平成26年9月議会 施政方針

 本日ここに、平成26年第3回富士河口湖町議会定例会が開会されるに当たり、私の所信の一端を申し述べさせていただくとともに提出致しました案件のうち、主なものについて、その概要を説明させていただき、議員各位並びに町民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げたいと存じます。

 8月20日未明に広島市で発生した大規模な土砂災害により甚大な被害が発生したことを踏まえ、土砂災害警戒区域を多く抱える当町も教訓として重く受け止め、これまで以上に警戒し、安全対策のより一層の強化を図るとともに、災害の未然防止に万全を期するよう適切な対応が求められています。そこで、町では想定外を踏まえて少しでも危険性があると判断した場合は、迅速かつ積極的に避難を促す情報を出すことや、その避難先を優先的に確保することを再確認しました。
また、一方で住民の皆様は、自分の住む地域にどんな危険性があるのか、避難場所はどこなのかを再認識していただき、行政側とともに「想定外」を減らす取り組みを進めていくことが重要であると考えています。
 また、当町には、土砂災害警戒区域が251ケ所在るため、当該区域に在住する方々が認識を高めていただくとともに、行政側も危険を回避できるよう最善の方策を講じていくことが肝要であると考えています。そこで、大石地区では、山梨県事業として、急傾斜地崩壊対策工事に係る測量・地質調査・実施設計を行っており、地元の承諾を得ながら、平成27年度に工事着手の予定となっています。また、河口地区寺川上流の砂防ダム改築工事については、既に工事に着手している状況であります。
 災害時には情報の発信が強く求められていることから、2月の大雪災害を教訓に防災無線、ホームページ、CATV、フェイスブック、安心安全メール、エリアメール等で情報提供を行ってきましたが、今般、その機能拡充策として河口湖CATVの御協力により、防災無線の内容が音声とテロップで放送できるシステムが構築され試験放送が実施されました。さらに、FMコミュニティ放送局を誘致することとなり、FM放送の普遍性、即時性を活かした防災情報伝達の補完的な役割を果たすものと大いに期待しているところであります。今後とも、住民の皆様と共に安心で安全に暮らせるまちづくりの構築を目指した防災・減災施策を最優先課題として取り組んで参ります。

 次に、福祉ゾーン整備事業である居宅介護施設・社会福祉協議会事務所建設工事は、8月19日に請負金額288,360,000円で契約が締結され、平成27年3月末の竣工を目指して工事を実施しています。
 また、船津福祉センター改築及び芙蓉の湯改修工事は、7月2日に請負金額96,120,000円で契約が締結され、平成27年1月末が竣工予定となっています。これらの事業を遂行するうえで、各地区の貴重な財産区財源のご支援を賜ったことについて、改めて深く感謝申し上げます。

 次に、保育所の整備方針については、現状と課題を踏まえ、社会動向や多様な保育要請、地域の特性に対応した整備を計画的に取り組むため策定した「保育所整備計画」をもとに、統廃合も視野に入れ、全保育所を一体的に捉え、各保育所の状況、保育所ニーズなどを検証し、保育所サービスの内容との整合性を図りながら整備を推進していく計画となっています。
その中の喫緊の課題として、老朽化が著しい船津保育所の整備事業が挙げられるため、その実現に向け優先課題として検討していく所存であります。

 次に、子ども・子育て支援事業計画策定事業については、24年8月に日本の子ども・子育てをめぐる様々な課題を解決するために、「子ども・子育て支援法」が制定されました。この法律と関連する法律に基づいて、幼児期の学校教育や保育、地域の子育て支援の量の拡充や質の向上を進めていく制度が来年4月にスタートすることに備え、利用希望を把握するための「ニーズ調査」を実施し、その結果を踏まえ、「富士河口湖町子ども・子育て会議」のなかで、具体的な事業について検討を進めているところであります。町の大切な全ての子どもたちが、笑顔で成長していくため、すべての家庭が安心して子育てができ、育てる喜びを感じられるための新制度にスムーズに移行できるような体制を着実に整えて参ります。

 次に、観光まちづくり推進施策については、昨年度富士河口湖町観光立町推進後期基本計画を策定し、観光まちづくりの目指す方向を定め、その具現化に向けて取り組みを進めています。そのなかで法人化も視野に入れた観光連盟の機能強化施策を具体的に推進するために観光推進組織と観光行政の望ましい連携のあり方やこれからの観光推進組織に求められる事業内容と組織体制のあり方を明らかにし、効果的で実効性の高い観光まちづくり推進体制を定める検討を行っており、本年度中に取りまとめる予定としています。引き続き、観光立町に相応しく、足腰の強い観光産業に育てていきたいと考えています。
 また、国際観光対応充実事業として、多言語化推進や接遇講習などによる外国人観光客の受け入れ環境整備を進めている状況です。先般、国の事業と協調しながら広域エリアでの外国人対応推進を図ることが決まったことにより、今後は、国や県それぞれの事業内容を調整しながら積極的に町の外国人観光客受け入れ環境整備に取り組んで参ります。

 次に、秋の行楽シーズンを控え、昨年課題となったトイレ不足の解消のため、河口地区の紅葉祭りの会場への清潔感のある水洗仮設トイレの設置や西湖南公衆トイレ建設工事及び既存トイレの洋式化工事に向け事業を進めている状況です。

 次に、富士ケ嶺バイオセンター生活環境アセス委託事業ついては、可燃ごみ処理量の軽減の施策として計画している当施設での食品残渣の処理に向けての生活環境影響調査を実施した結果、「周辺の生活環境に与える影響の程度は軽微であると評価する。」というものであり、歳出削減の大きな鍵となる施策の早期実現に向けて努めていきたいと考えています。

 次に、富士ケ嶺実験農場の活用状況については、富士ケ嶺農林畜産物生産組合の御協力をいただきながら、野菜・果樹などの試験栽培を進めています。河口湖レタスは、植え付けを終了しており、10月の収穫を目指しています。また、ブルーベリー・ハスカップ・カシス・ザクロ・桑の実などの果樹は、今月下旬に植栽し、収穫後の果実は、当組合でジャムなどの新たな特産加工品として生産・販売に取り組んでいく予定であります。

 「煌めく青春 南関東総体」の愛称のもと、7月末から8月中旬まで、本県、東京都、神奈川県、千葉県で平成26年度全国高等学校総合体育大会(インターハイ)が開催され、本町では、河口湖でのボート競技と精進湖でのカヌー競技の二種目が行われました。ボート競技は、7月30日の河口湖ステラシアターでの開会式に始まり、7月31日から8月3日までの4日間に921名の選手による熱い競漕が行われ、本県選手は入賞には届きませんでしたが、地元の皆さんの声援に応える健闘をしてくれました。カヌー競技は8月6日に西浜中学校の迫力ある太鼓の演出による開会式に始まり、8月7日から9日までの3日間に599名の選手たちによる競技が行われました。富士河口湖高等学校の渡辺えみ里選手が優勝という重い重圧とけがを克服し、悲願の栄誉を勝ち取るなど、各選手が奮闘し六種目で入賞をするという快挙を成し遂げました。心よりエールを贈りたいと思います。そして、多くの感動を有難うございました。また、大会補助員として、運営に積極的に携わっていただいた高校生の熱意と大会関係者をはじめとする多くの町民の皆様の心からの御支援と御協力に対して深く感謝するとともに厚く御礼申し上げます。

 次に、河口湖南中学校校舎改築事業の進捗状況についてご報告いたします。普通教室棟と特別教室棟は既に供用開始しており、現在、既存特別教室棟の解体工事と校舎南側外構工事を実施しています。今後は、給食棟改築工事を9月に着工し、平成27年6月の竣工を予定しています。その後、既存給食棟を解体し、校舎北側外構工事を平成27年の11月までに完成する計画となっています。ご近所の皆様には多大なご迷惑をお掛けするとは存じますが、何卒御理解と御協力を御願い申し上げます。

 平成24年度から実施している小中学生を対象にした富士登山学習を8月7日から8日に行い、児童・生徒25名と渡辺玉枝さんなどの支援スタッフ十名が参加しました。この貴重な体験を機に世界遺産富士山と郷土への愛着を一層深め、今後の人生の糧にしていただくことを期待します。

 時代に対応した学習環境の整備の一環として、学習支援システムの導入を積極的に推進していますが、9月1日には船津小学校にタブレット端末を40台配備しました。今後は、ICTの推進による学習の向上を図るため、更に教育機器を充実させ、授業の効率化に努めて参ります。また、教職員を対象とした研修会を実施し、質の高いIT教育の実践を目指して参ります。

 次に、いじめ防止のための対策については、国及び地方公共団体等の責務を明らかにするとともにその対策に関する基本的な方針の策定や基本となる事項を定めた「いじめ防止対策推進法」が施行されたのを受け、本町においては、国や県が定めるいじめ防止等のための基本的な方針を斟酌し、さらなるいじめの防止、早期発見及び対処のための対策を総合的かつ効果的に推進するため、本年3月に「富士河口湖町いじめ防止基本方針」を策定し、その取り組みの一層の充実を図っていくことを目的に、今般、「富士河口湖町いじめ問題対策協議会等要綱」を制定し、協議会を設立いたしました。いじめはどこの学校や集団にも、起こり得る、児童生徒の心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与える問題であるという認識を持ち、いじめは絶対に許さないという強い姿勢で、関係機関と連携体制を再構築し、児童生徒一人ひとりが健やかに成長していくことができる環境づくりに努め、心豊かでたくましい児童生徒の育成を目指すため、いじめ防止対策に強い決意で取り組んで参ります。

 次に、通学路の安全対策については、子どもたちの登下校時の安全・安心確保のため策定した「富士河口湖町通学路交通安全プログラム」により、国、山梨県、警察署と合同点検した結果をもとに検証した後に早期に対策を立案し、対応を図って参りたいと考えております。

 次に、勝山地区公民館建設事業については、町村合併時以降、勝山地区住民の意見を集約した陳情書が提出されたことを受け、検討を重ねた結果、当地区にはふれあいセンターはあるが、町全体で使う施設であり、行事や会議などがあるときは使えないため多くの地区住民は公民館を必要としていること。他の地区には地域の方が気軽に使える地区公民館があり、今後の少子高齢化等の時代背景を考えると地域コミュニティの充実は大変重要であること。地区の各種サークルが容易に活動できる拠点が必要であること。など、必要性や妥当性を総合的に勘案した結果、昨年度、建設する方針を決定し、議会の御承認を得て、今年度、実施設計を行い、平成27年度に建設工事を実施する予定となっています。今般、勝山財産区のご協力を得て、駐車場を含む建設用地費を補正予算に計上させていただきました。勝山地区の皆様の念願である当事業を計画的かつ円滑に推進していくために御理解と御協力を御願いいたします。

 次に、富士山世界文化遺産保全の取り組み状況については、昨年6月に第37回世界遺産委員会において「富士山 信仰の対象と芸術の源泉」が世界遺産リストに登録されましたが、その際、同委員会から、山麓から山頂までの富士山全体の神聖さ・美しさが十分保全されていないこと等の指摘があり、平成28年2月1日までに保全報告書の提出を求められています。
 それを受け、関係者で構成する山梨県富士山世界文化遺産保存活用推進協議会では、資産の全体構想の実現に向けた方針・手法を協議しております。町に関連する事項は、〇湖の適切な利用や修景 〇標識や案内版 〇電柱 〇大規模太陽光発電設備への対応 〇情報提供戦略等であり、多くの構成資産を有する当町では、それら諸課題を期限までに解決するため、真摯に取り組んでいる状況です。末永く「世界遺産のふるさと」としての誇りを持ち続けていくために、町民の皆様や関係者とともに、一層の努力をしていかなければならないと考えております。引き続き、深い御理解と御協力を切にお願い申し上げます。

 次に、平成25年度一般会計の決算状況についてご報告いたします。歳入総額は11,098,565,000円、歳出総額は10,479,976,000円となり、実質収支額は、602,081,000円の黒字となりました。歳入の主な項目のうち基幹的財源である町税は、前年度比較126,774,000円増額の4,103,780,000円であり3.2%増加し、地方交付税は前年度とほぼ同額の2,719,076,000円で、歳入に占める割合は24.5%となりました。国庫支出金は、普通建設事業費の減少により、前年度比較69,853,000円減少し、740,066,000円となり、県支出金は、前年度比較20,012,000円減少し、482,974,000円となりました。繰入金は、前年度比較61,360,000円増加の319,015,000円、地方債は前年度比較426,800,000円減少し、1,027,700,000円となりました。歳出については、扶助費の増加がある一方で、前年度までのまちづくり交付金事業(繰越事業)及び主要幹線道路の国庫補助事業が終了したことや、普通建設事業の繰越しにより約3%の減少となりました。
 平成25年度決算に基づく財政健全化判断比率のうち、実質公債費比率は、12.1%となり、対前年度比較で0.4%改善し、将来負担比率は、77.3%となり、対前年度比較で15%改善しました。
これらの決算状況を踏まえた今後の財政運営については、今年度から合併算定替の激変緩和期間となり、地方交付税の減額が始まるなど依然として厳しい財政運営が続くことから、更なる自主財源の確保が重要な課題となるため、様々な視点から財源確保に努め、総合計画後期基本計画や財政基本計画と十分な整合を図りながら、複雑かつ多様な住民の要請に応え、適切に機能を果たすために財政運営の健全性を堅持していくよう更なる努力をして参る所存であります。
 自主財源確保の対策として、町では財源の基幹となる町税の確保のため、町税の滞納削減策として第2次アクションプランを策定しました。収納率の向上・滞納額の削減は、町財政の運営及び税等の公平性の観点から極めて重要であるため、継続して滞納整理の強化に努めて参りたいと考えております。
また、持続可能な行財政運営を行うための財政基本計画の進行管理につきましては、アクションプランに則り個別の実施事項と主要事業のヒアリングと検証を行い、平成27年度当初予算に反映していく予定としています。
 結びとなりますが、急速に変革している社会情勢に即応した・国土強靭化政策・公共施設等の総合的かつ計画的な管理による老朽化対策・地方創生・人口減少対策など、国の様々な施策に迅速に対応していくため、全庁的な体制で行政施策の実現に向け力強く推進して参る所存であります。町民の皆様並びに議員各位の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。

 
 
 それでは、今議会に提出いたしました議案についてご説明いたします。

 提出案件は全部で52件でございます。内訳は報告が1件、条例の制定が3件、決算認定が33件、特別会計補正予算が14件及び一般会計補正予算でございます。

 提出案件のうち平成26年度一般会計補正予算(第6号)の概要についてご説明いたします。
今回の補正は、歳入歳出予算の総額に423,923,000円を追加し、総額を11,637,397,000円とするものであります。

 歳入の主なものをご説明いたします。

 地方交付税は、63,141,000円を増額し、合計2,379,141,000円といたしました。
 
 国庫支出金は、臨時福祉給付金事業補助金6,000,000円、がんばる地域交付金10,114,000円、避難路沿道建築物耐震診断補助金3,775,000円をそれぞれ増額しました。

 県支出金は、農地台帳システム整備費補助金896,000円、鳥獣害防除事業補助金1,011,000円をそれぞれ増額し、森林病害虫等駆除費補助金332,000円を減額しました。また、富士の国やまなし観光施設費補助金2,200,000円、避難路沿道建築物耐震診断補助金2,831,000円、景観形成支援事業費補助金2,000,000円を増額しました。

 繰入金は小立財産区繰入金400,000円と勝山財産区繰入金10,283,000円を増額しました。
 
 繰越金は、230,504,000円を増額しました。

 雑入は、県道工事に伴う建設工事補償費と用地補償費70,000,000円を計上しました。

 町債のうち、合併特例事業債は、2,500,000円を増額し、臨時財政対策債は、10,000,000円を減額し、辺地対策事業債は28,600,000円を増額しました。

 次に、歳出の主なものをご説明いたします。

 総務費のうち財産管理費は、除雪機購入費1,600,000円と財政調整基金積立金100,000,000円及び減債基金積立金52,000,000円を増額しました。税務総務費は、税還付金1,000,000円を増額しました。

 民生費のうち社会福祉総務費は、居宅介護施設備品購入費25,000,000円を増額し、老人福祉費は、後期高齢者医療広域連合負担金36,653,000円を増額し、臨時福祉給付金給付事業費6,000,000円を増額しました。

 衛生費のうち保険衛生総務費は、国民健康保険特別会計繰出金1,113,000円を増額しました。予防接種事業10,647,000円を増額し、景観保全費は、太陽光発電システム設置補助金を8,000,000円増額しました。塵芥処理費は、不燃物処理施設補修工事費1,300,000円を増額しました。

 農林水産業費のうち農地費は、富士ケ嶺地内鳥獣害防止柵復旧工事費3,370,000円を増額しました。

 商工費のうち観光費は、西湖南公衆トイレ追加工事費3,000,000円、富士山雪まつり運営補助金1,500,000円を増額しました。

 土木費のうち道路維持費は、道路補修工事費9,000,000円、道路新設改良費は、船津地区急傾斜地対策工事、船津地区道路拡幅改良工事、河口地区県道改良工事に伴う町道改良工事など合計87,400,000円と大石地区、富士ケ嶺地区農道舗装補修工事費2,500,000円を増額しました。

 都市計画費は、山梨県富士山世界文化遺産景観形成支援事業4,000,000円を増額しました。住宅総務費は、避難路沿道建築物耐震診断補助金9,438,000円を計上しました。

 消防費のうち消防施設費は、消防関連備品等1,718,000円と備蓄品や備品等災害対策費3,446,000円を増額しました。

 教育費のうち公民館費は勝山公民館建設用地購入費40,980,000円を計上しました。

 以上雑駁な説明で恐縮ですが、本定例会に上程しました平成26年度一般会計補正予算(第6号)案の概要ついて説明させていただきました。詳細な内容や特別会計につきましては、本会議において担当課長から説明させていただきますので、ご審議のうえ、ご議決を賜りますようお願い申し上げます。

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