本日ここに、令和三年第一回富士河口湖町議会定例会の開会にあたり、提出いたしました案件の主なるものにつきまして、その概要をご説明申し上げますとともに、私の所信の一端を申し上げ、議員各位並びに町民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
はじめに、町民・事業者の皆様には、「新型コロナウイルス感染症」の感染防止の徹底にご協力をいただいていることに感謝を申し上げます。そして、感染症拡大の最前線でご尽力いただいている、医療従事者をはじめとする皆様に、この場をお借りして改めて深い敬意とともに心よりの感謝を申し上げます。
世界全体で新型コロナウイルス感染症が猖獗を極めております。我が国においても昨年の十一月に感染拡大の第三波の曲面に入ったとの報道がなされて以来、感染は急速に拡大し、一月には東京都をはじめとする十一都府県に「緊急事態宣言」の再発出がなされ、その後、対象地域を一部解除したうえで、期限を延長し、先月ようやく首都圏を除いた地域が解除されましたが、予断を許さない状況が続いております。
こうした状況の中、ようやく先月国内でもワクチンが正式承認されたことにより、収束への切り札と思われるワクチンの接種が、現実的なものとなり、大変に期待をしているところであります。当町では、実際のワクチンの接種日程が確定するのは、ワクチンの供給日程次第にならざるを得ないという状況の中で、町民の皆様が安心と希望を感じていただきながら、できる限り迅速に、また円滑に、そして滞りなく接種を受けていただけるよう、医師会や拠点医療機関、近隣市町村との協議を行うとともに集団接種会場や予約センターの確保、接種管理システムの構築といった具体的な準備を進めてきたところであります。
その結果、富士北麓地域六市町村を一つのブロックとして、接種体制を整えることとなり、接種会場は、町中央公民館と富士吉田市鐘山体育館の二か所となりましたが、未だワクチンの供給状況がはっきりしないため、接種日程を皆様に通知することができない状況となっています。今後、ワクチンの接種が可能となった際は、いち早く皆様に通知をさしあげますのでご理解をお願いいたします。
さて、町長として二期目の就任から一年余りが経過しましたが、令和二年に入り、わが国の社会経済情勢は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行によって未曾有の停滞にさらされ、感染拡大防止のために経済活動の人為的な抑制を余儀なくされました。そうした中、町ではこの対策として、七度にわたり補正予算を編成し、緊急経済対策の実施や、町民・事業者の皆様への支援策の各分野で、スピード感をもって対策を進めるとともに、町民の皆様とお約束した「観光立町の推進」、「災害に備えての基盤整備の推進」、「教育の充実」、「福祉の充実」の四つの柱を念頭に、町長としての職務に日々邁進してまいりました。
新型コロナウイルス感染症への主な対策事業の一つとして昨年実施した「くらし応援商品券事業」では、二万六千人余りの町民全てを対象に商品券の配布を実施しましたが、換金率は九十八.一パーセントで、換金額は、二億六千百五十万円余りとなっております。
また一方、ソフト事業として、「ドライブレコーダー及びAT車踏み間違い防止装置購入補助事業」や「乳幼児へのおむつ用品支給事業」、「保育所及び小中学校の給食費完全無償化」を実現するとともに、ウイズコロナ・アフターコロナを見据えた中で、「まちなかWI‐FI設置事業」として、河口湖駅から湖畔を経由し、河口湖自然生活館や八木崎公園といった観光拠点までのルートなどに情報通信網の整備を実施しました。また、ハード事業では、より豊かな経済発展のための重要資産として「くぬぎ平スポーツ公園運動場人工芝生化事業」を実施したところであります。この生まれ変わった人工芝と新たに整備したスタンド、トイレ・倉庫、駐車場などを備えた広大な多目的運動場のリニューアルオープンを記念して、オープニングセレモニー並びに完成記念大会を開催いたします。
この完成記念大会は、四月三日、四日の二日間の開催を予定しており、県外の強豪チームである令和元年全国中学校大会二位の「青森山田中学校」、東京都新人大会優勝校の「多摩大学目黒中学校」、静岡県新人大会優勝校の「浜松開誠館中学校」、平成二十八年全国中学校大会二位の千葉県「暁星国際中学校」を招待し、地元県内チーム「FCラーゴ河口湖」や県新人大会優勝校の「甲府東中学校」さらに「県中体連選抜U十四」との交流試合を開催する予定となっております。
また、四月二十五日には、日本サッカーの強化、発展のため、将来日本代表選手となる優秀な素材を発掘し、良い環境、良い指導を与えることを目的に始まった制度である「ナショナルトレーニングセンター制度」のアンダー十四、アンダー十三、関東地区選考会(関東トレセン)が行われる予定となっております。この選考会は、全国の各ブロックでそれぞれ実施され、選抜された上位により全国トレセンが行なわれ日本代表が決定するというものであります。
さらに、八月には、第五十二回全国中学校サッカー大会が代表チーム三十二チームの参加により盛大に開催されることとなっております。八月十九日から八月二十三日までの五日間、くぬぎ平スポーツ公園運動場をはじめ、富士北麓陸上競技場など、地元の五施設で開催される予定となっております。
こうした大会等を通して、スポーツの振興を図ることはもちろん、富士北麓のすばらしい景観と冷涼な気候、そしてそこにあるこのすばらしい施設を紹介、宣伝し、全国に知名度を上げることで、大規模な大会の誘致やスポーツ合宿の盛り返しなど、より豊かな経済の発展へと繋げてまいりたいと考えております。
次に、新型コロナウイルス感染症に対する新たな町民へ支援策について申し上げます。長く続いているコロナ禍の影響は、町民・事業者の皆さまの日常生活や事業の継続など多方面に及んでおります。こうしたことから、国の第三次補正予算に計上された「地方創生臨時交付金」と町の財政調整基金の活用を図りながら、景気浮揚及び町民の皆様への支援策として、再び「くらし応援商品券事業」を実施することといたします。
この事業は、昨年の九月から十二月末までに実施した事業と同様の仕組みのものを考えており、全町民を対象に一人あたり五千円分の商品券を配布するものであります。この商品券は、飲食店や小売店、宿泊施設など、町の募集に応じて登録した町内のあらゆる事業所で利用可能なものとし、使用期限を設け、確実に消費需要が生まれるように配慮することで、コロナ禍の影響により、困難を抱えている家庭を支援するとともに地域経済に一層の活力を与えてまいりたいと考えております。
この事業費につきましては、令和三年度富士河口湖町一般会計予算が承認された後、今定例会最終日に補正予算第一号を追加提案させていただきたいと存じますのでなにとぞご理解を賜りたくお願い申し上げます。
次に東京オリンピック・パラリンピックについてでありますが、一日も早くコロナウイルス感染症が収束に向かい、安全・安心のもとに開催され、沈み込んだ経済への起爆剤となるよう祈るばかりであります。また、これまで本町がフランストライアスロンチームの事前合宿を受け入れた実績などから、公益社団法人日本トライアスロン連合や山梨日日新聞社、山梨放送からトライアスロン大会の開催の提案を受けており、コロナ禍が収束した後の本町の新たな観光イベントとして、「(仮称)マウント富士トライアスロン2022イン富士河口湖大会」の開催を検討しているところであります。
次にふるさと応援寄附金、いわゆる「ふるさと納税」についてでありますが、納税者の思いを実現し、地域への関心や愛着を深めていただくことで交流人口の増や将来の移住などに繋がる効果を期待し、一方では、町の貴重な歳入財源をより多く確保するため、ふるさと納税をされた方への謝礼の充実など、この制度に力を注いでまいりました。令和二年度においては、例年を大きく上回る六億円を超える寄附額が集まる見込みとなりました。新年度は、さらにこの制度の活用を図るべく、「ふるさと納税推進室」を設置し、町のPRとともに制度の趣旨を踏まえつつ、さらなる地場産品の掘り起こしや新たな返礼品、サービスなどのアイディアを発掘し、まちづくりの貴重な財源を確保するとともに、地域資源を活用することで地域経済の発展と活性化に繋げてまいりたいと考えているところであります。
次に、町民の安全安心を守る取り組みについて申し上げます。多くの尊い命が失われ、我が国に様々な形で凄惨な爪痕を残した東日本大震災から間もなく十年が経ちます。先日、東北地方を中心に広い範囲で、その余震とみられる強い揺れが発生し、県内においても最大震度三を記録したところです。過去の震災の記憶は、決して風化させてはなりません。富士山噴火を含め、大規模災害がいつ発生してもおかしくない中、コロナ禍との複合災害に備える観点も踏まえ、防災対策の強化に取り組んでまいります。
次に、令和三年度予算編成についてご説明いたします。コロナ禍の影響により、経済は未だ極めて深刻な状況にあり、引き続き市町村財政を取り巻く環境は相当厳しいものになることが予想されるところであります。町税においては、令和元年度決算において合併以来過去最高の約四十六億七千万円となりましたが、令和二年度は、コロナ禍にあって、経済状況は一転し、法人町民税、入湯税、町たばこ税などの調定額の落ち込みと固定資産税を主とする納税猶予などにより多額の落ち込みとなっております。令和三年度も引き続きこれらの税に大きな影響があると考えており、加えて令和二年度の所得を受けた個人町民税が大きく減収することが予想されます。また、国では、事業用資産の固定資産税について、コロナ禍の影響を多大に受けた中小事業者等には、その影響の度合いにより二分の一又はゼロに減免することとしていることから、大きな減収となります。その財源は国において町に補填をすることとなっていることから、その補填財源を予算計上しておりますが、どの程度の補填があるのかは今後見極めていく必要があるものと考えております。
歳出については、高齢化社会などに伴う社会保障関連経費などの経常経費が増加する中で、町税等の多額の減収が見込まれることから、後年度に交付税措置される臨時財政対策債は、対前年比七十六.三%増の六億七千万円を計上し、財政調整基金や公共施設建設基金をはじめとする主要基金約七億七千五百万円を取り崩すことにより、こうした経費や喫緊の課題に対応するために必要な財源を捻出したところであります。
令和三年度は、特に財源が限られるなかにあって、小さな負担で最大の事業効果が得られるようまた、町民の福祉向上及びサービスを継続するよう事業を行っていくという姿勢のもと予算を編成したものであります。
ソフト事業においては、今年度に実現した「小中学校の給食費の完全無償化」や「保育所の給食費の完全無償化」を継続するほか、乳児に対しておむつの購入費の一部を助成する「乳幼児へのおむつ用品支給事業」の制度を拡充し、支給対象年齢を二歳まで延長することで、お子さんが産まれた家庭に対し、負担の軽減を図ります。併せて、インターネットやSNSを活用した情報提供をするとともに各家庭の子育てニーズを把握して、今後の効果的な施策展開へと繋げてまいります。
また、県内において初の先進的な取り組みとして、勝山保育所で先行導入しております園児の体温管理や生活状況などをタブレット端末で一括管理する保育業務支援システムを全保育所に導入することとしました。
また、小立保育所においては、園児の送迎等の際、手狭となっていた駐車場について、保育所の隣接地を取得することとし、小立小学校においては、学校南側の町道整備を行い、当該道路を通行する小学生の安全な通学路として整備をいたします。
また、子育ての環境の整備として、これまでに実施した全ての保育所、学校施設への空調設備の整備に加え、児童の体調管理に万全を期すよう放課後児童クラブの全施設に対し、空調設備を整備することとするなど、子供の笑顔に繋がる多彩な取り組みを展開するとともに、妊娠期から子育て期までの母子保健及び育児に関する様々な悩み等に円滑に対応するための総合的相談支援を実施するため、「子育て世代包括支援センター」機能を充実するなど、安心して子育てができるよう子供や子育て世帯に寄り添ったきめ細かな政策を推進し、誰もが「子育てが楽しいと思える社会」を築いてまいります。
また、老朽化が著しい「あかつきグラウンド」のトイレ倉庫においては、新規に建て替えを行い、快適な環境を整備してまいります。
そして、現在、継続している主な事業では、「富士登山道線整備事業」ですが、令和三年度に電柱の地中化事業の最終年度を迎え、国道南の電柱の撤去等がなされ、富士山を望む美しい景観に配慮した道路になるとともに、災害時における停電などの被害に対応した道路となります。また、船津小学校新校舎建設事業については、校舎の完成に続く環境整備として、現在、新校舎北側駐車場・南側外構整備・わたり廊下の建設などの工事を進めておりますが、今後さらに整備を進め、グラウンドの整備、道路の拡幅や防球ネット・照明設備の整備などを行い周辺整備を進めてまいります。
新型コロナウイルス感染症の収束は、ワクチンの供給の課題や変異株の課題など、未だ先がはっきりと見通せない状況ではありますが、ポストコロナに向けた潮流の中で、地域活性化と持続可能な社会を実現していくために、議員各位をはじめ、町民の皆様のご協力をいただきながら、あらゆる分野に目を向けて、全力で町政の運営にあたってまいる所存であります。
それでは、今議会に提出いたしました議案についてご説明いたします。提出案件は全部で五十七件であります。内訳は、専決処分の報告及び承認が一件、条例の制定が二件、条例の一部改正が九件、西湖辺地及び根場辺地に係る総合整備計画の承認、町道の路線認定、そして特別会計の補正予算が九件、一般会計補正予算、また、令和三年度当初予算は特別会計予算が三十一件及び水道事業会計並びに一般会計予算であります。
そのうち、令和二年度一般会計補正予算(第九号)についてご説明いたします。
今回の補正は、既定の歳入歳出予算の総額に七千九百七十九万八千円を追加し、歳入歳出の総額を百七十一億二千三百二十四万四千円とするものです。
歳入の主なものをご説明いたします。
国庫支出金八千三百四十八万七千円、寄附金一億三千八百万円の増額、繰入金九千九百六十三万五千円の減額等となっております。
歳出の主なものは、水道費でコロナ禍により影響を受けている温泉事業者に対し、温泉使用料の減免を行うことに対する温泉事業特別会計への繰出金八百五十万円、畜産業費に養豚施設防疫強化事業として三百八万三千円、下水道事業費で温泉使用料減免に対する下水道事業費の減額分繰出金として百六万六千円、小学校管理費で、学級数の増加に対する教室備品に百十五万六千円、小学校振興費で同じく学級数の増加に伴う消耗品費及び備品購入費に三百八十九万二千円、図書館費で空調設備の修繕費として五十五万九千円の増額です。
続きまして、令和三年度の一般会計歳入歳出予算の概要についてご説明いたします。
歳入歳出予算の総額は、歳入歳出それぞれ百十六億二千六百万円であり、対前年度比十億九千四百万円の減となっています。
まず、歳入の主なものをご説明いたします。
町税は、三十七億九百五万八千円、地方交付税二十三億三千万円、国庫支出金九億四百二十三万円、県支出金五億二千七百六十九万三千円、繰入金十億七百六十七万三千円、町債七億六千三百万円等を計上しました。
次に、歳出の主なものをご説明いたします。
総務管理費は、東京オリンピック・パラリンピック誘致事業費一千三百十一万ニ千円、ふるさと納税関連事業費三億円などを計上しました。
消防費は、小立分団消防ポンプ車購入事業費一千五百万円や災害用オフロードバイク購入費百万円などを計上しました。
社会福祉費は、高齢者運転安全補助装置支援事業費及び運転記録装置支援事業費七十五万円、高齢者外出支援事業費四百八万五千円などを計上しました。
児童福祉費は、放課後児童健全育成事業費一千七百九十九万二千円、保育業務支援システム導入事業、四百七十四万五千円、子育て配信アプリ使用料六万六千円、小立保育所用地取得事業に八千七百四十三万円などを計上しました。
保健衛生費は、おむつ用品支給事業費一千三百万円、ようこそ赤ちゃん事業・不妊治療費助成事業費五百二十五万円、産婦人科・小児科オンライン医療相談百七十一万六千円、高校三年生までの子ども医療助成事業費一億円などを計上しました。
予防費では、新型コロナウイルスワクチン接種事業費一億六千七百三十九万二千円などを計上しました。
農業振興・畜産業費は、地域農業及び酪農の新規就農のため新たに地域おこし協力隊をそれぞれ一名ずつ募集する経費八百三十八万一千円、農地費は大石農道改良事業として一千百九十八万円などを計上しました。
商工費・観光費は、観光周遊バス路線拡充運営補助など観光拠点・施設整備事業費四百六十万円、観光宣伝事業・国際観光推進事業費二千七百四十八万一千円、観光立町推進事業費五百八十八万円などを計上しました。
道路橋梁費は、道路維持事業費一億一千八百八十八万五千円、町道新設改良事業費五千三十万円、富士登山道線道路整備事業費八千九百万円、町道○二○四号線道路改良事業費二千六百六十五万四千円などを計上しました。
都市計画費・運動公園整備事業費・住宅費は、くぬぎ平スポーツ公園園路舗装工事等二千百三十万円、住宅リフォーム補助事業費二百万円などを計上しました。
学校教育関連事業は、町単教諭配置事業、町単支援員配置事業、学校施設整備事業など小学校管理費一億三千八百二万八千円、パソコン設置事業、デジタル教科書導入事業など小学校教育振興費五千百十五万八千円、中学校パソコン設置事業、デジタル教科書導入事業など、中学校教育振興費一千二十九万三千円などを計上しました。
学校給食費は、学校給食無償化事業費等一億四百四十万三千円を計上しました。
社会教育関連事業は、中央公民館屋根改修事業及び地区公民館空調設備整備事業三百六十七万二千円、放課後児童健全育成事業費、家庭教育事業費、青少年教育事業費、図書館事業費など三千四百二十四万円、体育施設費には、あかつきグラウンドトイレ倉庫建設工事等三千九十一万八千円などを計上しました。
以上、雑駁な説明で恐縮ですが、本定例会に上程しました 令和二年度一般会計補正予算(第九号)と令和三年度一般会計予算の説明とさせていただきます。 詳細な内容や特別会計につきましては、本会議並びに予算特別委員会におきまして担当課長から説明をさせていただきますので、ご審議のうえご議決を賜りますようお願い申し上げます。
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