平成27年12月議会 施政方針

    本日ここに、平成二十七年第四回富士河口湖町議会定例会の開会にあたりまして、私が町長就任後の初議会となりますことから、町政を担当させていただくにあたっての所信の一端を申し上げさせていただくとともに、本定例会に提出いたしました議案のうち、主なものにつきまして、その概要を申し延べ、議員各位並びに町民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げたいと存じます。

 
   去る十一月二十二日に執行されました町長選挙におきましては、多くの町民の皆様から温かいご支援とご厚情をいただきまして、当選の栄誉を賜りましたことを深く感謝申し上げる次第であります。今、ここに登壇いたしまして、あらためて町長の責務の重大さを痛感いたしております。

  私は、これまで三十五年間町役場職員として、また、六年間町議会議員として、皆様とともに町政の一端に参画してまいりました。その間多くの住民にお会いする機会がありましたが、選挙の洗礼を受ける立場で町民に直接触れ合い、生の声を聞いて、あらためて政治を志すものの自覚と町民が何を求めているのかを身にしみてひしひしと感じるとともに、日を追う毎に責任の重大さで身の引き締まる思いであります。今後は今日の潜在的な停滞感、閉塞感を払拭すべく「新しい風」を意識しながら、町政発展のため、誠心誠意、渾身の努力をしてまいる所存であります。

 五年後、十年後の富士河口湖町が豊かに充実した町になるように、この町に住んでいる誇りを持てるように未来志向のまちづくりを実践してまいります。そのためには、「力強い経済」と「魅力ある文化」のまち富士河口湖町の創生を町民の皆様とともに推進していきたいと考えております。赤ちゃんからお年寄りまで、この町に住むすべての人、世界各地からこの町を訪れるすべての方がこの町の主役です。私は皆様それぞれの生活が充実し、「誰もが笑顔で暮らせるまちづくり」を主役であるすべての皆様とともに進めてまいります。
 
 少子高齢化社会に入った現在、幾多の苦難を乗り越えて今日の輝かしい富士河口湖町を築き上げていただいたお年寄りの皆様がいつまでも安心して暮らせるあらゆる面での環境を計画的に整えてまいります。また、町の宝であり、町の未来を担う子どもたちに積極的な投資を行っていきたいと考えており、道路や建物を造ると同じように、正しく、教育は公共事業のなかで最たるものであると位置づけております。

  その当面の具体的な施策は、子育て世代への支援として高校三年生までの医療費の無料化の早期実現、保育所の給食費無料化の計画的な推進、また、保育・教育環境の整備として船津保育所・船津小学校の改築事業の早期着工や、他の保育所や小中学校の改修・改善など優先順位を見極めて着実に実行してまいります。

   それでは、ここで町民の皆様方とお約束した事項を申し述べさせていただきます。
 一つ目として、「ワンランク上の観光地への施策」であります。
  観光客の個人消費額の向上・外国人観光客の拡大・国際的なイベントであるオリンピック、ラクビーワールドカップ、MICEなどの誘致・リニア新幹線の活用やヘリポートの整備などラグジュアリー観光への施設整備、中央高速道路小仏トンネルの早期整備による首都圏からの観光客の誘客など、日本を代表する「国際観光地富士河口湖町」として、質の高い魅力ある観光地づくりを進めてまいります。
 
  二つ目として、「ニーズに合った少子化対策」であります。
  少子化の大きな課題である未婚化や晩婚化の対策として、出会いの機会を増やす婚活の推進・子どもを望んでいる方への支援の拡大策として「ようこそ赤ちゃん事業」の普及促進するための妊活の支援・保護者の皆様の生の声を反映させた保育環境整備など総合的な子育て環境の充実など、「この町の未来を担うのはこの町の子どもたちであり、子どもの力は未来の町の力であること」を念頭に少子化対策に積極的に取り組んでまいります。
 
  三つ目として、「官民連携の高齢者福祉施策」であります。
  これまでの多くのノウハウや経験を社会に還元していただき「生きがい」を持った社会生活を支援するためのシルバー人材センターの活用・いつまでも健康な体と心を維持していただくため、健康診断、健康教室の継続的な実施やスマイルサロンなど憩いの場所の提供及び支援・健康科学大学と連携した事業の推進など、今の町の発展は先輩方の努力の賜物であることから、生きがいが持てる高齢化社会の実現を目指していきます。

 四つ目として、「未来志向の商工業・農業施策」であります。
  町の基幹産業である「観光産業」のさらなる活性化、・河口湖商工会、金融機関との連携を強化した商工業の経済活性化支援、・魅力ある特産品開発の支援事業の実施、・地場産業の支援による雇用の拡大を中心とした地域経済の活性化を進めて、観光・商工・農業が連携した産業の活性化による町の魅力を引き出していきます。

 五つ目として、「スポーツ・文化・教育の振興施策」であります。
  クラブ富士山の事業の推進、様々な青少年スポーツクラブの支援強化などスポーツの振興、・美術館、ステラシアター、円形ホール等での事業の実施や民間による文化振興事業の支援等の文化の振興、・教育センターと連携した小中学校の支援や富士河口湖高校、健康科学大学の支援などを行い、健康で充実した質の高い生活を送るためにスポーツ・文化・教育の振興を進めてまいります。

 六つ目として、「世界遺産富士山と共に行う地域振興施策」であります。
  二〇一六年のイコモスへの保全状況報告書の提出や富士山の魅力の発信への全面的な協力による富士山の価値の証明、・諸外国の世界遺産と連携した保護や活用、・子どもたちへの「世界遺産教育」やこの町に住む誇りを生みだす事業の実施など、世界へ発信する誇りある富士河口湖町を目指して、世界遺産富士山の魅力や価値を守り育み、地域活性化の原動力につなげてまいります。

 さらに、当町は四つの湖を抱えた日本を代表する風光明媚で恵まれた自然環境を有した世界遺産のまちとして、その特徴や冷涼な気候など好条件を活かした「スポーツタウン富士河口湖町」を目指していきたいと考えております。東京オリンピック・パラリンピック・ラクビーワールドカップなど、日本をはじめ、世界各国チームの事前合宿を誘致することにより、当町の魅力を全国に、さらに世界に発信していく絶好のチャンスであると期待しているところであります。開催まで既に秒読み段階であるため、施設のインフラ整備をはじめ、受け入れ態勢などについて関係機関と調整・協議を図りながら迅速かつ計画的に実行していきたいと考えております。

  なお、これは一過性のものではなく、将来にわたって永続的に活用していただくことで、はじめて町の振興につながっていくものであります。一度訪れていただいた方が再度訪れたいという気持ちになっていただくためのソフト面での拡充策も今後の大きな課題であると思っております。

  また、これらの政策を実現する原動力は、町役場職員であります。申すまでもなく、住民全体の奉仕者としての使命を再認識したうえで、常にコスト意識と住民サービスの向上を目指し、創意と工夫、英知と不断の努力により、町民の信頼に応えられるよう個々の能力を最大限発揮して職務に励んでいただくことを念願するものであります。

  結びとなりますが、町村合併をはじめ、観光立町の確立、企業誘致、富士山世界文化遺産登録、福祉・教育施策の展開など数々の功績を残された先代の小佐野常夫町長、渡辺凱保町長の卓越した行政手腕に対しては心から敬意を表するものであります。その培われた貴重な社会基盤にさらに磨きをかけ、町民の皆様にこの町の素晴らしさを実感していただくとともに、誇りを持っていただけるような町にするため、絶えず可能性を追求し、町民の福祉の充実と、満足度の高い、信頼される行政運営に努め、「すべての町民の皆様が笑顔にあふれ、将来に希望が持てる富士河口湖町」の実現に向け精魂を傾けてまいりますので、町民の皆様並びに議会議員各位の格別の御支援とご協力を切にお願い申し上げます。


  それでは、今議会に提出いたしました議案について御説明いたします。
  提出案件は全部で十七件であります。内訳は、町有施設の指定管理者の指定についてが一件、条例の新規制定が一件、条例の一部改正が五件、新町建設計画の変更について、町道の路線認定について、請負変更契約が二件、特別会計補正予算が五件及び一般会計補正予算であります。
  そのうち、平成二十七年度一般会計補正予算(第十号)について御説明いたします。
  今回の補正は、既定の歳入歳出予算の総額に一億三千五百九万五千円を追加し、歳入歳出の総額を百十六億九十万一千円とするものです。
  繰越明許費については、登山道線道路整備事業と河口湖北岸地区整備事業の二つの事業について翌年度に繰り越しをお願いするものです。
  地方債の補正については、合併特例事業債のうち、福祉施設整備事業債の補正をさせていただくものです。

  歳入の主なものを御説明いたします。
地方交付税六千七百七十五万二千円、国庫支出金一千七百四十二万五千円、県支出金一千四百四十六万八千円、諸収入二百二十五万円、町債三千三百二十万円をそれぞれ増額いたしました。

  次に、歳出の主なものを御説明いたします。
  総務費のうち、税務総務費については、個人住民税還付加算金を百五十万円増額しました。
  民生費のうち、社会福祉総務費については、介護給付・訓練等給付費、地域生活支援事業等の扶助費三千百五万円、国庫支出金返還金百八十五万円、老人福祉費については、老人ホーム入所助成金三百万円、福祉センター費については、小立福祉センター改築に伴う備品購入費二百万円、母子福祉費については、ひとり親家庭等医療費助成金二百五十万円をそれぞれ増額しました。保育所費については、管外保育委託費を三百万円減額し、私立保育運営費の委託料七百五十万円、船津保育所実施設計委託料三千五百万円を増額しました。
  衛生費のうち、保健衛生総務費については、子ども医療費助成金三千三百万円、清掃総務費については、ごみ袋の購入費二百万円、塵芥処理費については、不燃物処理施設補修工事費六百万円をそれぞれ増額しました。
  農林水産業費のうち、農業振興費は、農地中間管理事業補助金四百五十五万六千円を増額しました。
  商工費のうち、いやしの里運営事業費については、特産品原材料費百万円を増額しました。
  土木費のうち、土木総務費は、大石地区急傾斜対策事業負担金を四百五十万円減額し、道路橋梁費は、町内安全施設工事費百万円、道路維持費は、融雪剤購入費三百万円、町道除雪委託料三千七百万円、工事費百五十万円を増額しました。
公債費のうち、利子を三千八百万円減額しました。

  以上、雑駁な説明で恐縮ですが、本定例会に上程しました平成二十七年度一般会計補正予算(第十号)案の説明とさせていただきます。 詳細な内容や特別会計につきましては、各常任委員会におきまして担当課長から説明させていただきますので、ご審議のうえご議決を賜りますようお願い申し上げます。
 

   

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