令和4年9月議会 施政方針

 本日ここに、令和四年第三回富士河口湖町議会定例会の開会にあたり、提出いたしました案件の主なるものにつきまして、その概要をご説明申し上げますとともに、私の所信の一端を申し上げ、議員各位並びに町民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 はじめに、「新型コロナウイルス感染症」の感染予防の取組にご協力をいただいている町民・事業者の皆様、そして、感染症拡大の最前線で献身的なご尽力をいただいている医療従事者をはじめとするエッセンシャルワーカーの皆様には、改めて深い敬意とともに心より感謝を申し上げます。また、療養を現在も余儀なくされている皆様の一日も早い回復を祈念申し上げます。
 さて、新型コロナウイルス感染症の「第六波」が、四月には落ち着きを取り戻したものの、新規感染者が相当数報告される中にあって、三年ぶりの行動制限のない大型連休を過ごすなど、ようやく、本格的な社会経済活動を継続するその糸口を掴みかけた矢先に、「第七波」の爆発的な感染拡大が全国を襲いました。全国各地で過去最多の感染者が報告され、山梨県においても、新規感染者は、七月には、それまで感染者の月別で最多だった今年二月の約二倍となる一万五千七百人にのぼり、八月に入っても連日千人規模で新規感染者が報告されるなど、歯止めがかからない状況が続いております。
 しかし、政府は、コロナ禍で三度目となる今夏、行動制限には慎重な構えを崩さず、県も医療提供体制を確保することで医療の逼迫の深刻化を避けつつ行動制限を回避するという基本的な考えを示してきました。
当町においても軌を一にし、感染の拡大防止に最大限の注意を払いながら、社会経済活動の両立を図ることは地域経済にとって大変重要だという考えに立ち、住民への支援や経済活動の支援などを行い、その継続を模索してまいりました。
 新型コロナウイルス感染症の予防対策として、ワクチンの接種に注力し、現在、六十歳以上の方及び基礎疾患のある方の四回目の接種と並行して、未接種者を含む十二歳以上の希望するすべての方と五歳から十一歳の小児への接種を実施しております。今後については、政府がオミクロン株の置き換わりの状況を踏まえ決定した、改良型ワクチンの接種についても国のスケジュールが決まりしだい早急に開始します。この改良型ワクチンは、感染力が強い同株の派生型「BA.5」にも一定の効果が期待されており、対象は二回目までの接種を終えた全世代となります。接種が開始できるのは、十一月中旬頃になると想定しておりますが、その際には、順次対象者に通知いたしますのでご理解とご協力をお願いします。
 また、コロナ禍に加え、ロシアによるウクライナ侵攻は、グローバルなサプライチェーンを混乱の渦に陥れ、世界全体の生産・供給体制に大きな影響を与えるとともに、日本の海外への資源の依存という側面を際立たせ、さらに円安の急激な進行は、様々な物の価格上昇を招いております。
 こうした状況の中、私は、政府が四月末にとりまとめた「コロナ禍における原油価格・物価高騰等総合緊急対策」により、自治体に交付する「地方創生臨時交付金」が拡充されたことにいち早く対応すべく、既に実施を決定していた全町民に一人あたり五千円の商品券を配布する「くらし応援商品券事業」に加えて、当町出身の大学生等及び当町に就学している大学生等に対し、就学を継続するための支援として「大学生等生活支援給付金」一人あたり三万円を給付することを決め、六月定例議会において五千四百三十六万円の補正予算を計上し、現在給付を実施しているところです。
これに加え、高校生等に対しては、入学時に必要となった経費について、世帯の経済的負担の軽減を図るため、「高校生等学習用端末機器購入支援事業給付金」の補正予算を計上し、一人あたり二万八千円程の支給を実施しております。
 また、地域経済対策の一環として、既に実施を決定していた宿泊者に対し宿泊費を助成する「宿泊支援事業」に加え、この事業を利用した皆様に町内の様々な施設で使用できる商品券を配布することで消費の喚起と観光リピートを図る「旅人おもてなし商品券事業」についても補正予算で予算化しております。今後の旅行需要や感染の拡大状況を見据えつつ、適宜実施してまいりたいと考えております。
 さらに、原料生産国の状況などの影響を強く受けた家畜配合飼料が高騰を続け、当町で酪農等を経営する事業者の方々の経営を大きく圧迫していることを受け、その経営を支援するため、酪農業、肉牛畜産業を営む個人または法人を対象に「配合飼料高騰対策事業補助金」を交付することを決め、七月の臨時議会において二千七百三十万円の補正予算を計上したところです。補助の内容は、乳牛一頭につき一万円、肉牛は一頭につき三千円を交付するもので、現在申請を受け付けており、随時、補助金を交付している状況です。
 さて、感染拡大の防止と社会経済活動を継続する「WITHコロナ」を模索する中、夏休みシーズンを迎え、感染症対策に最大限の注意を払いながら、三年ぶりとなる「河口湖湖上祭」を開催し、夏の風物詩であるこの花火大会を楽しみにしていた多くの観光客が当町を訪れました。また、今年で二十一回目を迎えた「富士山河口湖音楽祭」は、八月十一日から二十日まで河口湖ステラシアター、河口湖円形ホールを中心にコンサートを行いましたが、今年は、三年ぶりに一般に開放した無料公演も実施したところです。
 また、九月四日には、八木崎公園をスタート・ゴール地点として河口湖・西湖の特設コースを舞台とした「Mt.富士トライアスロン富士河口湖2022」が、個人八百八十人、リレー二十三チームに及ぶアスリートの参加のなか開催され、関係団体並びに多くのボランティアのご協力をいただき、無事に終了したところです。この大会は、「東京2020オリンピック・パラリンピック大会」で、当町がパラトライアスロンのフランス代表チームの事前合宿地となったことを契機に、レガシーとして開催したもので、スポーツと観光の相互の普及と発展を図ることを目的としており、新たな観光イベントとして、期待をしております。
 また、昨年企業版ふるさと納税をいただいたことで実施した「富士山河口湖ピアノフェスティバル」を、今年も同様に寄附をいただき、九月二十二日から二十五日までの四日間、開催します。世界的に活躍をするピアニスト辻井伸行さんなど、一流の演奏家による演奏会をステラシアターや円形ホール以外に学校や総合公園内においても行う予定です。こうしたイベントを通して、音楽文化の質の高い観光地となるよう期待をしているところです。
 さらに、十月二十二日には、日本最大級のファッションの祭典として名高い「東京ガールズコレクション」(TGC)がプロデュースする「TGC FES 山梨 2022」が当町の河口湖ステラシアターをメイン会場に開催されます。このイベントは、「東京ガールズコレクション」の新しい発信コンテンツ「TGC FES」の第一弾として、山梨県で初開催され、ファッションショーやアーティストによる音楽ライブなどが展開され、同時に観光資源や伝統工芸品などの魅力の発信を行っていくというものです。コロナ禍や円安などの影響を受けた県内経済の浮揚、活性化を図るために山梨県の主催により開催されるもので、サブ会場となる隣接する総合公園には、メイン会場のイベントを見ることができる大型スクリーンを設置し、県産フルーツやスイーツの販売、飲食ブースのほか、県内市町村の物産コーナーなどが設置されることとなっています。山梨県全体のイベントが当町において開催されることに期待をするとともに、全国各地から十代、二十代の若者を中心に幅広い世代の方が山梨県を、そして当町を訪れることで、その魅力が各地に発信されることを期待しております。
 さて、今議会では、令和三年度の三十一の特別会計及び水道事業会計並びに一般会計の決算の認定をお願いするところですが、一般会計決算について概要をご説明申し上げます。
 歳入においては、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、個人住民税が大幅な減となったほか、固定資産税の減免措置を実施したことから地方税は、対前年度比六.六%の減となりました。また、地方交付税は法人住民税の減少等により基準財政収入額が減となったほか、国勢調査人口の増により基準財政需要額が増加したことから交付額が増額となりました。
 歳出においては、町独自のコロナ禍における町民・事業者への支援策として、全町民に商品券を配布した「くらし応援商品券事業」やまん延防止等重点措置適用の影響を受け、売上が減少した小規模事業者に事業継続、立て直しの取組の支援金を交付した「小規模事業者等事業継続支援金交付事業」などを実施したところです。こうした支援策を実施するとともに、小学校・保育所の給食費の無料化や高校生までの医療費の無料化及び保育料や予防接種の一部無料化や紙おむつ用品の補助の拡大など、子育て支援策や財政需要の大きい社会保障費の継続と拡充なども併せて実施してまいりました。コロナ禍の渦中にありながら地域経済の活性化と持続可能な社会・まちづくりを実現していくため、財政の運営に心を砕いてきたところです。今後も効率的な財政運営を進めるとともに、必要なものに重点的に予算を集中し、活力あるまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
 
 国においては、第二次岸田改造内閣が先月十日に発足し、エネルギー価格高騰や円安を背景とした物価高への対応や、看板政策「新しい資本主義」の具体化などに取り組むとしており、早期に新たな経済対策の策定に着手するとともに、年内に財源の裏付けとなる第二次補正予算案を編成する考えを示しております。また、この補正予算とともに、今後二十三年度の当初予算編成も本格化してきます。こうした政府の動向を注視し、今後も物価や景気、そして新型コロナウイルス感染症の感染状況などに応じて、適時適切に施策を講じることで、より安心して生活できる環境と、より活気みなぎる日常を築き上げていくことに、議員各位及び町民の皆様のご協力をいただき、全力で取り組んでまいる所存です。

 それでは、今議会に提出いたしました議案について御説明いたします。

 提出案件は全部で五十件です。内訳は、報告が三件、条例の一部改正が一件と決算認定が三十三件、補正予算が十三件です。まず、報告につきましては、「令和三度決算に基づく財政健全化判断比率等の報告」及び「令和四年度教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価について」そして、「令和三年度富士河口湖町水道事業会計予算繰越計算書」についてです。
 次に、条例の一部改正の「富士河口湖町職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例の制定について」は、「地方公務員の育児休業等に関する法律」の一部改正などに伴い改正する必要があることから提案するものです。
 次に、令和三年度決算認定につきましては、三十一の特別会計及び一般会計並びに水道事業会計です。
 次に、補正予算については、特別会計十一会計と一般会計並びに水道事業会計でありますが、そのうち、令和四年度一般会計補正予算(第四号)の概要について御説明いたします。
 今回の補正は、既定の歳入歳出予算の総額に一億七千二百十七万四千円を追加し、歳入歳出の総額を百三十三億五千三百八十四万四千円とするものです。
 歳入の主なものを御説明いたします。
 歳入は、国庫支出金一億七百四万五千円、県支出金一千三十八万円、繰越金九千百六十六万八千円をそれぞれ増額し、町債四千万円を減額するものです。
 次に、歳出の主なものを御説明いたします。
民生費では、児童福祉費で新型コロナウイルス感染症対策のための児童館・保育所等への空気清浄機の購入費等五百九十三万七千円の増額です。
衛生費では、保健衛生費で新型コロナウイルス感染症のワクチン接種にかかる事業費一億六百十九万五千円と清掃費で施設補修工事費四百八十万円の増額です。
農林水産業費では、農業費で農業次世代人材投資資金交付事業費補助金三百七十五万円、林業費で林道落石対策工事費五百万円、有害鳥獣防護柵設置費補助金四十万円の増額です。
商工費では、「富士河口湖グルメガイド」印刷費百三十三万円、いやしの里の茅葺屋根の修繕費百七十万円の増額です。
土木費では、住宅費で住宅リフォーム補助金九十万円の増額です。
教育費では、小学校費で、西浜小・小立小・旧精進小学校の施設整備費五百六十四万一千円、社会教育費で、こども未来創造館の各部屋の空気清浄機の購入費百四十八万円、文化財保存事業補助金五百万円の増額です。
 以上、令和四年度一般会計補正予算(第四号)の説明とさせていただきます。 詳細な内容や特別会計につきましては、本会議において担当課長から説明をさせていただきますので、なにとぞご審議のうえご議決を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

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