2023」の協賛としての負担金五百万円、東京新宿において、首都圏の旅行業者を対象に旅行需要が減少する冬季の「観光PRセールス・商談会」を開催するための委託料として、百十万円、また、道の駅かつやまの特産品売場増設工事一千三百八十万円、そして、河口湖駅前周辺の外国人観光客をはじめとする観光客のマナーの啓蒙や誘導を行う誘導員の継続のための費用百六十万円の増額です。
土木費では、住宅費で住宅リフォーム補助金百五十万円の増額です。
教育費では、小学校費で施設整備費四百万八千円、社会教育費で、富士ヶ嶺公民館ほか改修費補助金として、百九十二万九千円、富士河口湖音楽のまちづくり事業実行委員会補助金五百万円、富士河口湖町オーストリア音楽国際交流委員会補助金一千五十五万円、保健体育費では、小立小学校の運動場の夜間照明設備を改修し照度を上げ、より安全な環境とするための整備費九百五十八万円などの増額となっております。
以上、令和五年度一般会計補正予算(第五号)の説明とさせていただきます。 詳細な内容や特別会計につきましては、本会議において担当課長から説明をさせていただきます。
また、今定例会が私の町長としての今任期の最後の定例会となりますが、なにとぞご審議のうえご議決を賜りますようよろしくお願い申しあげます。