令和3年9月議会 施政方針

 本日ここに、令和三年第三回富士河口湖町議会定例会の開会にあたり提出いたしました案件の主なるものにつきまして、その概要を御説明申し上げますとともに、私の所信の一端を申し上げ、議員各位並びに町民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げたいと存じます。

 はじめに、「新型コロナウイルス感染症」の感染防止の徹底に多大なご協力をいただいております町民・事業者の皆様、そして、感染症拡大の最前線で献身的なご尽力をいただいている医療従事者をはじめとするエッセンシャルワーカーの皆様には、改めて深い敬意とともに心より感謝を申し上げます。
  現在の当町の新型コロナウイルス感染症のワクチンの接種状況は、希望する六十五歳以上の高齢者の接種は終了し、四十五歳以上の方の接種へと進んでいるところでございます。これまでワクチンの供給事情により、接種の予約・実施は、年齢きざみで行ってまいりましたが、今月中には、四十四歳以下すべての方へ、接種案内の通知をお届けできる予定となっておりますので、何卒ご理解をいただきたくお願いいたします。

 さて、本定例会は、議員各位におかれましては、任期最後の定例会となるわけでありますが、改めて振り返りますと、平成から令和への改元という時代の転換点を迎える中、防災・減災対策や今なお続く新型コロナウイルス感染症への対応のほか、急速に進む少子高齢化問題など、様々な諸課題に共に向き合ってまいりました。四年間の長きにわたり町政に対して誠意あるご指導、ご協力を賜り、町の発展に力を尽くされたことに、心より感謝を申し上げます。今後も、引き続いて、現席する全議員が、より良い富士河口湖町のまちづくりにご尽力をいただきますようご期待を申し上げます。

 さて、新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延の影響により、史上初めて延期されていた第三十二回夏季オリンピック東京大会(東京2020オリンピック)は、開催都市、東京が緊急事態宣言下にある中で、七月二十三日に開幕しました。二百五カ国と地域、難民選手団が参加し、史上最多の三十三競技、三百三十九種目が行われたところであります。一九六四年大会以来、五十七年ぶり二度目となった東京でのオリンピックは、開会式も含め大半の会場が無観客で行われ、また、感染拡大への不安や直前まで相次いだ大会組織委員会の混乱など、異例ずくめの祭典となりましたが、世界中から集まったアスリートの活躍は、十七日間にわたり、全世界の人々を魅了しました。中でも日本人選手たちは、目覚ましいパフォーマンスを見せ、我が国は、史上最多二十七個の金メダルを獲得し、銀十四、銅十七を合わせた総数でも過去最多を上回る活躍をみせました。
 その中にあって、当町出身の藤嶋大規選手は、二大会ぶり二度目の出場となるカヌーのカヤックフォアに出場し、惜しくも準々決勝で敗退したものの、その雄姿は、町民に深い感動を与えるとともに、後に続く地元の後輩に大きな希望を与えるものでありました。
 また、当町がボート競技の事前合宿地として誘致し、河口湖で本番までの調整をしたクロアチア共和国ボートチームは、男子ペアでマルティン・シンコビッチ、バレント・シンコビッチ両選手が、金メダルを獲得し、さらに男子シングルスカルでもダミル・マルティン選手が銅メダルに輝きました。この度のことを契機に、ボートの聖地としての河口湖という名前が、メダルを獲得した選手たちが練習した場所としても、全国的に知られるようになってもらえるものと期待するところであります。
 続いて八月二十四日には、パラリンピックが開幕し、二十二競技五百三十九種目が今月五日までの日程で現在も行われております。この大会に先立ち、当町が事前合宿地として誘致しましたフランスパラトライアスロンチーム(二十一名・内、選手十三名)は、十七日に当町を訪れ、二十四日までの八日間にわたり滞在しましたが、この間、本番に向けて十分な準備ができるよう、できる限りの応援をしたところであります。パラトライアスロンは、障害の種類や程度により、四つのクラスに分かれており、八月二十八日、二十九日に競技が行われましたが、結果はアレクシ選手が金メダル、アヌック選手が銅メダル、他入賞ペアが二組、入賞者が三名となり、監督からは、「事前合宿の調整の成果が発揮できた」とお礼のメッセージをいただきました。
 また、今回を含め、これまで本町が2020東京オリンピック・パラリンピックのフランストライアスロンチームの事前合宿地となったことを契機に、レガシーとしてまた、当町の観光資源と親和性の高いスポーツとの融合により、観光とスポーツの相互の普及、発展を図るため、「Mt(マウント).富士トライアスロン富士河口湖2022」を来年九月四日に開催をすることとしたところであります。
 八木崎公園をメイン会場とし、河口湖・西湖の特設コースで実施するもので、抜群の景観を楽しむとともに、大自然に挑戦するという、ポストコロナの中にあって本町の新たな観光イベントとして、期待をするものであります。
 次に、くぬぎ平スポーツ公園人工芝運動場で行われた令和三年度全国中学校体育大会・「第五十二回全国中学校サッカー大会」について申し上げます。先月、八月十九日に開幕し、二十三日までの五日間にわたり、全国を十に分けた地区から勝ち上がった代表三十二チームにより、くぬぎ平スポーツ公園人工芝運動場をメイン会場に、富士北麓公園陸上競技場や、小瀬陸上競技場(JⅠTリサイクルインクスタジアム)などで熱戦が繰り広げられました。
 決勝戦は、二十三日、小瀬陸上競技場で行われ、鹿児島県の神村学園中等部が優勝し、五日間にわたった多くの熱戦の終止符が打たれましたが、準決勝までが行われた当町へは、コロナ禍の下での大会という配慮をする中にあって、全国から選手、監督、コーチ大会関係者などの他、大勢の観覧者が訪ずれたところであります。
 大会期間を通じて、総じて天候に恵まれ、富士北麓のすばらしい景観と冷涼な気候、そしてすばらしい施設を全国から集まった方々に紹介できたものと考えております。こうしたことを通じて新たな様々な大会の誘致やスポーツ合宿などの受け入れに繋がるよう期待するところであり、引き続き環境整備に努めてまいりたいと考えております。
 続いて、我が国で現下、最大の課題となっている新型コロナウイルスの感染拡大の状況でございますが、デルタ株への置き換わりが急速に進み、緊急事態宣言の対象地域は、先月の三回の拡大により、現在では二十一の都道府県、まん延防止等重点措置の適用対象は、山梨県のほか、十二県に及んでおります。そして、その期限も今月十二日まで延長されることとなるなど、全国的にほぼ全ての地域で、これまでに経験したことのない感染拡大が継続している極めて深刻な状況となっております。
 県では、こうしたことを受け、今月十二日までを期限として、独自の感染拡大防止のための協力要請とまん延防止等重点措置による要請を合わせた内容で、飲食店等の休業や時短営業、酒類の提供の禁止などを要請している状況であり、当町においても「感染拡大の防止」の徹底と「社会経済活動の維持」という難しい対応が続いております。
 こうした厳しい状況の中、菅義偉首相は、事業者支援のため、地方創生臨時交付金三千億円の増額配分を表明し、また、感染防止策の強化に合わせ、国民生活を下支えする追加経済対策の取りまとめを政府・自民党に指示する方針であるとしております。それには、生活困窮者への給付金や飲食店などの事業者への支援などが盛り込まれるものとされており、財源となる第一次補正予算は、三十兆円規模となる見込みで、臨時国会もしくは特別国会での対応が想定されております。
 町として、今後も継続して、こうした国・県の動向やその内容をも注視しつつ、新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策を図り、併せて、状況に応じて、速やかに、地域経済の支援対策や住民への支援などの対応をしてまいりたいと考えております。
 コロナ禍の収束への道は、未だ見通せない状況ではありますが、ポストコロナの潮流の中で、感染拡大の防止に力を注ぐとともに地域経済の活性化と持続可能な社会・まちづくりを実現していくため、議員各位をはじめ、町民の皆様のご協力をいただきながら、あらゆる分野に目を向けて、全力で町政の運営にあたってまいる所存であります。

 

 それでは、今議会に提出いたしました議案について御説明いたします。
 提出案件は全部で四十九件であります。内訳は、報告が三件、条例の廃止が一件、条例の一部改正が三件、町道の路線認定が一件と決算認定が三十三件、特別会計補正予算が七件及び一般会計補正予算であります。
 まず、報告につきましては、「令和二度決算に基づく財政健全化判断比率等の報告」及び「令和二年度富士河口湖町一般会計予算継続費精算報告書」の報告と「令和三年度教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価について」であります。
 次に、条例の廃止につきましては、「富士河口湖町定住促進住宅条例を廃止する条例の制定について」で、条例の一部改正が「富士河口湖町特定個人情報保護条例の一部を改正する条例の制定について」及び「富士河口湖町行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の一部を改正する条例の制定について」であります。
 次に、令和二年度決算認定につきましては、三十一の特別会計及び一般会計並びに水道事業会計であります。
 次に、補正予算については、特別会計七会計と一般会計でありますが、そのうち、令和三年度一般会計補正予算(第四号)の概要について御説明いたします。
 今回の補正は、既定の歳入歳出予算の総額に二億六千四百四十万六千円を追加し、歳入歳出の総額を百二十一億六千四百五十万八千円とするものです。
 歳入の主なものを御説明いたします。
 歳入は、国庫支出金一億二千九百十九万二千円、繰越金二億八百四万五千円をそれぞれ増額し、地方特例交付金一億三千万円、町債三千七百八十万円をそれぞれ減額するものです。
 次に、歳出の主なものを御説明いたします。
 総務費では、新築住宅等奨励金四百万円の増額であります。
 民生費では、児童福祉費で新型コロナウイルス感染症対策支援事業補助金百七十万円の増額であります。
 衛生費では、保健衛生費で新型コロナウイルス感染症のワクチン接種にかかる事業費一億二千三百五十一万七千円と清掃費で施設補修工事費三百二十一万三千円の増額であります。
 農林水産業費では、農業費で富士ヶ嶺バイオセンターバキュームタンカーの修理費用八十万七千円と、林業費で有害鳥獣防護柵設置費補助金四十万円の増額であります。
 商工費では、観光費で竜ヶ岳登山道の四阿(あずまや)の整備を含む整備事業に七百四十六万二千円の増額であります。
 土木費では、道路橋梁費では、町道の舗装修繕工事、雨水対策工事等八百万円、住宅費で住宅リフォーム補助金百二十万円の増額であります。
 教育費では、小学校費で、小立小学校駐車場用地取得費二千八百五十六万七千円、社会教育費で、中央公民館屋根改修工事費二千八百万円の増額、保健体育費で、本栖湖スポーツセンター屋上防水等改修工事費千二百万円及び漕艇場施設修繕費百六十一万五千円の増額であります。
 以上、令和三年度一般会計補正予算(第四号)の説明とさせていただきます。 詳細な内容や特別会計につきましては、本会議において担当課長から説明をさせていただきますので、なにとぞご審議のうえご議決を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

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