本日ここに、平成27年第1回富士河口湖町議会定例会の開会に当たり、提出いたしました案件のうち、主なものにつきまして、その概要を申し上げますとともに、私の所信の一端を申し述べ、議員各位並びに町民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げたいと存じます。
来る3月11日は、東北地方から関東地方にかけて甚大な被害をもたらし、多くの方々が犠牲となられた東日本大震災が発生してから4年となります。震災により犠牲となられた方々に対し哀悼の意を表するとともに一日も早い復興を心からご祈念申し上げます。
また、この災害を風化させることなく、貴重な教訓として、今後の町の防災・減災対策の強化に反映していきたいと考えております。
さて、平成27年度は、私が町長として2期目の最終年度となり、また、第1次富士河口湖町総合計画後期計画の3年目を迎えます。これまで、世界遺産のふるさととして町民の生活視点に立った計画的な行財政運営に努めてまいりました。その結果、2期目に掲げた「慎重・着実・堅実なまちづくり」「将来を考えたまちづくり」「福祉・教育・環境を中心としたまちづくり」を基本理念とした
1.防災
2.「産・学・官」の連携強化
3.行財政
4.教育
5.観光と地域活性化
6.福祉等
に関する27項目にわたる政策綱領は、議員各位をはじめ町民の皆様の深いご理解とご協力のもとに概ね達成できる見込みとなりました。ここに、あらためて厚く御礼を申し上げるとともに引き続きご支援を賜りたくお願い申し上げます。
昨年12月には、第3次安倍内閣が本格稼働し長期安定政権の誕生で政策課題への取り組みが一層注目を集めるなか人口減少・高齢化という深刻な課題に直面しています。政府はこの危機を好機に変えるため地方の創生は日本の創生であるとの認識のもとに各省庁が持つ地域活性化関連施策を総合し地方自治体が行う「まちづくり・ひとづくり・しごとづくり」に向けた意欲ある取り組みを一体的に支援する姿勢を示しております。
また、2月17日に就任した後藤斎山梨県知事の基本方針は、人口減少対策、地域産業振興と雇用の確保が喫緊の課題であるとして個性豊かな産業創出、災害に強い基盤整備を表明しています。
このような状況を踏まえ、当町においては、国・県の政策に呼応して迅速かつ柔軟に施策を展開していくため、地域住民生活支援のための交付金を適用した「低所得者支援事業」「多子世帯、子育て世帯支援事業」「プレミアム付商品券発行事業」や地方創生先行型交付金を適用した「地方人口ビジョン・総合戦略策定事業」「妊娠・出産支援事業」「子育て支援サイト構築事業」「商店・観光施設等のキャッシュレス化・免税店化事業」「宿泊仕入れ手配システム構築事業」「世界遺産・富士山への誘客プロモーション事業」「サイクルツーリズムによる観光客誘致事業」「世界文化遺産富士山学術調査研究事業」等を本議会に補正計上させていただき効果的に施策を実行してまいりたいと考えております。
昨年、民間有識者で構成される「日本創生会議」が消滅可能性自治体896のリストを発表するなど、人口減少問題に対する危機感が高まるなかで、富士河口湖町は将来推計人口の指標である「若年女性人口変化率」は-26・8%であり、県内では昭和町に次いで低く、東京都内市区町村との比較では、国立市や板橋区と同等の良好な数値となっています。また、「ふるさと暮らし希望ランキング」で移住先希望の全国第1位に輝いた山梨県が発表した常住人口調査によると、県全体では年間6,000人余りが減少しているなかで、当町は、昭和町に次いで136人が増加しております。
さらに、経済諮問会議の事務局が8種類の統計データから自治体の強さを測った「市区町村別経済指標」によると、ここ10年間で実力をつけた町のランクでは全国で4位という喜ばしい結果となりました。
これらも町議会議員各位をはじめ町民の皆様と共に将来を見越した施策を地道に実践してきた成果であると認識しております。今後も現状を見据えながら町発展のため、効果的な政策を積極的に展開してまいる所存であります。
次に、平成27年度の当初予算編成の基本的な考え方と主な内容を申し上げます。
予算編成にあたっては、地方交付税の段階的な縮減がはじまっていることを踏まえ、財政状況や将来の見通しが非常に厳しいことについて共通認識に立ったうえで、限られた財源で最大限の事業効果を発揮するために、施策ごとの「重点化・効率化」を重視することはもちろん、施策の優先順位を洗い直し、無駄を排除しつつ、出来得る限り多岐にわたる課題に対応する予算の中身にすること、また、確かな将来展望を持てるよう現在の課題を解決することと、将来の不安解消を念頭に国の予算編成方針やその予算等の動向に注視しながら行ったものでございます。
また、本予算は、私の2期目の任期最終年度となることから、本町の目指す町の将来像である「人を思いやるまち」「環境にやさしいまち」「観光と産業のまち」「五感文化のまち」「健康推進のまち」をより確実に、かつ効果的に実現するため主要事業に位置づけられた施策を着実に推進し「住んでよかった、訪れてよかった、世界遺産にふさわしい質の高いまちづくり」「生まれてよかった・住んでよかったと心から思えるまちづくり」「誰もが安全で安心して住み続けることができるまちづくり」を念頭に編成したものであります。
これまで取り組んでまいりました各種施策の成果を踏まえ、全ての事業の見直しと現有資源の有効活用、新しい価値の創造、所属内での評価・検証などを行ったうえで、町民の皆様に安定的な行政サービスを提供するとともに、本町の強みや特色を活かし、まちの質と熟度を高めるために真に必要な施策を行うため、限られた財源を重点的かつ効率的に配分いたしました。
主な事業についてご説明いたします。
普通建設事業費が対前年度比27・5%の増額となっていますが、主な事業として老朽化した町有施設の維持管理費等、将来の不安解消のための公共事業として道路維持費を増額しました。これは、「道路長寿命化計画」を平成26年度までに策定した成果として国の補助金である「防災・安全社会資本整備交付金」を適用して道路の維持補修を行うことができることとなったものであります。
また、町の更なる発展を期すためのインフラ整備として、来年度、県から移譲が予定されている本栖湖青少年スポーツセンターグラウンド整備事業費、登山道線の電線地中化道路改良事業費、また「都市再生整備事業」は河口多目的広場建設事業などの河口湖北岸整備事業や八木崎公園の改修実施設計事業、勝山羽根子山遊歩道整備事業などを計上しております。
さらに、町民の福祉・教育などの更なる向上を期すためのインフラ整備として、福祉関係施設では、今年度整備しております小立福祉ゾーン整備事業費を計上したほか、教育関係施設では、町民運動場の夜間照明設備の改修事業や勝山地区公民館整備事業費を計上いたしました。 また、河口湖南中学校改築事業は計画通り進捗しており、普通教室棟・特別教室棟に引き続き、平成27年度には、給食棟の竣工を目指し推進しております。
このように、地域の課題を解消し、更なる地域の元気創造を推進するため、新町建設計画をはじめ、平成25年度、26年度で策定した各種計画も踏まえたなかで予算編成を行ったところであります。
一方で、ソフト事業についても「地方創生」を目的とした「まち・ひと・しごと創生法」の制定理念を念頭に総意・工夫をもって予算計上をしております。主な新規事業として、過疎・辺地地域の自立促進を図るための計画策定事業、地域に居住して、地域ブランドや地場産品の開発等の地域おこしの支援や、農林水産業、住民の生活支援などの地域協力活動を行い、地域への定住・定着を図る取り組みである「地域おこし協力隊」の活動経費、空き家の有効活用と移住促進を図ることを目的に「移住促進住宅リフォーム補助金」の創設、また、ふるさとを応援する、ふるさとを支援するという納税者の思いを実現し、地域への関心や愛着を深め、交流人口を増やすなどの効果が期待できる「ふるさと納税」をされた方への謝礼の充実や衛生費については、今年度に整備を行った居宅介護施設の管理運営経費、農業振興費については、地域の農産品を活用した特産品の開発・栽培事業、商工費については、商工まつりを実施するための補助金の計上や観光基礎調査をはじめとする各種観光立町推進事業、教育費については、常勤のスクールソーシャルワーカーの配置や学校教育の質の向上策として、デジタル教科書の導入やタブレットパソコン導入の拡充費を計上しました。
平成27年度予算は、これらの事業をはじめとし地域産業振興・雇用拡大・少子化対策・子育て支援、福祉・教育の充実、環境保全対策、災害への備えや安全で安心なまちづくりなど多岐にわたる施策を効果的に実施するよう限られた財源を有効活用しながら財政の健全性の維持も両立した行財政運営を行うために国庫補助制度や有利な起債制度など最大限有効・適切に活用し特定財源の確保に努め編成を行ったものでございます。
新年度予算は、私の2期8年の集大成と位置付けており、その成果を結実させるため、山積する行政課題に対し、従来にも増して真摯に取り組んでまいりたいと考えております。
私は、富士河口湖町長として、就任以来「町民が主役であること」「公平公正であること」「分かりやすい町政であること」を政治姿勢として、「町民が住んでよし」来訪者が「訪れてよし」の質の高い世界遺産のまちづくりを目指し、健全な財政運営を心掛け、中長期的な視野に立って慎重・着実・堅実に町政運営に取り組んでまいりました。
その結果として、平成18年の第2次町村合併時から人口は約900人余り増加し、現在は約26,500人となり、将来にわたっても着実に発展できる町であると確信しております。これも官民が協働して実践してきたまちづくりの大きな成果であると思っております。
また、年々増加する社会保障費、医療費などの義務的経費の増加や地方交付税の減額がはじまっているなかで国の施策と歩調を合わせた地域経済の活性化への取り組みに加え、より質の高い、より住みやすい地域づくりのために福祉・教育・環境さらには将来を見据えた産業の振興など様々な施策を積極的に推進するとともに安定的かつ強固な財政基盤を確立するため町民の皆様が真に必要とする施策を厳選し積極的に展開してまいる所存であります。今後も船津保育所改築事業、船津小学校改築事業をはじめ、町営住宅整備事業、町民体育館大規模改修事業や防災減災事業、福祉推進事業、観光振興事業、世界遺産保全事業等のほか企業誘致促進事業、産業創出事業、子育て支援事業や人口減少、少子化対策、地方版総合戦略の策定及びその事業化など多くの課題が残されているため自治基本条例に則り「町民参加」「町民参画」「町民協働」のもとに町民と行政が一体となった「まちづくり」に力強く邁進していきたいと考えております。
どうか、引き続き町議会議員各位をはじめ町民の皆様の結集された熱いお力添えをいただけますよう切にお願い申し上げます。
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