令和6年12月議会 施政方針

 本日ここに、令和六年第四回富士河口湖町議会定例会の開会にあたり、提出いたしました案件の主なるものにつきまして、その概要をご説明申し上げますとともに、私の所信の一端を申し上げ、議員各位並びに町民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
 さて、九月の残暑厳しい中、記録的な大雨となった石川県能登地方では、各地で川の氾濫や土砂災害が発生しました。前線や低気圧の影響で線状降水帯が発生し大雨となったことが原因でありました。元日の能登半島地震に見舞われた地域であり、まさかの一年に大地震と大雨と二回も災害に見舞われるとは思っていなかったという声が切実でありました。生活が戻り始めたところの被災となり、心からお見舞い申し上げるとともに、一日でも早い復興・復旧を願うところであります。
 
 さて、昨年多くの町民の皆様から温かいご支援とご支持をいただき、十二月七日に第四代富士河口湖町長に就任し、町政のかじ取りを担ってまいりました。こうして一年が経つところですが、今ここに登壇いたしまして、身が引き締まる思いと同時に町政に対し決意を新たにするものであります。
 また、年度の途中ではありますが、町議会議員、町民の皆様のご理解ご協力をいただき多くの施策を実現させることができましたこと深く感謝申し上げる次第であります。
 さて、実現してきた施策の一つは、燃料費や諸物価の高騰から町民の「生活をまもる」ための施策です。町民への支援策として、物価高騰に対し住民生活を下支えするとともに消費喚起を促す商品券事業を実施しているところですが、事業効果が安定して継続するよう、さらなる生活支援を予定しているところです。
 支援策には、マイナンバーカードの効果的な利用やキャッシュレス決済の利用促進の観点から「ポイント制度」を活用した制度を模索していたところですが、続く物価高騰のリスクや冬季にかさむ燃料費などに対し、全町民を対象とした仕組みづくりができる事業に変更し、商品券事業により追加支援することとしたところであります。全町民一人あたり五千円分の商品券を追加配布し、引き続き生活支援事業を実施することとしました。この定例会で、費用を組み替える補正予算を計上しておりますのでご審議いただき承認いただけますようお願いいたします。
 次に、「防災強靭化のまちづくり」を推進する施策です。近年は気候変動に伴い、全国各地で台風や記録的な大雨による被害が発生し、住民生活に甚大な被害を及ぼす事態となっております。
 また、南海トラフ地震をはじめとする大規模災害は、いつ発生するかわかりません。当町としましても、引き続き防災・減災に対する取り組みを継続・強化していく所存です。
 本年度は、取り組みの根幹となる地域防災計画の改訂を行っております。今改訂は、富士山火山避難基本計画の改訂に伴う変更、山梨県地震被害想定調査の改訂に伴う変更、関連法令改訂に伴う変更など多岐に渡っております。
 富士山噴火への備えとしては、国や県と共同して取り組み、地域の特性やニーズに合わせ、迅速かつ効果的な防災対策を進め、避難地、避難路、避難方法などを再検討し、強靭化施策を進めていくことで、町民と観光客の安心と安全を確保してまいります。
 こうした中、町では、十一月十八日に富士宮市との「災害時における相互応援に関する協定」を提携したところです。
 防災力を高めるためには、それぞれの自治体が防災・減災力の強化を図ることだけではできることが限られるため圏域連携により、個々の組織で、できる以上の力を出していこうとすることが潮流であります。こうしたことから、人的支援による救援・救助のため富士山噴火災害に限らず災害全般についての包括的な相互応援協定を締結する運びとなりました。災害時には、一刻も早い救助・復旧・そして復興が大切です。
 隣接する市との協定締結は、住民による自助・共助の強化が図られ、地域全体で一丸となり効果的な防災対策ができるものと考えます。両市町で共に力を合わせ、安心・安全なまちづくりを進め、未来に向けた強いまちを築いていくことに努めてまいります。
 次に、「観光産業」を基幹産業と位置づけ、町の魅力を引き立て、地域経済の更なる発展を目指す施策です。当年度は、ハーブフェスティバルのオープニングに合わせて、山梨県産のワインと地元食材などを味わうイベント「蔵出しワインバー」を当地域で初めて開催し、好評を得たところです。また、十一月二十五日・二十六日と二日間、名古屋と大阪に会場を設けまして、関西方面の旅行業者やバス会社の仕入れ担当者を招き観光商談会を盛大に開催してまいりました。富士河口湖町営業担当者部会とともに、私もトップセールスという形で同行させていただき、町をあげての観光誘致に一役かいPRしてきたところです。
 加えて、地域のより豊かな経済発展のための施策の一つとして、「スポーツツーリズム」の推進に取り組んでいきます。くぬぎ平スポーツ公園は、人工芝化するなどスポーツの国際基準に合った整備を行い、スポーツ合宿や大規模なスポーツ大会の誘致に取り組んでいるところです。
 さらに、今年度のMt.(マウント)富士トライアスロン富士河口湖二〇二四には、過去最多の千四十五人の選手に出場いただきました。八木崎公園を会場に河口湖でスイム、西湖畔を舞台にしたバイク、そして富士に向かい河口湖大橋を駆け抜けるラン。過酷なレースに奮起する中にも町の魅力が詰まったコースに選手の皆さんにも応援に訪れた方々にも感動を与えるものとなりました。来年度は、令和七年九月七日に開催する方向で準備を進めております。
 次に、福祉立町の推進です。高齢者や障がい者、すべての層に寄り添い、地域住民の声に耳を傾けながら、福祉サービスの充実を図ります。まず当年度は、おむつを使用する皆様からの声を反映し、高齢者等のおむつ購入補助の対象者の拡充を図り、補聴器やスマートフォンの購入費用を助成する制度を創設したところです。誰もが幸せを感じられるまちづくりのため、地域資源を最大限に活用し、地域全体で協力し支え合う社会の実現を目指します。
 次に、「教育をまもる」施策です。教育こそが町の発展と人口減少対策の要であり、「教育は公共事業」という前町政の信念を受け継ぎ、真摯に向き合っているところであります。
 大切に考えるのは、町の未来は子どもたちの手に委ねられているということです。
 これまでの施策に加え町の未来を担う子どもたちの教育レベルを向上させ、地域の活気を高め、地域に暮らす生活を豊かにし、地域を維持発展させてまいります。
 こうした考えから、当年度は、教育格差是正のため、習い事や塾代に対しての助成制度を創設いたしました。
 また、ハード面では、勝山中学校の普通教室増設のため改修工事を行うこととし、小立小学校の改築事業に向けては、体力度調査を実施したところです。このように教育環境の整備は、充実した学びの環境が未来への投資であり、町全体の発展に繋がるものと考えております。
 さらに、「子育て支援」施策でございますが、これまで実施してきた中学校までの給食費の無償化や保育料完全無償化事業、高校生までの医療費の窓口無料化、おうち子育て応援事業をはじめとする様々な子育て応援施策を大切に継続するとともに、こども誰でも通園制度「ちょこっと保育」を試行ではありますが事業化するに至ったところであります。保育所等を利用しない幼児を一時的に預かり、子どもの育ちを応援するとともに、保護者の子育て関する悩みに寄り添い支援する制度に取り組んだところであります。
 そして、当町への就業や移住定住を促進する施策としては、奨学金の返還を支援する補助金制度を創設いたしました。町内事業所等に勤務し奨学金を返済する町民の方に対して、月二万円を上限に支援していくものとなります。
 こうした中、興味深いのが、大手ハウスメーカーがこの秋に発表した調査結果です。「街の幸福度&住み続けたい街ランキング二〇二四山梨県版」でありますが、幸福度が四年連続の第一位となったとの発表です。環境の良さや観光地として経済状況もよいとの分析ですが、先代の方々がこれまで育て上げてきた社会基盤に、町民のみなさまがこの町の素晴らしさ、この町で生活を営む喜びを実感しているという回答で、これまでの施策に対する一つの評価ではないでしょうか。
 これからもこの誇りを次世代につなげ、希望と笑顔あふれるまちづくりに邁進してまいります。
 引き続き、任期を通じて「住みたいまち」・「産んでみたいまち」・「育ててみたいまち」・「働いてみたいまち」として、希望と笑顔あふれるまちづくりに邁進してまいりますので、町民の皆様並びに議員各位のご支援とご協力をお願い申し上げます。
 次に、蛍光管製造禁止に備えた照明対策について申し上げます。令和五年十一月、スイスで行われた「水銀に関する水俣条約」締結国会議で、二〇二七年末での蛍光管の製造、輸出入の禁止が合意されたところであります。条約の締結国である日本でも蛍光管の流通が止まることになります。大手メーカーでも来年度から一部の製品について受注生産に切り替わり、二〇二七年九月には生産終了との案内が出されています。蛍光管の耐用年数や在庫の状況では、すぐには流通が止まることはないと思われますが、公共施設のLED化は後回しにできない課題であります。
 国や地方公共団体などの公共施設では、不点灯が許されない施設もあることから、財政情勢を鑑みながら早急にLED化を行い、持続可能性のある社会への取り組みといたします。
  次に、令和七年度の予算編成に向けて申し上げます。
 まず十月二十七日に行われた第五十回衆議院総選挙では、政権与党が議席を減らし過半数割れとなりましたが、十一月十一日に少数与党として内閣を発足させたところであります。このことから、七月二十九日に閣議決定された予算編成方針「令和七年度の概算要求にあたっての基本的な方針について」については大幅な変更はないと思われます。この中では、持続的・構造的賃上げの実現、官民連携による投資の拡大、少子化対策・こども政策の抜本的強化など重要政策課題に予算措置を講ずるとしていますので、これを踏まえた予算編成といたします。
 また、選挙の反省を踏まえた政治改革に取り組むとしていますが、これに加え、政策協議の場に続き所信表明では、いわゆる「手取りを増やす政策」に言及しています。税政改正は国のみならず地方財政に密接に影響しますので今後の動向を注視していく必要があります。
 このような中、地方創生、持続可能な地域社会の実現に取り組んでいくために、限られた財源を効率的、効果的に活用しながら、町民・事業者全ての皆さまの日常生活や社会経済活動と今後の町の発展に思いを寄せ、令和七年度の当初予算の編成に臨みたいと考えております。
 
 それでは、今議会に提出いたしました議案等の主なるものの概要を申し上げます。提出案件は全部で二十五件であります。内訳は、報告が一件、承認が一件、町有施設の指定管理者の指定が二件、組合規約の変更関係が二件、条例関係が四件、町道の路線廃止一件、契約議決が一件、補正予算は、特別会計が十件、公営企業会計が二件及び一般会計であります。
 まず、「第二期地方創生総合戦略の効果検証について」です。これは、令和五年度における地方創生総合戦略の効果検証について、担当課による自己評価及び外部有識者による評価委員会の評価結果をまとめたものを報告するものです。
 次に、「専決処分の報告及び承認を求めることについて」ですが、十月二十七日に行われた衆議院議員選挙を執行するための費用を専決処分した一般会計補正予算についてです。
 次に、「富士河口湖町町有施設の指定管理者の指定について」であります。「富士河口湖町小立ふれあいこども館」の指定管理者の指定期間が令和七年三月三十一日をもって満了となるため、四月一日以降の指定管理者について提案するものであります。
 もう一件は新たに「西湖ネイチャーセンター」の管理を行う指定管理者を指定する提案であります。
 次に「山梨県市町村総合事務組合規約の変更について」は、山梨県市町村総合事務組合が共同処理する交通災害共済事業について、事業を廃止することに伴い、提案するものです。
 さらに「山梨県市町村総合事務組合の共同処理する事務の変更に伴う財産処分について」は、組合が共同処理する交通災害共済事業が廃止されることに伴い処分する財産について、提案するものです。
 次に、条例の一部改正でありますが、「富士河口湖町職員給与条例の一部を改正する条例」および「富士河口湖町会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例」は、国の給与に関する勧告に鑑み、これらの条例の一部を改正する必要があるために改正するものです。
 次の「富士河口湖町水道事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例の制定」についてですが、「富士河口湖町水道事業」「富士河口湖町簡易水道事業」及び「富士河口湖町下水道事業」において、今般交付された改正地方自治法により、引用する条項がずれたため改正するものです。
 「富士河口湖町下水道条例の一部を改正する条例」は、下水道法施行令の一部が改正され用語の改正があったため、これにより条例の一部を改正するものです。
 「町道の路線廃止について」は河口地内の路線を廃止する提案です。
 続きまして「財産の取得について」は、「学校給食運搬用小型トラック」の購入に係る契約案件でございます。
 次に、補正予算の特別会計十会計と公営企業会計二会計及び一般会計でありますが、そのうち、令和六年度一般会計補正予算(第五号)の概要について御説明いたします。
 今回の補正は、既定の歳入歳出予算の総額に四億三千百十二万六千円を追加し、歳入歳出の総額を百五十二億五千二百二十万三千円とするものです。
 まず、歳入についてご説明いたします。
 地方交付税九千九百三十七万三千円、国庫支出金九千六百一万八千円、県支出金六千百四十九万九千円、寄付金二百十万円、繰入金一億七千二百十三万六千円をそれぞれ増額いたしました。
 次に、歳出の主なものをご説明いたします。
 総務費は、企画費で移住交付金三百二十万円の増額、男女共同参画費で「第三次ふじサンサンプラン」策定業務委託三百八十八万円を計上しました。
 民生費は、社会福祉総務費で、介護給付・訓練等給付費一億三千万円、老人福祉費で、高齢者補聴器購入費補助金六十万円を増額、保育所費では、民間保育施設への給付費六千万円、民間保育事業所が認定こども園へ移行する事業への補助金三百三十七万円、児童館費で、山梨県子育て世帯応援臨時交付金を活用して行う整備事業九百万円を計上しました。
 衛生費は、保健衛生総務費で、子ども医療費助成金五千四百万円、予防費で、帯状疱疹接種委託料二百三十万円、景観保全費で、太陽光発電システム設置補助金三百万円の増額を計上しました。
 農林水産業費は、畜産業費に配合飼料高騰対策補助金を八百五十万円計上しました。
 商工費は、大池公園内の支障木伐採事業など三百五十万円、冬花火実行委員会への負担金を六十五万円増額、林作公園トイレ換気対策として六十九万円を計上しました。
 また、生活支援事業としてマイナポイントを活用した制度を模索していましたが、町民ひとりあたり五千円の商品券を配布する物価高騰対策商品券事業として予算編成を組みなおしてございます。
 土木費は、土木総務費で道路用地等の分筆登記委託料の三百十万円、道路橋梁費で町道除雪作業等委託料四千五百万円の増額、都市計画費では、長浜親水公園芝刈り機収納庫設置費など百七十五万円を計上しております。
 消防費は、消防団員出動手当六百万円の増額など計上しております。
 教育費は、小学校費で大嵐小学校遊具更新工事など二百八十万円、大石小学教育振興補助金百万円、小立小学校備品購入費三百五十万円、また中学校費では、令和七年度小学校教科書改訂による教師用教科書指導書・デジタル教科書購入費六百三十九万円など、社会教育費では、ステラシアター管理費で施設改修費九百万円、円形ホールエアコン改修等百万円、勝山ふれあいセンター費では給水加圧装置の修繕費百九十四万円など、保健体育費では、施設の光熱水費等の増額を計上してあります。
 また、今回の一般会計補正予算につきましては、議会費から教育費までの、多くの目に人件費である報酬、給料から共済費について補正予算を計上しております。
 これらにつきましては、人事院勧告に基づく「職員給与条例の改正」に伴う人件費の補正が主なものとなっています。 
 
 以上、本定例会に上程しました令和六年度一般会計補正予算(第五号)の説明とさせていただきます。 
 詳細な内容や特別会計につきましては、各常任委員会において担当課長から説明をさせていただきますので、ご審議賜りますようよろしくお願い申し上げます。

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