令和2年3月議会 施政方針

本日ここに、令和年第一回富士河口湖町議会定例会の開会にあたり、提出いたしました案件の主なるものにつきまして、その概要を御説明申し上げますとともに、私の所信の一端を申し上げ、議員各位並びに町民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 
まず、船津小学校増改築工事の進捗状況をご報告申し上げます。
完成予定を令和二年一月末としておりましたが、未だ完成には至っておりません。本体工事着工以来、請負業者には工程表に基づき予定した完成期日に間に合わせるよう要請を行ってきましたが、工事現場が手狭で作業効率が当初の想定とおり行えていないとのことでした。
請負業者には、再三にわたって工事体制の見直しと作業員の増員を要請し、三月中の完成をお願いしてきましたが現状では三月中の完成も不可能な状況となっております。
ここにこのような厳しい事態となったことをご報告するとともに、船津小学校の児童の皆さま、保護者の皆さま及び町民の皆様に深くお詫びを申し上げるところです。
三月に卒業される児童の皆様には、夏休みを利用して新しい校舎にお招きして見学・体験できるような機会を設けていきたいと考えております。
今後も請負業者には、一日も早い完成を要請するとともに工事の進捗状況を見守っていく所存であります。
 
さて、昨年五月に「平成」から「令和」に御代代りし最初の新年を穏やかに迎え、令和年への希望に満ちた新年早々、中国から「新型コロナウイルス」発症の報道を受けました。当初は感染力も弱く過去に流行した「重症急性呼吸器症候群」いわゆる「SARS」ほどの流行にはならないという報道でした。
その後、中国国内での感染拡大により、中国政府は春節休暇中の一月二七日海外への団体旅行と、旅行会社がホテルや航空券を手配する「パッケージツアー」での個人旅行を禁止しました。
これにより、本町を訪れる外国人観光客は減少し続け二月中旬には町の様相は一変し、街中を歩く外国人の姿は激減したところです。また、日本国内でも初の死亡者が発生するなど日本国内での感染も拡大しているところです。
中国人観光客ばかりでなく、他の国から訪れる外国人も減少するとともに日本人の旅行控えも懸念されるところです。こうした中、二月一三日には一般社団法人富士河口湖町観光連盟をはじめとする観光関連団体二団体から予約キャンセルに対する特別融資や補填、観光客誘致に向けた各種プロモーションの実施などの要望をお受けしております。
また、本町においても、三月中に主催するイベント等について、室内で不特定多数の人の参加が見込まれるものについては中止または延期の措置をとったところであります。
一日も早い感染の終息を願うとともに、観光客の激減に対応するために「令和年度富士河口湖町観光支援事業」を実施することといたします。
これは、昨年の台風十五号・十九号をはじめとする豪雨災害等により東日本十四都県への旅行者に国の補助金をもとに都県が宿泊費を一泊あたり最大5千円補助するもので、いわゆる「復興割」と呼ばれるものですが、三月をもって終了する見込みとなっています。
これを当町独自に、町内の宿泊施設利用者に「復興割」と同様の補助を行い観光需要の喚起と町内経済の早期回復を図ってまいりたいと考えております。
この事業は、県の復興割の終了翌日から始め、六月までの三か月間を予定し、各月延べ一万人の補助を見込み一億5千万円の事業費を計上する予定であります。
なお、この事業には事業者の借り入れた利子の七十パーセントと信用保証協会への保証料の五十パーセントの補助金が含まれたものであります。
この事業費につきましては、令和二年度富士河口湖町一般会計予算が承認された後、今定例会最終日に補正予算第一号を追加提案させていただきたいと存じますのでなにとぞご理解を賜りたくお願い申し上げます。
 
こうした状況ではありますが、二月初旬には令和二年度の予算編成作業もほぼ終了したところであり、歳入における町税の収入見込みも通年ベースで見込んだ中で編成を行っております。主要な税目であります個人町民税においては課税の基礎となる所得は令和元年中のものであり、固定資産税の課税客体も令和二年一月一日現在の現況によるものとなっておりますので、町税への影響は令和二年度については大きな影響はないものと考えておりますが、法人町民税の下振れや収納率の低下などが懸念されるところですので、慎重に見極めながら財政運営を行っていく所存であります。
 
令和二年度は、私が町長として二期目の任期の最初の通年年度となります。
一期目には、子どもを「生み・育むことに優しい環境を創設する」ための施策の展開や「未来の富士河口湖町を担う人材を創生する」ための施策の展開、「人の流れをつくり地域経済を創生し、地域に根ざした新しい雇用を創生する」事業の推進や、「将来にわたり活力あふれる地域を創生する」ための主な事業の推進をはじめとして「地方創生」の理念を強く意識し、現在の諸課題の解決に向けて「しごと」が「ひと」を呼び、「ひと」が「しごと」を呼び込む好循環と、その好循環を支える「まち」に活力が生まれることで、人々が安心して生活を営み、子どもを生み育てられる明るい社会環境を創出するため、強い信念と決断を持って、実効性のある施策を積極的に展開してまいりました。
これらも町議会議員各位をはじめ町民の皆様と共に将来を見越した施策を地道に実践してきた成果であると認識しております。今後も現状を見据えながら町発展のため、効果的な政策を積極的に展開してまいる所存であります。
 
次に、令和二年度を迎えるに当たり、新たな取り組みの代表的な部分を御説明申し上げます。
昨年十一月五日告示の町長選挙において二期目の公約として「観光立町の推進」、「災害に備えての基盤整備の推進」、「教育の充実」、「福祉の充実」の四つの柱を掲げさせていただきました。
これまで進めてきました施策にさらに上乗せして実施していく事業は、「観光立町の推進」として、国際的な観光地にふさわしい情報通信網の整備を進めるための「まちなかWI‐FI設置事業」であります。
外国人観光客の多い河口湖駅から船津浜を経由して河口湖自然生活館までに50台の通信機器を設置してインターネット環境への接続を可能とするもので、今後も成果を評価しながら他地区にも範囲を広げていく予定であります。
また、スポーツの振興とスポーツ合宿の復活のため、くぬぎ平スポーツ公園運動場の人工芝生化工事を実施します。約三万2千㎡の土のグラウンドを全面人工芝生化して、サッカーコートは3面、少年野球は4面を確保して、富士北麓の冷涼な気候を活かして夏の合宿や大規模な大会の誘致を行い観光振興につなげていきたいと考えております。
次に「災害に備えての基盤整備の推進」として、まず、町民の生活道路である町道の改修や雨水対策工事の推進であります。大雨による浸水や、法面の崩落を防ぐため、令和年度当初予算においては、前年度の倍以上の予算を確保して事業を進めてまいります。
また、土砂災害警戒区域の中にある浅川中央川の改修工事をはじめ、町が管理する準用河川の浚渫工事を進め大雨に対する防災面での強化を図ってまいります。
次に「教育の充実」として、選挙時の公約でもありました小中学校の給食費の完全無償化につきましては、令和二年四月から町立及び河口湖南中学校並びに私立の小中学校で学校給食を提供している学校に通学している児童生徒につきまして、給食費の全額を補助することといたしました。
子育て世代の負担を軽減するとともに、家計の他の教育関係経費の充実を願うところであります。
次に「福祉の充実」として、七十歳以上の高齢者が所有する自家用車にアクセルとブレーキの踏み間違い防止装置を設置する場合に費用の一部を補助する制度を令和二年四月から開始します。これは国の補助制度が始まるまで及び国の補助制度終了後において実施するものとなっています。併せてドライブレコーダーの設置費用の一部を助成するものとします。
また、子育て支援策として、令和二年四月から一歳までの乳児に対して紙おむつの購入費の一部を助成する制度を開始いたします。
さらに、町内の保育所においてこれまで主食は保護者の負担で提供する保育所と、家庭から持参していただく保育所と対応が統一しておりませんでしたが、これも令和二年四月から公費により町内の全保育所においてご飯の提供を始めることといたしました。これにより保育所の給食費の完全無償化が達成できることとなりました。
 
それでは、今議会に提出いたしました議案について御説明いたします。提出案件は全部で五十一件であります。内訳は、条例の一部改正が六件、出資金の権利の放棄についてが一件、特別会計の補正予算が件、一般会計補正予算、令和二年度当初予算は特別会計予算が三十二件と一般会計予算であります。
そのうち、令和元年度一般会計補正予算(第六号)について御説明いたします。
 
今回の補正は、既定の歳入歳出予算の総額から二億八千六百六十五万千円を減額し、歳入歳出の総額を百三十八億二千百十三万五千円とするものです。
継続費の補正は船津小学校改築事業についてお願いするもので、繰越明許費につきましては、追加分として事業をお願いするものであります。
債務負担行為の追加は、町民福祉館「ふじやま」の指定管理料を令和二年四月一日からの三年間分を設定するものです。
地方債の補正につきましては、変更分として合併特例事業債の学校施設整備事業債等の補正をさせていただくものです。
歳入の主なものを御説明いたします。
歳入の主なものは、寄付金三千八百十一万六千円の増額、国庫支出金九千五百九十四万千円、町債二億千四百二十万円等の減額です。事業費の確定による減額が主な要因となっています。
歳出の主なものは、財産管理費で積立金四千八百二十七万円の増額、社会福祉総務費で国民健康保険特別会計繰出金二千七十一万八千円、老人福祉費で介護保険特別会計繰出金八百六十八万二千円、保育所費で小立保育所駐車場整備工事費八百十一万五千円、清掃総務費で吉田償却場処理費負担金三千二百三十二万五千円、道路維持費で除雪作業委託料三千八百万円、小学校管理費で小学校情報ネットワーク環境施設整備事業費七千二百九十五万三千円、中学校管理費で中学校情報ネットワーク環境施設整備事業費千五百七十三万円の増額です。
その他は、令和元年度の事業費が確定したための不用額見込額を減額計上させていただきました。
 
続きまして、令和年度の一般会計歳入歳出予算の概要について御説明いたします。
 歳入歳出予算の総額は、歳入歳出それぞれ百二十七億二千万円であり、前年度比較四億七千八百万円の減額となっています。 
まず、歳入の主なものを御説明いたします。
町税は、四十四億六千六百三万円、地方消費税交付金五億三千万円、地方交付税二十二億円、国庫支出金八億二千二百一万二千円、県支出金五億二千七百二十一万七千円、町債十九億二千三十万円等を計上しました。
次に、歳出の主なものを御説明いたします。
総務管理費は、積立金四億二千二百九十七万七千円、東京オリンピック・パラリンピック誘致事業費千五百十六万一千円、ふるさと納税関連事業費八千五百五十万円などを計上しました。
消防費は、消防団員報酬五百十六万円、船津分団消防タンク車購入事業費三千五百万円などを計上しました。
社会福祉費は、高齢者運転安全補助装置支援事業費及び運転記録装置支援事業費二百万円、高齢者外出支援事業費三百五十五万二千円、介護給付・訓練等給付事業費三億五千万円、重度心身障害者医療費助成事業費七千八百万円、心身障害児者福祉手当支給事業費二千六百三万六千円などを計上しました。
児童福祉費は、紙おむつ用品支給事業費八百二十八万円、放課後児童健全育成事業費二千百三十九万六千円、子育てサイト運営事業費百九十八万円、町内保育所運営事業費六億八千三百四十六万五千円、保育所給食完全無償化事業費六千五百十七万円などを計上しました。
保健衛生費は、ようこそ赤ちゃん事業・不妊治療費助成事業費五百二十五万円、高校三年生までの子ども医療費助成事業費一億円などを計上しました。
畜産業費・林業費は、富士ケ嶺バイオセンター機械交換修理費一千二百六十万円、有害鳥獣駆除事業費・防護柵設置補助事業費七百六十万円などを計上しました。
商工費・観光費は、まちなかWI‐FI設置事業費六百十三万円、観光周遊バス路線拡充運営補助など観光拠点・施設整備事業費七百四十万円、観光宣伝事業・国際観光推進事業費三千四百五十八万一千円、観光立町推進事業、富士山西麓観光連絡事業など観光立町推進事業費七百八十八万円などを計上しました。
道路橋梁費は、LED外灯設置事業費三百五万四千円、道路舗装修繕工事費、除雪作業委託料など道路維持事業費二億三百三十七万六千円、町道新設改良事業費五千百十万円、富士登山道線道路整備事業費一億一千九百万円などを計上しました。
都市計画費・運動公園整備事業費・住宅費は、くぬぎ平スポーツ公園運動場の人工芝生化への工事費等七億八千七百七十五万円、住宅リフォーム補助事業費二百万円、雇用促進住宅購入事業費九百三十四万円などを計上しました。
学校教育関連事業は、町単英語教諭の配置など教育センター事業費一千七百八十五万九千円、町単教諭配置事業、町単支援員配置事業、学校施設整備事業など小学校管理費一億三千三百八十七万三千円、パソコン設置事業、デジタル教科書導入事業など小学校教育振興費五千五百六十二万一千円、船津小学校増改築事業費七億四千七百七十一万九千円、外国語指導助手配置事業、中学校町単教諭配置事業など中学校管理費三千四百二十八万一千円、中学校パソコン設置事業、デジタル教科書導入事業、双龍太鼓活動補助事業など、中学校教育振興費千二百三十二万三千円などを計上しました。
学校給食費は、学校給食無償化事業費等一億五百十九万八千円を計上しました。
社会教育関連事業は、放課後児童健全育成事業費、家庭教育事業費、青少年教育事業費、図書館事業費など二千六百九十万二千円、体育施設各種工事費三千三百二十八万円、地域文化振興事業費二百九十六万円、ステラシアター運営事業費一千百六十万円などを計上しました。
 
以上、雑駁な説明で恐縮ですが、本定例会に上程しました 令和元年度一般会計補正予算(第六号)と令和年度一般会計予算の説明とさせていただきます。 詳細な内容や特別会計につきましては、本会議並びに予算特別委員会におきまして担当課長から説明をさせていただきますので、ご審議のうえご議決を賜りますようお願い申し上げます。

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