令和2年9月議会 施政方針

 本日ここに、令和二年第三回富士河口湖町議会定例会の開会にあたり提出いたしました案件の主なるものにつきまして、その概要を御説明申し上げますとともに、私の所信の一端を申し上げ、議員各位並びに町民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
 平成三十一年一月に着工以来、建設工事を行ってまいりました船津小学校の新校舎建設は、このたび令和二年七月に工事が完了し、八月十一日、多くの来賓と関係各位を招待し、竣工式を執り行ったところであります。
 平成二十七年一月に建設検討委員会を立ち上げ、以来、建設場所の検討をはじめ、様々な観点から検討いただいた結果を活かしながら、よりよい学習環境を構想してまいりました。
校舎は、普通教室二十五室と理科室、家庭科室、図工室、図書室、パソコン室、音楽室などの最新の特別教室と多目的ホールなどがあり、給食調理室も備え、また1階西側には、子ども・子育て支援新制度の下での放課後に児童を受け入れる「ふれあい子ども館」を備えております。
 七月中に仮設校舎からの引っ越しを終え、新学期からこの新校舎において新たに授業が開始されております。
 また、新校舎に入ることのなかった今年卒業した中学一年生とその父兄を、八月十七日に新校舎に招待し、施設の紹介をさせていただき、給食も試食をしていただいたところであります。
今後の関連工事は、南校舎・給食室の取り壊し、新校舎北側駐車場・南側外構整備、また運動場整備を予定しており、これらの工事のすべてが完了するのは来年となる予定でありますが、この学校が地域のシンボルとして、また、町のひいては国の将来を担う子供達の心の拠りどころとして、末永く愛される学校となることを願うところであります。
 さて、新型コロナウイルスの感染症は、世界規模で影響を与え続けており、依然としてわが国も多大な影響下に置かれております。これまで、感染拡大防止の最前線で御尽力されている医療従事者をはじめ、事業者、町民の皆様が一丸となり、「感染予防対策」を徹底してきた結果、県内外の感染状況にかかわらず、町内への感染拡大が最小限に抑えられていることに対して、皆様方に、心より感謝申し上げます。
 政府は、通常国会で新型コロナウイルスの影響を緩和するための巨額な経済対策の費用を盛り込んだ第一次、第二次補正予算を成立させ、盛り込んだ十兆円の予備費などを活用して経済浮揚に取り組む考えを強調しておりますが、事態の収束の見通しは立っていない状況であり、世界規模の打撃は簡単には解消できず、これまでの経済の仕組みを根底から揺るがすような事態となっております。
 去る五月二十五日、我が国で初めて発出された「緊急事態宣言」は全面解除となりました。その結果、感染防止を図りながら、段階的に「社会経済の活動レベル」を引き上げていく「新たなフェーズ」に移行したものの、現在においても東京を中心とした首都圏をはじめ、全国で新たな感染者が多数確認される「感染の再拡大」ともいえる心配な状況が続いております。
こうした中、先月二十八日、安部首相は、官邸で記者会見し、辞任の意向を表明しました。約七年八か月に及ぶ長期政権を担ってきた総理の突然の辞意の表明にたいへん驚いたところであります。新型コロナウイルス感染拡大に伴い急速に悪化した国内経済の立て直しは、積み残しの課題として次期政権に引き継がれることとなりましたが、後任がスムーズ選ばれ、重要課題の解決に滞りのでないよう取り組んでいただきたいと望むところであります。
 新型コロナウイルス感染症対策では、「感染拡大の防止」と「経済の維持」という一見、相反する命題に、国も地方も苦慮しており、本町もそのバランスが最適なものとなるよう感染状況などの社会情勢や経済状況を考慮しながら対策を進めてまいりました。
本町では、国の政策である「特別定額給付金」や事業者に対する「持続化給付金」などのほか、町独自の施策として、この九月定例会前までに第一次から第四次までの四度にわたる合計七億三千万円におよぶ補正予算の編成により、「ウイルスへの防疫対応」、「経済活動の回復への対応」、また「子供達への教育対応」の三つの支援策を進めてきたところであります。
「第一次補正予算」では、経済対策として、融資に伴う信用保証料の補助と返済金に対する利子補給の充実また、観光客の激減に対応するため、町内の宿泊施設利用者に補助を行う「観光支援事業」など総額一億五千万円の補正予算を編成しました。
「第二次補正予算」では、感染防止や町民の皆様の支援のため、総額一億六千八百万円の三つの支援金の給付などを実施し、その一つは、コロナ禍による学校の休校などにより、保護者が休業を余儀なくされてしまうような家庭を支援するため、「子育て応援臨時給付金」として中学三年生までの子供一人あたり三万円を給付いたしました。また、在宅介護サービス利用者や障害児者通所サービスなどの利用者には、本人とその家族の経済的・精神的負担の軽減のため、それぞれの方に一人あたり二万円の給付を行ったところであります。
「第三次補正予算」では、コロナ禍での「子供達への教育対応」として、小学一年生から中学三年生までの全ての児童生徒に一人一台の情報端末を今年度において、全て購入することとした費用など、総額七千五百六十二万五千円の補正予算を編成しました。
さらに、こうした取り組みを確実なものとするため、「第四次補正予算」として、七月三十日の臨時会において、町単独による「くらし応援商品券事業」などを含む総額三億三千七百万円の補正予算を成立させていただいたところであります。
 この「くらし応援商品券事業」は、コロナ禍の影響により、困難を抱えている家庭を支援するとともに、あらゆる経済活動が麻痺状態におちいり、消費需要が冷め切ってしまい、先々の消費需要の回復が見通せない現在の状況に対し、確実に消費を喚起することで、地域経済を支援するため、全町民を対象に一人あたり一万円分の商品券を配布することとしたものであります。今回の支援は、現金の給付とせず、飲食店や小売店、宿泊施設など、町の募集に応じて登録した町内のあらゆる事業所において利用可能な商品券とし、使用期限も十二月三十一日までとすることで、決められた期間内において地域経済に確実に消費需要が生まれるように配慮をしたところであります。
 また、商品券をプレミアム商品券とせず、無償提供とすることで、日々の生活に困っている人に対しての配慮をし、同時に商品券の使用に際し、一部を制限する工夫を施すことにより、大型小売店舗に商品券の消費が集中することのないよう、本町の経済活動を担う数多くの小規模事業者に消費がいきわたるよう配慮をしたところであります。
 この「くらし応援商品券」は、先月末から書留郵便で順次、町民の皆様に配布を始めており、近日中にすべての世帯に配布が完了することとなる予定でありますので、日常生活の中において様々な場面で有効にこの商品券を活用していただければと願っております。
そのほか、資金繰りへの追加対策として、融資に伴う信用保証料の補助と返済金に対する利子補給を遡って、それぞれ全額補助とするほか、温泉事業所の宿泊客の減に対応するため温泉使用料とそれに伴う下水道使用料を全額減額し、さらに打撃の大きい観光産業に対し、各地区の観光協会の運営に対する支援金の交付と観光需要を喚起するよう観光イベントの実施委託費を増額しました。
 また、山梨県では、新型コロナウイルスの感染防止策を講じた事業者を県が認証する制度、「グリーン・ゾーン」制度の普及に努めておりますが、この認証制度は、本町も目指す経済と安心・安全を両立させる重要な取り組みであり、町としてこれを後押しするため、認証を取得した事業者に対し、町として補助金を追加交付することとするなど、感染症対策に積極的に手を打ち、皆様を支えるための対策を果敢に講じてまいりました。
 一方で、感染拡大による経済活動の停滞は、町の財政にも暗い影を落とし、町の歳入の基幹であります町税やその徴収状況にも深刻な影響を与えており、特に経済状況に左右される「法人町民税」、観光宿泊者数に左右される「入湯税」は著しく減額となり、また固定資産税や個人町民税などの町税全体の収入の状況についても、コロナ禍の影響を受けたことにより納税能力が低下した納税者から「地方税の猶予制度」による徴収猶予の申請がなされており、これらと相まって本来見込めていた町税の収入に対し、五億円あまりの減収におよぶことになるのではないかと危惧をしているところであります。
このような状況下、町民の皆様を支援するため、町の定期預金ともいえる「財政調整基金」を取り崩しながら、また、年度途中での事業の先送りや中止などによる歳出の削減など、苦慮を重ね大型補正予算を編成してまいりました。
 コロナ禍による町民生活や企業活動・社会経済への影響は、行政のあらゆる分野に波及しており、町の財政は、その対応をするための歳出の増額に迫られる一方で、見通しのつかない歳入の減に直面することで、危機的な状況となり、厳しい財政運営を求められる状況となっております。
しかしながら、我が国が戦後最大の国難に直面していると言われる中、新型コロナウイルス感染症の一日も早い収束と町民の皆様の日常生活と経済の回復を目指して、「感染拡大の防止」と「経済の維持」という難しい命題に取り組み、国・県の動向とその内容を注視し、必要に応じて多面的な対策を的確にまた速やかに講じてまいりたいと考えております。
 引き続き、議員各位をはじめ、町民の皆様に御協力をいただきながら、先頭に立って力を尽くし、共にこの難局を乗り越え、これからも町民の皆様がこの富士河口湖町で暮らしたいと実感できる豊かさを築くため、全身全霊をもって町政の運営にあたってまいる所存であります。
 それでは、今議会に提出いたしました議案について御説明いたします。
 提出案件は全部で四十八件であります。内訳は、報告が二件、条例の一部改正が二件、決算認定が三十三件、特別会計補正予算が十件及び一般会計補正予算であります。
 まず、報告につきましては、地方公共団体の財政の健全化に関する法律の規定による、「令和元年度決算に基づく財政健全化判断比率等の報告」及び「令和元年度富士河口湖町一般会計予算継続費精算報告書」の報告であります。
 次に、条例の制定につきましては、「富士河口湖町固定資産評価審査委員会条例の一部を改正する条例の制定について」及び「富士河口湖町手数料条例の一部を改正する条例の制定について」であります。
次に、令和元年度決算認定につきましては、三十一の特別会計及び一般会計並びに水道事業会計であります。
 決算特別委員会での審議となりますが、各担当課長等から説明をさせていただきますので、ご審議のうえ認定を賜りますようお願い申し上げます。
 次に補正予算でありますが、特別会計十会計と一般会計になりますが、そのうち、令和二年度一般会計補正予算(第五号)の概要について御説明いたします。
 今回の補正は、既定の歳入歳出予算の総額に三億三千三百八十七万九千円を追加し、歳入歳出の総額を百六十四億七千八百四十九万八千円とするものです。
歳入の主なものを御説明いたします。
国庫支出金四百五十二万一千円、県支出金一千六百十四万円、繰越金四億三千八百一万一千円、町債三千八百三十万円をそれぞれ増額し、町税を二億八千三百八十万円減額しております。
 次に、歳出の主なものをご説明いたします。
 総務費では、コロナ禍により法人町民税が減収となったことによる予定納税の分の還付として、三千万円等であります。
 民生費では、民間保育所の特別保育の推進のため、保育士の加配を促すための補助金として、百二十一万四千円、農林水産業費は、この度のコロナ禍が農家の収入にも大きな影響を与えたことから、農家が著しく減収に見舞われた際の収入を補填する収入保険に加入することを促進するための補助金百六十四万八千円を増額しております。
 商工費では、山梨県の新型コロナウイルス感染防止に係る「グリーン・ゾーン」認証制度の認証を取得した事業者に対する町の追加補助金の増額分二百万円でございます。
 土木費は、河口湖総合公園の利用者駐車場を確保するための用地取得費として、一億二百三十五万一千円を増額し、住宅リフォーム補助金を百五十万円増額しております。
 教育費は、小中学校においてコロナ禍による影響をフォローするため、学力向上支援スタッフを追加配置するとともにスクールサポートスタッフを併せて配置する費用として、一千六百二万六千円を増額しました。また、学校の「新型コロナウイルス感染症関連対策」として、中学一年生から中学三年生までの全ての生徒に一人一台の情報端末を今年度において整備することとした河口湖南中学校分の費用一千百十六万円を増額しました。
 また、くぬぎ平スポーツ公園運動場については、現在、人工芝生化事業を実施し、周辺駐車場の整備を含め大規模なリニューアル化を進めており、コロナ禍終息に向けた経済対策の主要な構成案件として整備を進めております。この運動場に関連する備品購入費一千八百万円を計上しております。
 また、総務費から教育費までを通して、このコロナ禍を受け、中止・延期となったイベント経費や改めて事業を見直しすることで歳出予算を削減したものなどの経費について、減額をしております。

 以上、本定例会に上程しました令和二年度一般会計補正予算(第五号)の説明とさせていただきます。
 詳細な内容や特別会計につきましては、担当課長から説明させていただきますので、ご審議のうえご議決を賜りますようお願い申し上げます。

 

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