平成31年3月議会 施政方針

本日ここに、平成三十一年第一回富士河口湖町議会定例会の開会にあたり、提出いたしました案件の主なるものにつきまして、その概要を御説明申し上げますとともに、私の所信の一端を申し上げ、議員各位並びに町民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

さて、平成三十一年度は、私が町長として一期目の任期の最終年度となります。
就任以来、子どもを「生み・育むことに優しい環境を創設する」ための施策の一環として、「保育所給食費無料化」や国・県との連携による保育料の第二子以降の一部無料化事業を開始いたしました。さらに、医療費については、高校生までの医療費の負担軽減を図ってまいりました。
また、不妊治療費助成事業として行っております「ようこそ赤ちゃん事業」についても拡充を図り、第二子以降の不妊治療費や男性不妊治療費、また不育症治療費についても助成対象とすることといたしました。さらに、子育て環境の整備の充実として「船津保育所」の改築工事を平成二十八年度、平成二十九年度に実施し、安全で質の高い保育福祉環境を整えてまいりました。さらに、船津地区の大きな課題でありました築五十年を経過し、老朽化が顕著である「船津小学校」の改築事業は、本体工事に着手し、完成に向けて順調に工事が進捗しているところです。これらの事業実施により、町の将来を担う子どもたちのため、また、人口の継続的な維持に向け、子育て世代が安心して子どもを生み育てることができる良好な環境の創出を進めてまいりました。
次に、「未来の富士河口湖町を担う人材を創生する」ために、小中学校において、きめ細やかな教育指導を目的とした「町単独教諭の配置」や「町単独支援員の増員配置」などを実施し、パソコンを活用した授業における「学習支援ソフトの更新」や「タブレット端末」と「電子黒板」の導入に加え、新たに時代に即応した「デジタル教科書」を導入し、これらのICT教育を充実したことにより、児童・生徒の学習活動への積極的な参加や学習意欲、思考力、判断力などの向上に繋がっているものであると考えております。
また、友好都市である「スイスのツェルマット」との交流事業などの国際交流事業や観光振興支援事業並びに地元の健康科学大学、富士河口湖高校との連携や山梨大学との連携を強化し、様々な事業を展開することにより、基幹産業である観光産業の担い手や時代と地域のニーズにあった幅広いグローバルな人材の育成をさらに進めてまいりたいと考えております。
次に、「人の流れをつくり地域経済を創生し、地域に根ざした新しい雇用を創生する」主な新規事業として、精進・本栖地区等も含めた観光周遊バス路線の拡充や、富士宮市と連携した富士山西麓の観光活性化事業などを進めてまいりました。 
また、外国人観光客の誘客を目的に海外旅行代理店やメディアの招聘を行う「ファムトリップ」をはじめ、国内外に対する誘客事業を実施することや、四季折々の多彩なイベントを催行するなど国際観光地に則した各種事業の展開を行ってまいりました。
この他、町への移住定住支援・新築住宅奨励金の活用や空き家の有効活用、「地域おこし協力隊」の活動等により地方への移住促進を図るなど従来の事業を充実させてまいりました。
これらの事業により、町の基幹産業である観光関連産業の振興、発展、醸成による新たな雇用の創出や豊かな自然環境を活かした事業展開を望んでいる企業を県内外から誘致を図ることなどにより「国際観光地」にふさわしいインフラ整備や地元への就職や定住につながる事業の推進や観光・商工・農業が連携した産業の活性化を図ってまいりました。
次に、「将来にわたり活力あふれる地域を創生する」ための主な事業として、町のさらなる発展のためのインフラ整備として、景観に配慮した電線の地中化による道路整備である「富士登山道線道路整備事業」を進めているところであります。また、都市再生整備計画による河口多目的広場や長浜親水公園の整備をはじめとする「河口湖北岸地区整備事業」を完了いたしました。
また、地域住民や観光客など道路利用者の利便性、安全性の向上を図るため、国道一三九号線と精進民宿村を結ぶ「笈ノ峠七号線整備事業」や小立地区にある「八木崎公園」を地域住民の皆様の要望により、観光客等にも幅広く活用していただくための「リニューアル整備事業」も完了いたしました。
また、町民生活に最も密接した基幹的なインフラである生活道路の改修事業を、これまで以上に促進するために「道路長寿命化計画」により、国庫補助金、起債など効果的に活用を行い、町道や農道の改良や維持補修事業を進めて参りました。
これらの主要事業をはじめとして「地方創生」の理念を強く意識し、現在の諸課題の解決に向けて「しごと」が「ひと」を呼び、「ひと」が「しごと」を呼び込む好循環と、その好循環を支える「まち」に活力が生まれることで、人々が安心して生活を営み、子どもを生み育てられる明るい社会環境を創出するため、強い信念と決断を持って、実効性のある施策を積極的に展開してまいりました。
これらも町議会議員各位をはじめ町民の皆様と共に将来を見越した施策を地道に実践してきた成果であると認識しております。今後も現状を見据えながら町発展のため、効果的な政策を積極的に展開してまいる所存であります。
 
次に平成三十一年度を迎えるに当たり、新たな取り組みの代表的な部分を御説明申し上げます。
これまで、子どもを「生み・育むことに優しい環境を創設する」ための施策の一環として、保育所給食費無料化、高校三年生までの医療費の無料化等を実施してきたところですが、平成三十一年度からは新たな取組として、任意予防接種の内、生後六か月までの乳児に対するロタウイルスワクチン接種について二回分一万四千円を助成し、一歳児及び年長児に対するおたふくワクチン接種について、それぞれ三千円を助成することとしました。
また、保育環境の充実のため平成三十年度からの繰り越し事業となりますが、空調設備のないすべての保育所に整備を進めることとしました。
次に教育環境の充実です。
私立幼稚園に通園する保護者に対して、所得段階に応じて補助を行っている「私立幼稚園就園奨励費補助金」につきましては、これまで国の基準と比較して六分の一程度となっていたものを、平成三十年度に各階層の補助額を三倍とすることとしました。これにより基準額の約二分の一に引き上げることができました。三十一年度からは国の基準に合わせた補助額とします。また、給食費の補助につきましても、月額二千円から四千円として、保育所の給食費補助とほぼ同額とし、幼稚園に就園する保護者の負担軽減を図っていくこととします。
また、小中学校の給食の充実と保護者の負担軽減の観点から学校給食に対する補助金を平成三十年度にこれまでの一食あたり二十円から五十円に引き上げましたが、三十一年度にはさらに五十円引き上げ、一食あたり百円を補助することとしました。安全で安心できる学校給食の充実に努めて参りたいと考えております。
また、平成三十年度からの繰り越し事業となりますが、空調設備の無いすべての学校に整備を行ってまいります。
 
次に老人福祉の充実であります。
老人福祉施策は、多くの事業を展開しているところですが、平成三十一年度から、七十五歳以上の高齢者のみ世帯または七十五歳以上の一人暮らし世帯に対して、路線バスのシルバー定期券購入助成または、タクシーの初乗り乗車券を月二枚配布し高齢者の外出の支援を行って参ります。
 
次に災害対策の強化であります。
平成三十年度、三十一年度の継続事業として防災無線のデジタル化事業を行っていますが、完成後は多様な伝達手段が確保できるものと考えております。
また、災害弱者の避難支援策として、避難行動要支援者名簿作成及び避難計画の作成に資するため、「避難行動要支援者システム」を導入し、有事に正確かつ迅速な情報を関係者に提供し、避難支援をより実効性のあるものにしていきたいと考えております。
さらに、災害発生時の不測の事態に備えて、現地及び周辺状況確認用に偵察用資器材(ドローン)を導入し、様々な状況で運用するとともに、平常時においても有効利用するよう利用法を検討してまいります。
 
次に地域振興施策についてであります。
河口湖自然生活館は、富士河口湖ふるさと振興財団が指定管理を行っていますが、振興財団が管理する施設の中で最も収益を上げている施設であり、集客数も年々増加していることから手狭となっております。
そこで、温室部分を売店・喫茶・展望室・事務所を兼ねた二階建ての建物に改築し、全体の売り場面積を増やしながら、既存部分のトイレを増やす改修工事を行います。観光客が滞留しやすい環境を整え、一層の収益の向上と地域振興を図ってまいりたいと考えております。
また、小立地区のくぬぎ平スポーツ公園の運動場は、現在土のグラウンドとなっており、県外からの合宿等の利用が年々減少しております。冷涼な気候に恵まれ夏の合宿地には最適な本町ですが、土のグラウンドのみのため近年では合宿地として選定されなくなっています。
そこで、広大な面積を誇る運動場を人工芝化して再度夏の運動合宿で盛況であった状態を復活し、町内の小規模な宿泊施設の活性化を図りたいと考えており、平成三十一年度にその実施設計を行うこととしております。
 
それでは、今議会に提出いたしました議案について御説明いたします。提出案件は全部で四十九件であります。内訳は、条例の新規制定が一件、条例の一部改正が五件、町道の路線廃止が一件、特別会計の補正予算が八件、一般会計補正予算、平成三十一年度当初予算は特別会計予算が三十二件と一般会計予算であります。
そのうち、平成三十年度一般会計補正予算(第八号)について御説明いたします。
今回の補正は、既定の歳入歳出予算の総額から一億四千九百四十二万九千円を減額し、歳入歳出の総額を百三十億二千六百二十八万一千円とするものです。
繰越明許費につきましては、追加分として二事業をお願いするものであります。
地方債の補正につきましては、変更分として公共事業等債の道路整備事業債の補正をさせていただくものです。
歳入の主なものを御説明いたします。
歳入の主なものは、使用料及び手数料五百十五万三千円、国庫支出金九千八百三十四万円、県支出金一千七百六十二万二千円、町債二千九百六十万円等の減額です。事業費の確定による減額が主な要因となっています。
歳出の主なものは、財産管理費は、積立金五十一万一千円の増額で、企画費は、企業立地促進事業奨励金五百七万七千円、地方バス路線維持費補助金二百四十八万一千円の増額です。
電子計算費は、マイナンバー制度の改正に伴うシステム改修委託金七百四十万二千円の減額です。
選挙費は、県議会議員選挙費二百十万八千円の増額となっています。
道路維持費は、工事請負費等国庫補助事業の確定により八千二百六十九万九千円の減額、道路新設改良費も同様に二千五百二十四万三千円の減額です。
その他は、平成三十年度の事業費が確定したための不用額見込額を計上させていただきました。
 
続きまして、平成三十一年度の一般会計歳入歳出予算の概要について御説明いたします。
 歳入歳出予算の総額は、歳入歳出それぞれ百三十一億九千八百万円であり、前年度比較十五億九千八百万円の増額で過去最高額となっています。これは、船津小学校増改築工事の工事費のほとんどが三十一年度に掛かることによるものです。 
まず、歳入の主なものを御説明いたします。
町税は、四十三億九千四百七十六万三千円、地方消費税交付金五億一千万円、地方交付税二十二億一千万円、国庫支出金十三億六千五十九万二千円、県支出金五億二千三百四十三万七千円、町債二十二億六千二百十万円等を計上しました。
次に、歳出の主なものを御説明いたします。
総務管理費は、積立金四億一千八百七十一万四千円、東京オリンピック・パラリンピック誘致事業費一千六百三十六万八千円、国際交流事業費七百二十八万七千円などを計上しました。
消防費は、消防団員報酬五百六十九万五千円、河口分団消防タンク車購入事業費二千五百万円などを計上しました。
災害対策費は、防災行政無線更新事業費三億二千四十八万二千円などを計上しました。
社会福祉費は、高齢者外出支援事業費三百五十万四千円、介護給付・訓練等給付事業費三億五千万円、重度心身障害者医療費助成事業費七千八百万円、心身障害児者福祉手当支給事業費二千四百万円、自立支援医療費助成事業費三千八十万円などを計上しました。
児童福祉費は、放課後児童健全育成事業費二千八十二万一千円、子育てサイト運営事業費百九十四万四千円、ひとり親家庭医療費扶助事業費一千五百万円、町内保育所運営事業費六億八千三百四十六万五千円などを計上しました。
保健衛生費は、ようこそ赤ちゃん事業・不妊治療費助成事業費五百二十五万円、高校三年生までの子ども医療費助成事業費一億円、ロタウイルス・おたふくワクチン接種助成事業に五百万円などを計上しました。
農業費・林業費は、河口湖自然生活館改修工事費一億八百九万円、有害鳥獣駆除事業費・防護柵設置補助事業費七百六十万円などを計上しました。
商工費・観光費は、観光周遊バス路線拡充運営補助など観光拠点・施設整備事業費一千百三十五万一千円、観光宣伝事業・国際観光推進事業費三千三百三十万六千円、観光立町推進事業、富士山西麓観光連絡事業など観光立町推進事業費八百十四万円などを計上しました。
道路橋梁費は、LED外灯設置事業費三百五万四千円、道路台帳整備事業費二百五十七万一千円、道路舗装修繕工事費、除雪作業委託料など道路維持事業費二億六千五百三十七万六千円、町道新設改良事業費五千百三十万円、富士登山道線道路整備事業費一億四百万円などを計上しました。
都市計画費・運動公園整備事業費・住宅費は、くぬぎ平スポーツ公園のクレイから人工芝化への設計委託料等二千百万円、住宅リフォーム補助事業費二百万円、雇用促進住宅購入事業費九百四十三万二千円などを計上しました。
学校教育関連事業は、町単英語教諭の配置など教育センター事業費二千十五万円、町単教諭配置事業、町単支援員配置事業、学校施設整備事業など小学校管理費一億八百九十四万八千円、パソコン設置事業、デジタル教科書導入事業など小学校教育振興費四千四百九十万一千円、船津小学校増改築事業費十九億三千八百七十八万八千円、外国語指導助手配置事業、中学校町単教諭配置事業など中学校管理費二億三千八百十八万六千円、中学校パソコン設置事業、デジタル教科書導入事業、双龍太鼓活動補助事業など、中学校教育振興費一千四百九十四万三千円などを計上しました。
社会教育関連事業は、放課後児童健全育成事業費、家庭教育事業費、青少年教育事業費、図書館事業費など二千百六十九万九千円、体育施設各種工事費三百十七万一千円、地域文化振興事業費二百九十四万円、ステラシアター運営事業費三千三百六十万円などを計上しました。
 
以上、雑駁な説明で恐縮ですが、本定例会に上程しました 平成三十年度一般会計補正予算(第八号)と平成三十一年度一般会計予算の説明とさせていただきます。 詳細な内容や特別会計につきましては、本会議並びに予算特別委員会におきまして担当課長から説明をさせていただきますので、ご審議のうえご議決を賜りますようお願い申し上げます。

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