平成22年9月議会 施政方針

本日ここに、平成22年第3回富士河口湖町議会定例会が開催されるにあたりまして、提出いたしました議案の概要と、あわせて平成22年度上半期の町政の状況等についてご報告をさせていただきます。

7月11日に執行された参議院議員通常選挙は、与党にとりまして非常に厳しい結果になりました。
今後は、与野党が充分な議論を行う中で、各種施策が進められていくことと思いますが、「地域主権戦略の実行」など町村にとりましても非常に重要な課題もあります。 

過日開催された民主党の総務部門会議の中で、平成23年度予算の概算要求について地方6団体等からヒヤリングがおこなわれましたが、町村の代表である全国町村会長が出席し、町村の実情を踏まえた中で、地方交付税の所要額の確保やゴルフ場利用税の堅持、全国森林環境税の創設、後期高齢者医療制度の見直し、鳥獣被害対策等について意見を述べ、町村の意見を充分反映するよう要望したところであります。

さて、当町の本年度上半期の町政を振り返りますと、春先からの低温や日照不足による初期成育のばらつき、着色の遅れ等により、サクランボ、ブルーベリーの開園日が例年より遅くなり、さくらんぼ農園では、対前年比70パーセントの2,800人の入場者数に、また、ブルーベリー農園では、対前年比50パーセントの13,200人の入場者数となるなど、大変厳しい数字となりました。
しかし、両農園とも、町の重要な観光資源であり、都市と農村との交流を推進する上で大切な役割を果たしていただいております。非常に厳しい気象条件のなかで、果実の栽培管理に奮闘されました農家の皆様のご苦労をねぎらうとともに、今後も農園が発展することをご期待申し上げる次第であります。

野菜関係では、JA北富士物産館、勝山道の駅との共同イベントとして、8月12日から16日の間「もろこしまつり」を開催いたしました。
町内では、もろこしの作付け面積が、約6ヘクタールを有し、15万本を出荷、直売により県内外の多くの消費者へ供給されています。「もろこしまつり」にお越しいただいたお客様からは「実がやわらかく、甘くておいしい」というおほめの言葉を多くいただきました。
今後も、町営施設、JAとの連携を図る中で、町内農畜産物の宣伝、販売活動を更に活発化させ、お互いに盛り上げていきたいと考えております。
 
次に観光振興についてであります。
まず、トップセールスについてご報告させていただきます。
6月23日から27日までの5日間、中国牡丹江市及び北京市を訪問いたしました。
牡丹江市は、昨年5月、相互の観光振興を目的として観光協力協定を締結して以来、今回初めての公式訪問となりましたが、議会を代表して古屋議長にも参加していただきました。
牡丹江市は人口約270万人で、主な経済収入は貿易と観光であります。また、旧満州国であることから、日本とも関係が深く、日本の企業も十数社が進出しています。観光の中心は、周囲120kmで景色がすばらしい鏡泊湖で、ロシアとも国境が接しているため多くの観光客が来ています。
また、中国の八大経済特区に指定され、さらなる発展が見込まれる都市であります。市への表敬訪問では、市長が急遽出張のため副市長と会見し、町との観光協力協定が双方にとって有意義であり、今後は観光のみならず様々な分野での協力関係を深めていくことを確認しました。
さらに、お互い湖が共通の観光資源であることから、鏡泊湖との姉妹湖協定締結の提案があり、大いなる賛意を示し、絆を深めたところです。この様子は地元テレビで放映され、翌日の新聞にも掲載されました。
また、日本との交流がなかなか進展していない状況に対して、日本との飛行機の定期便がないことが課題になっているとの話があり、このことは、現地の旅行会社へ訪問したときも同様の指摘がありました。
日本からの誘客活動はほとんどなく、まだ未開発の地でありますので、まずは日本の富士河口湖町を印象付けたと思っております。また、交流の証として、それぞれの特産品である牡丹江市からはスイートパール(ほうずき)、町からはラベンダーの種を交換する約束もいたしました。

北京市においては、世界85ヶ国、700団体が出展し盛大に開催されている北京国際観光博覧会に参加いたしました。その中で特に中国の大手旅行会社にセールスを行うとともに、日本の旅行会社のブースを借りて観光資料の配布、設置、説明を行いましたが、何と言っても富士山の写真は非常に人気がありました。

併せて外国人の観光客の動向についてですが、ここ2年間は世界的不況や新型インフルエンザの影響があり、観光客数が減少しておりましたが、町の宿泊者統計をみますと、今年2月からは増加傾向が顕著に現れており、特に中国人の割合は4割と、その比率は年々増加しております。このため、当面トップセールスも中国を中心に行うなど、中国への誘客活動を効果的に進めていきたいと考えております。

次に、上半期の観光イベントについて説明いたしますと、厳しい経済状況の中、ハーブフェスティバルの集客は若干の減少となりましたが、今年から始まった「キラキラ河口湖夏物語」「地ビールフェスタ」により、全体では例年を若干上回る約31万人となりました。今後はこれらのイベントが定着しさらに集客増となるよう、積極的に告知をしてまいります。

また、イベント会場のリニューアルについては、非常に好評でありましたので、来年への集客に期待するところですが、まだまだ工夫の余地もあり、関係者と協議を重ねてまいりたいと考えております。

また今年初めての開催となった精進湖音楽祭は、出演の応募も多数あり、その中から選考された、地元富士ヶ嶺の中学生が出演したり、上九出身者や町内の関係者のバンドがあり、富士ヶ嶺に在住の著名なギタリスト、プロのジャズバンドの出演がありと、話題豊富な多彩なメンバーで、7時間のライブコンサートが行われました。来年は更なる大きな音楽祭になることが期待されます。

また、今年新たに観光まちづくり企画提案事業を実施しました。これは、観光まちづくり事業を自ら企画し実行しようとする住民団体等の総意工夫あふれる取り組み企画を公募し、観光立町の推進に大きく寄与すると判断される提案に対し、資金面の支援をするものであり、住民主体の観光まちづくりの推進並びに観光まちづくり団体の支援育成を図り、もって観光立町を強力に推進することを目的として始めた事業です。5団体から10事業が寄せられ、初めての試みとしては多くの応募があったと思っております。
選考は、書類による1次審査を副町長及び局長、課長の庁内メンバーで行ったあと、2次審査は外部の大学教授等の学識経験者及び町内の有識者7名により、プレゼンテーション、質疑等を行った結果、6事業が選定され、各18万円の支援を決定したところです。選考委員からは、非常に斬新な計画があった、各団体とも綿密に計画され熱意、エネルギーが感じられたなどの感想が聞かれました。私自身これからの行政の方向性の一つと一層意を強くしたところです。
 
次に、花トピア推進事業についてであります。
町では、花であふれる魅力的で美しいまちなみと健全な環境保全の創設を目的とし、町内の公園や空き地などを活用して、自治会・自主グループ及びボランティアと行政が一体となって花を植栽しております。
この事業の前身は、昭和40年代に婦人会が中心となり、湖畔を花で飾ることをスローガンに、花を育てる会が設立され、その後、かいじ国体を契機にそれぞれの町村で花いっぱい運動が展開され、平成3年に、町のイメージアップと美化意識の高揚並びに環境の保全を図ることを目的に、花トピア推進事業として現在に至っております。
本年、まちなみ花壇には、自治会などの61団体と、保育所など14団体の併せて75団体が参加し、ご協力をいただいているところです。
こうした中で、この度、町では勝山観光協会と船津婦人会の二団体が道路愛護等(道路の美化・清掃)に顕著な功績があったということで、国土交通省関東地方整備局から表彰を受けました。
勝山観光協会の功績は、平成4年から現在まで長期にわたり、国道139号勝山交差点の一画に、花壇の植栽や清掃活動等を毎年継続的に行っていることが認められたものであります。「道路ふれあい月間」にあたり、8月20日に甲府河川国道事務所において、国土交通省関東地方整備局長表彰の伝達式が行われ、勝山観光協会長が感謝状の贈呈を受けられました。
また、船津婦人会の功績は、平成4年から毎年東恋路の交差点から船津登山道入口交差点まで、積極的に行われた清掃活動の功績が認められたものであり、甲府河川国道事務所長表彰を受けられました。町といたしましても、2団体が表彰されたことは、大変喜ばしいことであり、今後も、これらの活動を通じてより一層魅力的で美しいまちなみづくりに住民の皆様のご協力をお願い致します。
 
次に、住民基本台帳カードの取り組みについてであります。
住民サービスの向上と住民基本台帳カードの普及促進を図るため、住基カードを利用したコンビニエンスストアでの証明書等の交付(コンビニ交付)ができるよう検討を進めてきたところであります。
このサービスは、総務省所管の財団法人地方自治情報センターにおいて、コンビニ交付に係る支援事業が実施されることを受け、今年度、当町と県内5市で、システムの共同構築・運用によるコンビニ交付の実施に向けた検討を行うことになり、韮崎市を代表としてサービスの実施に向けた手続きを進めているところであります。
住民の利便性や行政事務の効率化を図るため、閉庁時間帯や休日でも、身近なコンビニ(セブンイレブン)で住民票の写し及び印鑑登録証明書の取得が可能になり、窓口交付よりも手数料が低額になります。また、共同開発することにより、システム構築経費や運用経費の軽減が図られるものであります。
町では、平成23年4月からの運用を目指し、今定例議会に、システム構築経費の補正予算と「住民基本台帳カードの利用に関する条例」を提出させていただいたところであります。
平成24年3月までの間は、住基カードの発行手数料の無料化を実施し、多くの町民の皆さんが、身近なコンビニでご利用していただけるよう住基カードを早めに取得していただきたいと願っております。
 
次に、小立土地区画整理事業の商業施設のオープンについてであります。
7月23日に山梨県下で二番目に大きい「フォレストモール富士河口湖」の起工式が、関係する入居テナント業者や建設業者など、約150人が出席し盛大に行われました。8月からは建物の建築に着手し、来年3月のオープンとなります。
フォレストモール富士河口湖は、千台を超える駐車場を確保し、多くの植栽と併せて周囲の自然環境に配慮した建物に大型店舗3店、飲食店、各種小売業者等が入り複合商業施設となります。
国内の景気は持ち直してきているものの、依然として厳しい状況が続いる中で、「フォレストモール富士河口湖」の進出が、町の雇用に繋がるものと大いに期待するところでもあります。
この施設が、町内の商業施設との共存共栄を図りながら、お互いに切磋琢磨して発展することを願っております。
町でも、オープンにあわせて町道出口線の新設工事、国道139号交差点改良工事、町道4184号線の拡幅工事を進めているところです。
来年3月のオープン後は、観光客や富士北麓地域の方々を中心に多くの人が訪れることが想定され、私としても、町の活性化に繋がるものと大きな期待をするところであります。
 
来年5月に世界最高峰のオーケストラ ベルリンフィルハーモニー管弦楽団演奏会の指揮を、日本人では小澤征爾さんに次いで指揮をすることになった世界的な指揮者であります佐渡裕氏の監修のもと、今年で9回目を迎えた富士山河口湖音楽祭をステラシアターや河口湖円形ホールを中心に8月14日から21日までの8日間の日程で開催いたしました。期間中はショッピングセンターベルや河口湖美術館、管内保育所、そして河口湖駅前や八木崎公園、大池公園などでもコンサートを実施しました。
佐渡氏自身が勝山さくやホールを訪れてアマチュア合唱団に指導をするなど、今回も町内の施設を利用して盛大に展開されました。
また、毎年、全国のトップクラスの高校や中学の吹奏楽部が参加することで、吹奏楽に携わる生徒たちからは富士山河口湖音楽祭への参加がひとつのステータスとなっていると聞いております。町内の学生も参加する交流コンサートも開催されることなどにより、期間中に全国各地から参加した人数は約1万6,000人に上り、大変な盛り上がりをみせ、当町のシンボル的なイベントとして定着したことを実感しております。
また、この音楽祭の特徴は多くのボランティアによって支えられている点であります。運営のお手伝いとしてステラサポーターズクラブメンバー、学校吹奏楽部顧問、地元出身の大学生なども参加している音楽祭実行委員や、コーロ河口湖、食改推のメンバーなども出演者の食事を作るなど、様々な運営のもてなしを住民主体に行われていることもあり、住民参加のモデル的事業として深く受け止めております。今後もこうした文化イベントに力をそそぎ、豊かで魅力ある町づくりに一層努めてまいります。

また、今年から創設された文化庁の「優れた劇場、ホールからの創造発信事業」に、全国の中から13ヶ所が、直接5年間の継続的な支援をいただくこととなり、その中に、河口湖ステラシアターにおける富士山河口湖音楽祭が、県内では唯一指定を受け、今後ますます我が町の音楽文化の発信拠点として河口湖ステラシアターの役割が大きくなってくると感じております。

平成25年には、山梨県ではじめて国の文化の祭典である「国民文化祭」が行われます。山梨県も今年度から国民文化祭準備室を設置し、国民文化祭実行委員会を中心に企画を調整していると聞いております。富士河口湖町は、富士山麓の中心拠点として位置づけられ、すでに河口湖ステラシアターなどで、これまで行われていた吹奏楽やオーケストラなど大規模なプログラムの打診があるなど、少しずつ話が進みつつある中で、今年度中には(仮)国民文化祭準備プロジェクトを設置する予定でおります。
平成25年の文化祭期間中に県内外から訪れる方々に、これまでとはまた違った魅力を感じてもらえるよう、町でも精一杯「国民文化祭」に向けた取り組みを進めていきたいと考えておりますので、ご理解ご協力の程よろしくお願いいたします。

それでは、今回提案させていただいた補正予算のうち、一般会計補正予算の概要についてご説明いたします。

今回の補正額は、2億3,442万円を増額して、総額104億9,357万円とするものであります。
歳入の主なものですが、国庫支出金では、地上デジタル放送への移行に係る補助金として、無線システム普及事業費等補助金の994万6千円が増額となっています。

県支出金では、民生費県補助金で地域自殺対策緊急強化事業補助金として、266万2千円の増額、農林水産業費県補助金で水田農業改革支援事業補助金として、347万1千円の増額、農業委員会費補助金として、385万5千円の増額となっています。

また、商工費県補助金でふるさと雇用再生特別基金事業補助金として、452万6千円の増額となっているほか、総務費委託金では、国勢調査委託金など、83万3千円の増額となっております。

諸収入の雑入では、地域再生環境整備事業の補助金として、270万円、県道富士河口湖芦川線工事用道路の町道1004号線側溝舗装改修工事及び国道137号改良工事に伴う移転等補償料として、3,277万2千円、ステラシアターで行っている文化芸術活動の支援に対する文化芸術活動支援事業助成金として、310万円など、総額3,857万2千円を増額しました。

町債では合併特例事業債のうち学校施設建設事業債を勝山中学校増築事業に伴い5,930万円増額し、土木債では、道路の維持補修整備に係る道路整備事業債を1,370万円増額するなど総額6,480万円を増額しました。

次に歳出の主なものですが、

総務費の文書広報費では、地上デジタル放送への移行のための環境整備の補助金として、無線システム普及支援事業費補助金を994万6千円増額し、企画費では、地域再生環境整備事業として、アドバイザリー業務委託費用を270万円増額しました。

電子計算費では、コンビニでの証明書等の交付に向けての事業費の負担金を850万円増額しました。
徴税費の賦課徴収費では、国税連携システム及びeLTAX電子申告支援サービスの導入費用として、565万6千円を増額しました。

民生費の社会福祉総務費では、地域自殺対策緊急強化事業として、自殺予防リーフレットの作成及び監視カメラの設置費など266万2千円を増額しました。

衛生費のうち予防費では、新型インフルエンザ予防接種助成事業として27万3千円を増額しました。
農林水産業費の農業委員会費では、農地基本台帳システム改修整備事業費を385万5千円増額するほか、水田営農活性化対策費では、野菜雨避けハウスの補助などのための水田農業改革支援事業補助金を347万1千円増額しました。

林業費のうち林業振興費では、ツキノワグマ放獣事業や防護柵設置補助金など有害鳥獣対策の費用を32万7千円増額しました。

商工費のうち商工振興費では、ふるさと雇用再生特別基金事業として、地場産業品の開発事業委託料を452万6千円増額しました。

土木費の道路維持費では、県道富士河口湖芦川線工事用道路の町道1004号線側溝舗装改修工事費として、2,720万円増額するほか、道路の舗装打替及び側溝改修工事費など道路維持費用を2,248万円増額しました。

道路新設改良費では、区画整理地内の白木里宮線から延長される町道出口線の改良事業工事費を暫定道路舗装工事に伴い350万円増額しました。

都市計画費のうち公園費では、国道137号道路改良工事に伴う美術館前植栽補償工事費を557万2千円増額しました。

教育費の教育総務費では、学校の統廃合に伴い閉校する精進小学校及び上九一色中学校の閉校記念式典等実行委員会補助金として、600万円を増額しました。
また中学校費の学校管理費では、学校統廃合に伴い勝山中学校の普通教室の増築事業費を5,250万円増額しました。

勝山ふれあいセンター費では、温泉施設や照明関係の修繕費など施設の管理費用として117万円を増額し、上九一色コミュニティセンター費では、ボイラーの修繕費用など施設管理費用として、40万8千円を増額しました。
体育施設費では、船津小学校グランド照明器具設置工事費を84万円増額するほか、体育施設に備え付けのAEDの消耗品など、総額で93万3千円を増額しました。

その他、特別会計においては勝山財産区特別会計を始め6の会計で補正予算が提案されております。
以上雑駁な説明で恐縮でありますが、提出案件のうち補正予算にかかる説明とさせていただきます。説明し切れなかった項目や特別会計を含む細かな内容につきましては、担当課長から説明させますので、よろしくご審議いただきご議決賜りますようお願いいたします。 

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