平成24年12月議会 施政方針

 世界文化遺産に相応しい厳かで雄大な容姿の富士山と豊かな自然に囲まれたなかで、本日ここに、平成24年第4回富士河口湖町議会定例会が開催されるにあたり、所信の一端を申し上げさせていただき併せて、本定例会に提出いたしました、議案の概要説明をさせていただきます。

 多くの町民の皆様方から温かいご支援とご厚情を賜るなかで、昨年12月7日に町長として2期目に就任させていただいてから、早くも1年が経過したところであります。この間、議員各位をはじめとして、多くの町民の皆様方から多方面に亘り、ご支援とご協力を賜りまして、衷心より感謝申し上げるとともに厚く御礼申し上げます。
 
 この1年間は、町民の皆様からの負託を受け継続して町政を執行させていただくことに対して、改めて行政を預かる者の責任の重さを痛感するなかで、常に緊張感を保ちながら当面する行政課題を直視し、議論を尽くしてその解決に当たってまいりました。
 しかし、様々な考察や議論を重ねながらも未だ具体化されない課題も多く、更に今後発生する新たな課題に対し、2期目の残された任期3年間でそれらの諸課題の解決に向けて全身全霊で取り組んでいく決意を新たにしたところであります。
 また、町民の皆様が、富士山世界文化遺産登録に向けた活動を契機に、このかけがえのない自然環境と貴重な文化的資産を守るという共通認識を基にして郷土愛を更に育んでいただくなかで、「地域福祉の充実」「地域教育の向上」「環境の保全・向上」を提唱し、町民の皆様方の参画と協働によるまちづくりを進めてまいりましたが、その理念は、この5年間で確実に根付いてきたものと実感しております。
 議員各位におかれましては、明日の富士河口湖町発展のために引き続き建設的な、ご指導、ご助言、ご協力を賜りますよう切にお願い申し上げる次第であります。

 富士河口湖町を取り巻く社会経済情勢は、日々変化し、様々な影響を受けております。なかでも切実な問題は、尖閣諸島、竹島をめぐる領土問題に端を発した、中国からの観光客の激減、中国への輸出の激減であります。
 また、国においては、赤字国債の発行を可能とする特例公債法案、「一票の格差」是正を含む選挙制度改革、TPPに関する議論、原発に関する対応など重要課題が山積し、また第三極と称される政党の参入による政界再編成の動向など、先行き不透明な政局の中で、来る16日に衆議院議員選挙が執行されます。
 現在のデフレ経済と過度な円高からの脱却など、日本経済の再生に道筋を付け、雇用と暮らしに安心感をもたらすことや、年金や高齢者医療など社会保障に関して将来に亘って揺るぎない安心感を示し、社会保障・税の一体改革の課題への着実な取り組みや、領土や主権をめぐる諸問題に対し平和的な解決を目指す等、様々な諸課題を迅速に解決に導いていただける政権が樹立されますよう大きな期待を寄せているところであります。
 
 今月2日に発生した中央道笹子トンネルにおける天井板崩落事故は、想定しえない凄惨な大事故であり、誰もが驚愕し、衝撃を受けられたことと思います。犠牲になられた方々には謹んでお悔やみ申し上げるとともに、心からご冥福をお祈りいたします。
 今回の事故を踏まえ、同様の構造であり、町民が日常的に利用している新御坂トンネルの安全性が危惧されるため、先週、山梨県県土整備部長及び道路管理課長と面談し、町内に在る、同トンネルをはじめとする、県が管理している全てのトンネルや道路施設の徹底した安全管理・安全施策を早急に実施していただくよう強く要請してまいりました。
 町でも、これを機会に町管理の道路構造物の再点検を継続的に実施して安全対策に万全を期していく所存であります。
 
 さて、観光エージェントであるJTBは、2012年「秋の人気温泉ランキング」をまとめ、過日発表しました。ランキング第1位となったのは、日本一の湧出量を誇る日本三名湯の一つである「草津温泉」であり、雄大な富士を眺めながらの入浴が楽しめる「河口湖」が見事第2位に輝きました。第3位は、日本三古湯として名高い歴史ある名湯「白浜温泉」でありました。
 全国に数多くある温泉のなかから第2位に選ばれた栄誉の背景には、富士山世界文化遺産登録を目指し、地域住民や観光業者の皆様が観光立町であることを自覚し、普段から環境に対する高い見識を持ち合わせながら一丸となって、環境美化活動を実践していただいている賜物であると深く感謝申し上げます。

  それでは、当町の下半期の主な課題や事業の取り組みについて説明させていただきます。
 
 観光関連事業では、晩秋の青空のなかで「第1回富士山マラソン」が11月25日に河口湖と西湖の湖畔を回るコースで開かれ、約1万8千人が参加し、健脚を競いました。昨年までは、「河口湖日刊スポーツマラソン」という名称で開かれていましたが、来年、審査される富士山世界文化遺産登録を支援することや、観光立町として、将来を見据え、国際色豊かな大会を目指すとともに、安全性をより向上させるため、名称を「富士山マラソン」に、また、河口湖周回から西湖湖畔道路も利用したコースに変更し、更にグレードアップして開催しました。
 晩秋の絶好の季節のなか、様々な表情を見せる富士山を仰ぎながら走ることができるコースは、多くのランナーの好評をいただけたことと思います。
 しかし、いくつかの課題も提起されました。今後、それらの諸課題を検証・解決して、来年の大会が更に充実したものとなるよう努力していきたいと考えております。
 東日本で最大最高峰の自転車レースである、ツール・ド・ジャパン2012西湖ステージ兼ブリジストンサイクル杯第35回日刊スポーツサイクルグランプリが美しい紅葉が際立つ絶好の季節のなか、11月11日に開催され、日本の精鋭約2千名が、西湖畔で健脚を競いました。
 世界中で拡がりをみせ国内でも年々注目が高まりつつあり、生涯だれもが気軽に楽しめる「ノルディックウオーキング」という新しいスポーツを通じて富士山世界文化遺産登録の構成資産候補地を堪能していただきましたが、来年以降も定着させ、観光施策の一環として有効に活用していきたいと考えております。
 「富士を望むとびっきりの風景で癒されて」をテーマに、「紅葉まつり」が、10月27日から11月18日まで23日間にわたり、主会場である「もみじ回廊」、「河口湖北岸もみじ回廊」をはじめとする青木ケ原樹海、勝山・奥河口湖・精進湖・本栖湖地区で開催され、多くの観光客で賑わいました。「動」の河口湖地域、「静」の西湖、精進湖、本栖湖、青木ケ原樹海全体が紅葉で染まる季節に、滞在型でゆっくり見学、鑑賞できるイベントとして定着させ、各観光施設とタイアップし地域全体の観光振興を図ってまいりたいと思います。
 そのほかのイベントとして、小海公園を拠点とし、足和田山東海自然歩道をコースとする富士山麓トレイルランが10月6日に開催され、約700人の参加者がありました。
 また、森林浴トレイルランin精進湖・本栖湖が開催され、約600人が参加しました。これらのスポーツイベントは、近年需要が高まっており、翌年以降も継続して実施し、地域の観光振興の一翼を担うイベントとして定着させていきたいと考えています。
 
 観光施設整備事業において、「こうもり穴遊歩道整備工事」、「勝山道の駅増改築工事」は、それぞれ、10月に契約を締結し、年度内完成を目指して現在工事を執行しており、更に各施設のグレードアップが図られるものと期待されます。
 観光関連事業の今年度の課題としては「ゆるキャラ」の創設があります。近年、イベントやキャンペーン、名産品など、地域活性化を目的としたご当地キャラが注目を集めています。その地域ならではのマスコットキャラクターや戦隊ものに扮したご当地ヒーローなど、まちおこしやPRのツールとして幅広く活用されるようになっています。
 当町でも、富士山世界文化遺産登録を契機に、他地域に誇れる、資源や魅力を発信しながら、キャラクターを上手く活用し、地域活性化が図れるよう早急に創設に向けた施策を講じてまいります。
 また、平成21年3月に策定された「富士河口湖町観光立町推進基本計画」において、「誰もが楽しめる観光地づくり」を主導施策の一つに掲げ、老若男女、障がいの有無を問わず観光を楽しめる地域づくりを目指していますが、その一環として、今年度、ユニバーサル対応のモデル的な観光プログラムの開発を進めています。
 この度、このモデル観光プログラムを障害をお持ちの方々に体験していただくモニターツアーが実施されました。
 このツアーを通してプログラム効果や課題を検証し、「おもてなしの心」を持つなかで、「誰もが楽しめるユニバーサル観光」の拡充を図っていく所存であります。

 次に、福祉関連事業しての、婚活イベントについては、初の試みとして、11月3日の穏やかな天気に恵まれた河口湖畔において、様々な事情で出会いの機会が少なかった独身者の結婚を支援することを目的に、婚活イベント「富士河口湖町deまちコン」を開催しました。
 当日は、町内外から30歳から40歳代を中心として、男女85名が参加し、町内からも29名が参加しました。遊覧船で湖上を周遊後、メイン会場での催しを行った結果、10組のカップルが誕生し、そのうち、町内の方が8名含まれておりました。今後も未婚の解消を図るとともに、地域社会の活性化を目的に、本事業を継続し実施していきたいと考えております。
 障害者相談員設置事業については、障害のある方が安心して暮らせる地域づくりを目指し、障害者相談員を委嘱し、障害のある方の相談に応じ、その自立更生のために必要な指導、助言を行っております。町では、障害のある方の生活意欲の向上と自立支援を積極的に図ってまいります。
 ふれあい児童クラブについては、昼間保護者のいない家庭の小学校低学年の児童に安全で豊かな放課後を過ごしていただくため、町内6箇所の児童館等に指導員等を配置し運営を行っています。現在400人余りが登録しており、1ケ月当たり延べ3,800人余りの児童が利用しており、ご両親が安心して働けるように児童の安全と健全な育成環境の整備を充実させて参ります。
 つどいの広場については、身近に相談相手がいない母親が、日中、子どもと二人きりで過ごすなど、子育てに不安を持つ保護者の増加傾向があるため、子育て支援が重要な課題となっています。そこで、つどいの広場では、子育てを行っている親子が毎週月・水・金曜日に子ども未来創造館において、同年齢の子どもを持つ親子と同士のふれあいの場の提供や、保健師、栄養士等が加わって定期的に子育ての指導や相談に応じており、また、子どもへの適切な関わり方への指導、助言を行っています。今後は、発育状況の確認や育児相談を充実し、子育ての不安解消に努めてまいります。
 ファミリーサポートセンターの運営については、子育ての助けをしてほしい人が「お願い会員」として、子育てを手助けしたい人が「まかせ会員」として会員登録を行い、地域の子育てをお互いに支え合う会員組織を運営しています。現在、登録されている会員は、200名以上になっており、支援できる内容は、保育所の開始時刻前や終了時刻後にお子様を預かることや、保育所や塾等へのお子様の送迎など年間400件ほどの支援を行っています。保護者が安心して利用しやすい環境づくりに取り組み、更に子育て支援サービスの充実を図ってまいります。
 健康のまちづくり推進事業の一環として、平成23年度に策定された「食育推進計画」の重点目標に「町民一人ひとりの食育と健康に対する意識の向上」、「地産地消の推進」の趣旨により、9月16日に「第1回食育まつり」を開催し、町民の食に対する意識の向上におおいに寄与したものであると思います。

 教育関連事業では、富士豊茂小学校屋内運動場耐震改築工事を7月に発注し、平成25年2月末の竣工を目指して工事を実施しております。河口湖南中学校普通教室棟改築工事については、エコスクールに認定され、太陽光発電、太陽熱利用、外断熱工法や、木チップボイラーによる暖房と地球環境に配慮した斬新的な学校建設となっており、工期は、7月10日に着手し、来年6月30日の竣工予定となっています。なお、今後の予定は、平成25年7月から8月に既存普通教室棟解体工事、平成25年7月から26年4月に特別教室棟改築工事、平成26年5月から6月に既存特別校棟解体工事、平成26年7月から27年3月に給食棟改築工事、平成27年2月から3月に既存給食棟の解体工事を実施する計画であります。
 その他、人づくり学校づくり事業、幼稚園通園奨励費補助事業、町単教諭配置事業、小中学校パソコン設置事業、小中学校の少人数教育の推進事業として、それぞれ町単独教諭を配置し、きめ細やかな教育の推進を図っているほか、養護士配置事業として、町単独養護士9名を配置して児童支援の拡充と教育的指導、安全性の向上を図り、より良好な教育環境の向上を目指しております。
 クニマスの取り持つ縁で、仙北市で行われた田沢湖マラソンに、地元西浜小学校の児童6名が西湖・田沢湖姉妹湖提携による交流事業として参加しました。今後も、クニマスにより築かれた友好関係を、防災協定の締結等、様々な形で継続・発展していけるように努力してまいります。
 精進湖において平成26年度に開催が予定されている南関東インターハイに備えて、カヌーコース改修工事、ウインチ改修工事、カヌー決勝審判用カメラタワー設置工事などを実施しました。整然としたカヌーコースを整備することにより、インターハイを開催するに当たっては質の高い大会運営が可能となることや併せて、インターハイ以外の各種カヌー大会の誘致が可能となり、カヌーのメッカとしてより有効に活用されることが期待されています。
 文化振興関連事業として、来年開催される「第28回国民文化祭・やまなし2013」の機運を高めるためのプレイベントとして海上自衛隊東京音楽隊により、「ふれあいコンサートinステラシアター」と題し開催され多くの観衆を魅了しました。
 国民文化祭は、全国各地から様々な文化活動に親しんでいる個人や団体が集い、発表、競演、交流する日本最大の文化の祭典です。平成25年1月12日から11月10日までの303日間、四季を通じての山梨の魅力を満喫いただくために通年で開催します。「文化の風と遊ぶ~見つめる・こえる・つなげる」をテーマに、季節ごとのステージに分けて、それぞれの特徴を出すとともに、1月の開幕をプロローグに、春から夏へと盛り上げて秋のクライマックスに結びつける一つの「ものがたり」のように展開されています。内容は、音楽、伝統芸能、演劇、舞踊、文芸、美術、生活文化、歴史文化、文化一般で構成され、市町村ごとに季節のあるキャッチフレーズに調和した内容で事業を分担し、当町が開催する夏のキャッチフレーズは、「山河、きらめく」で4つの音楽プログラムを担当することで、富士五湖の夏を演出する一躍を担うことが期待され、併せて地域文化の向上、観光振興におおいに寄与することと思われます。なお、町では、開催に向けて「山梨ならではのおもてなし」の気持ちをもって、国民文化祭応援事業を積極的に遂行している状況です。
 ステラシアターの機能をより充実し、有効活用を図るため、3月15日の完成を目途に屋根の改修工事を行っております。
 富士山麓を取り入れたシナリオを募集し、そのシナリオの映像化及び上映を行い、新人シナリオライターの育成と文化交流人口の拡大を目指し、映画を通じて地域文化の向上と地域振興を図る目的で「第6回富士山・河口湖映画祭」を、富士山の日を記念する行事の一つとして、来年2月23日、24日の2日間、勝山ふれあいセンターで開催します。映画祭のプログラムは、1日目は、ジェームス三木さんの脚本・監督作品の上映と記念講演、9月に撮影しました「ジョフクの恋」の上映と出演者の舞台あいさつ、シナリオコンクールの表彰式、グランプリ作品の朗読劇も行う予定であります。
 
 環境関連事業については、可燃ゴミの増加傾向を抑止する方策として、生ゴミを有機物の発酵作用を促す「EMぼかし」を使い、良質な堆肥に変えることを推奨することとし、年度当初「ごみ減量工房」を開設しました。環境に対する町民の意識の向上、環境教育の促進を目的に、「EM」研究の先駆者であり、琉球大学名誉教授、名桜大学教授及び国際EM技術研究所所長である、比嘉照夫氏による「EMに関する講演会」を来る、3月26日にさくやホールにおいて開催いたします。
 処分に困っている焼却灰、一般廃棄物を再度焼成して、有害物を取り除き、微細物に加工したものに、セメントと水を加えて造粒した「アークサンド」は、主に再生砕石への混入や、埋め戻し材・ブロック材料として利用でき、給水率があり、ヒートアイランド対策や、植物の植生抑制に効果的であることから、八木崎公園のラベンダー畑に散布する実証実験を実施し、親水公園としての環境向上や除草作業委託料の軽減を図っていきたいと考えております。
 農林畜産関連事業については、当町唯一の酪農地域である富士ケ嶺高原において、畜産に対する理解の醸成、畜産物の消費拡大、地域食材の活用や地区の活性化、農業と観光振興及び都市と農村交流の推進を図ることを目的に「富士ケ嶺ファームフェスタ」を開催し、多くの来場者があり目的は十分達成できたと確信しています。先代が築き上げていただいた、この貴重な畜産業を将来にわたって大切に保護、育成してまいりたいと考えております。また、地籍調査事業も当地区を重点的に進めております。

 土木関連事業については、新設改良事業としてインター線は既に完了し、乳ケ崎線、出口線は今年度で完了する見込みとなりました。登山道線改良工事については、平成25年度までに、国道139号線までの竣工を計画しています。今後は、既存道路の維持補修、雨水対策を重点項目として位置づけ、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 富士山世界文化遺産登録を目指す当町においては、景観に配慮した計画の策定は不可欠であるため、本年度当初から計画の策定や景観条例の改正作業を進めてきましたが、今般、町、町民、事業者及び観光客等の協働による景観形成を進め、もって、富士河口湖町の美しく風格のある風景づくりと愛着と誇りの持てる郷土の実現を図ることを目的とした富士河口湖町景観条例の全部改正を上程させていただきましたので、ご理解をお願い申し上げます。

 防災関連事業として、防災計画の見直し作業を実施しており、国、県、近隣市町村との整合性を十分に図り更に、庁内の各担当レベルからの意見集約を徹底しながら見直し作業を行い、防災会議において検討をいただく予定でありますが、防災会議のメンバーについては、女性が積極的に参画できるように配慮して、より充実した内容の計画を策定していきたいと考えております。
 また、住民に防災に関する重要性を再認識いただき、防災計画を十分に周知していただく目的で、年度内に概要版を作成し全戸配布をする予定であります。
 大規模災害の際は人的被害に加え、建物への被害が予想され、特に被害建物調査と罹災証明書の発行は、被災援助の観点から迅速に対応する必要があるため、去る10月31日に県土地家屋調査士協会、県公共嘱託登記土地家屋調査士協会のご協力により、近隣4町村合同で「災害時における被害家屋状況調査に関する協定書」の締結を行いました。これにより、富士北麓地域市町村の災害に対応した連携をより強固な体制が確立できるものと確信しております。   
 富士山噴火や地震への災害対策の一環として、町の全職員が心肺蘇生法やAEDの使い方を身に付け、住民や観光客の安全確保につなげるために、河口湖消防署の救急隊員による講習会を実施しました。来年度までに、災害時など緊急時に公共施設や観光施設で、全職員が応急手当に対応できるように計画をしたものであります。
 また、予ねてからの懸案事項である、他県市町村との災害協定については、秋田県仙北市、埼玉県羽生市と具体的な協議を重ねた結果、今年度中には協定ができる運びとなりました。
 今後も引き続き、いつ発生するか予測できない災害に備え、できることから順次、積極的にあらゆる対策を講じていく所存であります。
 今年度は、このほかにも、住民サービスの向上と地域企業の育成発展を図ることを目的に、行政・事業者・住民が一体となった住民のための「暮らしの便利帳」を発行いたします。これは、主に行政の情報をベースに、住民の皆様に役立つ暮らしの情報を盛り込んであり、ご家庭の保存版として有効にご利用いただけることを期待しています。
 また、「総合計画後期基本計画策定」、「自治基本条例制定」、「都市再生整備計画策定」、富士山世界文化遺産登録に係わる「明日の富士五湖創造会議における各湖のルールづくり」、「本栖湖青少年スポーツセンター基本計画の策定」及び「(仮称)富士ケ嶺診療所の改築」等様々な重要施策の実現を目指し、全職員が強い決意と総意のもとに一歩ずつ着実に邁進していく所存でありますので、議員各位におかれましても、ご理解をいただくうえで、これらの施策が具現化できますよう、特段のご配慮とご協力を賜りますよう改めてお願いを申しあげます。

 それでは、今回提出させていただいた補正予算のうち一般会計補正予算の概要についてご説明いたします。

 今回の補正額は、8,560万8千円を増額して、総額112億2,634万2千円とするものであります。
 
 まず、歳入についてご説明いたします。
 国庫支出金については、民生費国庫負担金として、身体障害者保護費負担金1,569万9千円を増額しました。民生費国庫補助金として、地域生活支援事業費等補助金117万円を増額し、土木費国庫補助金として、町道出口線道路改良工事費の減額に伴う、道整備事業交付金561万9千円及び、町道インター線道路改良工事費の減額に伴う、社会資本整備総合交付金1,925万円を減額しました。
 県支出金ついては、民生費県負担金として、身体障害者保護費負担金を784万9千円、後期高齢者医療保険基盤安定制度負担金333万3千円をそれぞれ増額しました。民生費県補助金として、重度心身障害者医療費助成事業補助金510万円、介助用自動車購入等補助金20万円、地域生活支援事業補助金58万5千円及び、重度心身障害者医療対策事業費補助金828万1千円をそれぞれ増額し、へき地保育所間食支給費補助金21万6千円を減額しました。農林水産業費県補助金として、農地・水・環境保全向上対策推進交付金5万1千円を増額しました。商工費県補助金として、伝統工芸品振興対策費県補助金20万円を増額しました。
総務費委託金として、工業統計調査委託金3千円を減額し、就業構造調査委託金2万6千円を増額しました。
 繰入金については、勝山財産区繰入金として、勝山ふれあいセンター用地購入補助繰入金500万円及び、勝山保育所太鼓購入補助繰入金22万9千円をそれぞれ増額しました。繰越金については、8,740万6千円を増額しました。
 諸収入については、雑入として、建物等災害共済金64万円、その他民生費関係雑入10万3千円、道路工事に伴う移転等補償料1,092万4千円をそれぞれ増額し、いやしの里事業等収入を2,350万円減額しました。
 町債については、合併特例事業債として、町道出口線道路整備事業債2,010万円を増額し、町道インター線整備事業債1,490万円を減額し、土地区画整理事業債2,990万円を減額し、畑地帯総合整備事業債1,310万円を増額しました。過疎対策事業債として、農林水産関係振興事業債240万円及び、衛生関係振興事業債60万円をそれぞれ増額し、臨時財政対策債400万円を減額しました。
 
 次に、歳出についてご説明いたします。
 
 議会費については、視察研修受入れ時の需用費を4万円増額しました。
 
 総務費については、一般管理費として、地方公務員災害補償基金特別負担金60万1千円及び、非常勤職員公務災害特別負担金120万円をそれぞれ増額しました。文書広報費として、富士ケ嶺地区農道拡幅工事に伴う電柱移転に関わる光ケーブル布設替え修繕費485万円及び、精進地区県道工事に伴う電柱移転に関わる修繕費45万円をそれぞれ増額しました。財政管理費として、普通交付税のうち湖南中学校分の確定による鳴沢村への交付金を17万2千円増額しました。財産管理費として、富士豊茂小学校体育館及び、道の駅勝山増改築工事完成検査委託料43万円を増額し、勝山ふれあいセンター北側用地購入に伴う建物解体工事費300万円及び、勝山ふれあいセンター北側用地購入費1,000万円をそれぞれ増額しました。基幹統計調査費として、工業統計調査費3千円を減額し、就業構造基本調査費2万6千円を増額しました。
 
 民生費については、社会福祉総務費として、各種手数料7万円及び、県費支出金返還金10万3千円をそれぞれ増額しました。医療費扶助費では、重度心身障害者医療費助成金1,020万円及び、自立支援医療費640万円をそれぞれ増額しました。その他の扶助費では、障害者(児)補装具給付貸与支援金120万円、介助用自動車購入等助成金40万円、介護給付・訓練等給付費2,379万8千円及び、地域生活支援事業費234万1千円をそれぞれ増額し、サービス利用計画作成費を30万6千円減額しました。老人福祉費として、後期高齢者医療広域連合負担金3,000万円及び、後期高齢者医療特別会計繰出金535万8千円をそれぞれ増額しました。医療費扶助費では、老人ホーム入所助成金482万4千円を増額しました。保育所費として、保育所消火器購入費等16万5千円、消火設備等交換手数料6千円及び、勝山保育所太鼓購入費45万8千円をそれぞれ増額し、こもも保育所駐車場整備工事設計委託料20万円を減額しました。
 
 衛生費については、保健衛生総務費として、富士ケ嶺診療所設置設計監理業務委託料60万円及び、国民健康保険特別会計繰出金208万7千円をそれぞれ増額しました。環境衛生費として、EMぼかし開発者の講演会に対する報償費20万円、生ごみ処理容器購入補助金20万円をそれぞれ増額しました。景観保全費として、車両の修繕費11万円、自動車重量税2万9千円及び、太陽光発電システム設置補助金300万円をそれぞれ増額しました。塵芥処理費として、ゴミ収集委託料700万円を増額しました。
 
 水道費として、地下水保全審議会委員報酬4千円を増額しました。
 
 農林水産業費については、農業振興費として、富士ケ嶺交流広場芝刈機の燃料費等5万1千円を増額し、農地・水・環境保全向上対策負担金11万2千円を減額しました。畜産業費として、富士ケ嶺バイオセンター車両タイヤ代として27万5千円増額しました。農地費として、畑地帯総合整備事業負担金1,385万円を増額しました。
 商工費については、商工振興費として、大石紬伝承DVD作成委託料40万円を増額しました。いやしの里運営事業費として、落雷に伴う警備機器の修繕費64万円を増額し、施設一箇所をふるさと振興財団が利用することにより原材料費を1,600万円減額しました。
 
 土木費については、道路新設改良費として、河口地区の土地不動産鑑定料及び土地分筆測量委託料を258万7千円及び、県代行工事に伴う建物・立木・用地の補償費
492万2千円をそれぞれ増額しました。町道乳ケ崎線新設改良工事に伴う付帯工事費440万円及び、町道出口線改良工事費1,560万円をそれぞれ増額しました。また、インター線新設改良工事費3,500万円を減額しました。都市計画総務費として、東日本大震災復興財源確保のため、国の補助金が減額されることにより山梨県への負担金が減額となるため、土地区画整理事業負担金を3,150万円減額しました。公園費として、長浜地区親水公園予定地の支障木枝払い委託料118万円を増額しました。街路事業費として、大石公園入口看板等移設委託料16万5千円を増額しました。精進・本栖地区整備事業費として、本栖・上の原線改良工事に伴う付帯工事費200万円を増額しました。
 
 消防費については、常備消防費として、富士五湖広域行政事務組合消防費負担金678万2千円を増額し、消防特別負担金419万5千円を減額しました。災害対策費については、防災士資格取得促進補助金12万円を増額しました。
 
 教育費については、勝山ふれあいセンター費として、さくやホール北側ドアクローザー交換修理費7万2千円を増額しました。
 
 その他、特別会計においては大石財産区特別会計をはじめ、11会計の補正予算を上程させていただきました。
以上雑駁な説明で恐縮ですが、提出案件のうち補正予算に係る説明とさせていただきます。
 なお、特別会計を含む詳細な項目等の内容につきましては、本会議や各常任委員会におきまして担当課長から説明させていただきますので、ご審議をいただいたうえで、ご議決賜りますようお願い申し上げます。

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