平成26年12月議会 施政方針

    本日ここに、平成26年第4回富士河口湖町議会定例会が開会されるに当たり、私の所信の一端を申し述べさせていただくとともに提出致しました案件のうち、主なものについて、その概要を説明させていただき、議員各位並びに町民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げたいと存じます。
   
    国の2015年度予算に対する各省庁からの概算要求が出そろい、予算編成作業が本格的に行われている最中の先月21日に衆議院が解散されました。今回の衆議院議員選挙では、過去の政権2年間の主要施策である経済政策、原発の再稼働、特定秘密保護法の制定、集団的自衛権、外交政策の成果が問われるとともに、消費税率10%への引き上げの1年半先送りや財政再建、地方創生、少子化対策、女性活動推進等多くの課題が争点となると予想されますが、国民が心から幸福を実感できる具体的な政策を展開していただける政権の樹立を期待するものであります。
    また、県政においても横内知事が引退表明するなど、国・県ともに政治動向が混とんとする中で当町においても、翌年度の予算編成時期が到来しました。

  はじめに、平成27年度予算編成方針についてご説明いたします。平成26年度から地方交付税の段階的な縮減が始まっていることから、財政状況や将来の見通しが非常に厳しいことについて、共通認識に立ったうえで、創意・工夫の意識をもって対応することや限られた財源で最大限の事業効果を発揮するために、施策ごとの「重点化・効率化」を重視することはもちろん、前例に捉われない徹底した歳出構造の見直しと一層の歳入確保への取り組みを強く進めることや、また、確かな将来展望を持てるよう現在の課題と将来の不安解消を念頭に国・県の予算等の動向について、迅速に情報を収集し的確に対応することといたしました。

   予算編成は、年内に各課からの予算要求を行い、年明けから本格的な編成に入りますが、歳入面では、町税収入において法人税率の引き下げや固定資産税の評価替え等により増額を見込むことは難しく、また、地方交付税は、総務省概算要求における地方財政収支の仮試算では5%削減されていることや、さらに合併算定替の縮減額が増えるなど厳しいものになると考えております。

歳出面では、消費税増税に伴う負担増に加え、電気料金改定等による維持管理費の増加や社会保障関係費が更に増加することも見込まれるなど、財源の確保が一層厳しくなることが想定されます。
    このような状況下において、普通建設事業の絞り込みと厳選により、臨時財政対策債を除く町債残高を縮減し、将来世代への過度な負担を抑制することも求められている一方で、老朽化した町有施設維持管理等、将来の不安解消のための公共事業や町の更なる発展を期すためのインフラ整備なども必要不可欠であり、困難な舵取りを迫られているのが現状であります。
  その中で、地域の課題を解消し、地域の元気創造を推進するための平成27年度当初予算の主要事業については、社会基盤整備事業として、登山道線の国道から河口湖総合公園までの電線地中化と道路改良事業、「都市再生整備計画事業」は、河口地区の多目的広場などの整備を進め、さらに八木崎公園の改修事業についても進めてまいります。
    教育施設整備については、町民体育館耐震改修事業、町民運動場の夜間照明設備の改修や勝山地区公民館を整備してまいります。
    観光施設整備事業では、観光案内所の整備やハイキングコース整備事業を行い、さらに福祉関係施設整備事業では、福祉ゾーンの外構整備事業や小立福祉センターの改築事業も実施したいと考えております。また、山梨県と共同して東京オリンピック・パラリンピックキャンプ場等の誘致を視野に入れた本栖湖スポーツセンターの整備事業も進めてまいります。

    社会保障制度に要する費用や町有施設の維持管理経費など経常的経費や総合計画及び新町建設計画に基づく事業の推進をはじめ、地域産業振興・雇用拡大、少子化対策・子育て支援、まちづくり、福祉・教育の拡充、環境対策、災害への備えや安全で安心なまちづくり事業、さらには社会基盤整備事業など、取り組むべき事業は多岐にわたっております。歳入財源が限られているなかで、全ての事業に取り組むことは極めて困難な状況であることから、重点施策への集中的な財源投入や歳出構造を見直すこと、また、今後の国・県の施策の動向に細心の注意を払いそれを判断材料として見極めながら予算編成に臨む所存であります。

    次に防災・減災関連についてであります。土砂災害警戒区域を多く抱える当町に、御嶽山の噴火を教訓とした富士山噴火への防災対策という現実的な難題がのしかかってきました。これまでは議論が希薄であった登山者・観光客の安全対策をクローズアップさせ、富士山という活火山を抱える我々にとって他人ごとではではないことを再認識させられた事象でもありました。その対策として、「世界文化遺産富士山ヴィジョン」の中にも危機管理戦略として強調されており、富士山噴火の予知は非常に難しいなかで、避難経路の確保や情報伝達の仕組みづくりなど実効性のある施策を広域的に確立していかなければならないと考えています。
町では土砂災害警戒区域を有する五地区を対象に、地域防災計画や土砂災害ハザードマップ、発災時の町の体制や地区防災体制について地域の方々と意見交換を行いました。そのなかでご提言いただいた、砂防ダムの現状、地区防災マップの取り組み状況の報告や防災備蓄倉庫の充実、消防団へのヘルメットの充実等、地域の実態に即した多くのご意見を反映して、自助・共助・公助による防災体制の一層の充実・強化に努めてまいります。
また、今年2月の大雪を教訓として、大型除雪機のリースや小型除雪機の計画的な購入及び除雪経費の増額などを行うとともに、除雪業者との緊密な連携のもとに除雪体制の強化と拡充を図ってまいります。

    次に福祉関係についてであります。「小立福祉ゾーン整備事業」のうち、居宅介護施設と社会福祉協議会事務所の建設は年度内の竣工を目指して計画通りに進んでおります。当施設は、町に在住する高齢者等の住み慣れた地域での生活を支援するため、介護保険法に規定する通所介護、小規模多機能型居宅介護、及び介護予防小規模多機能居宅介護等を提供することを目的に設置する施設であります。町の福祉の拠点として、地域の福祉推進を図るために、社会福祉法人 富士河口湖町社会福祉協議会が指定管理者として管理運営を行うことが適当であると考えています。供用開始後は、積極的に情報提供を行い、・訪問・介護・宿泊を通じ、町民の皆様が生きる力を持ち続けられる支援ができる施設となるよう大きな期待を寄せているところであります。
 小立福祉センター改築事業については、検討委員会でのご意見を集約した実施設計が完成したことを受け、また、国庫補助事業として採択される見込みとなったことから翌年度の早期着工を目指し準備を行っております。
船津福祉センター改築事業については、長期間にわたり地域の皆様にご迷惑をおかけしておりますが、本体工事は概ね完成し、来年2月上旬に供用開始となる予定です。また、隣接の「芙蓉の湯」は、リニューアル工事終了後の来年3月上旬の使用開始を見込んでおります。地域の多くの皆様が有効に利活用していただくことを念願しています。
さて、急速な少子化・核家族化の進行と子ども子育て支援が質・量ともに不足している現状のなかで子育て家庭における孤独感・負担感の増加等が課題となっています。これらの現状から「子ども・子育て関連三法」が成立し、「子ども子育て支援制度」が平成27年4月から施行されます。町ではこれまでも富士河口湖町次世代育成支援地域行動計画を策定し、町で子どもを産み、生まれる喜びと育てる楽しさを感じとれるまちづくりを目指し、各種支援施策を実行してきましたが、新たに子どもに関する総合計画として「子ども・子育て支援事業計画」を策定し、平成27年度以降は、この計画に基づき、少子化の解消に向けて、質の高い幼児教育・保育のニーズに応じた子育て支援施策を計画的に実施してまいりたいと考えています。
また、放課後児童クラブについては、児童と保護者が安心して利用できる居場所として相応しい環境を整備していくことが求められています。児童の自己管理能力を育てていくとともに、発達段階に応じた主体的な生活や遊びが可能となるような支援や、児童を見守る視点を家庭と共有し合うことで、保護者が安心して子育てと就労を両立できるような体制を構築し、町の大切な財産である子どもの発達・成長と自立を促し、健全な育成を図っていく施策に取り組んでまいります。
船津保育所の整備については、老朽化や利便性が悪い状況等を斟酌するうえで、昨年度策定した「保育所整備計画」に基づき、保護者や子どもの多様なニーズに応え、保育所として、より良好な保育の環境整備を行っていくため、また効率的なサービスの充実を図っていくために「船津保育所整備計画検討委員会」を設置し検討を重ねてまいる所存であります。

    次に教育関係についてであります。町では、学力向上と学習意欲の向上を図るため、ICTを活用した学校教育を推進しております。本年度は、県内でも先進的な取り組みとして、新しい学習ソフトウェアの導入のはか、11月の臨時議会においてご承認いただいた、電子黒板機能付きプロジェクターを小学校4年生から中学校の全ての普通教室に配備することとなりました。
    また、船津小学校においては、タブレット端末40台を配備し授業での利用を試行しています。今後は、この成果を検証し、町立小中学校全校に計画的に配備してまいります。
常に、時代に即応した教育を進めるため、学習環境を整備し、児童生徒の学力向上を目指した教育施策を積極的に展開してまいります。
また、児童生徒の通学路の安全を確保するため、国土交通省、山梨県、警察署及び都市整備課との合同点検を実施しました。
本年度は、11の危険箇所について、山梨県、警察署、町の三者が連携し改善策を実施することとなりました。今後も引き続き通学路交通安全プログラムによる合同点検を実施し、子どもの安全対策の強化を図ってまいります。
 河口湖南中学校の改築事業については、現在、給食棟の建設を来年6月の完成を目指して進めています。また、テニスコート2面と弓道場の建設事業は、11月の富士河口湖町臨時議会、鳴沢村臨時議会、鳴沢・富士河口湖恩賜県有財産保護組合議会において、それぞれ貴重な財源負担のご承認いただき、昨日の河口湖南中学校組合議会でご議決を賜り、今年度中の完成を目指して事業を執行してまいります。
 船津小学校については、昭和35年に南校舎、昭和39年に北館が建設され、以来50数年経過したことにより、耐震改修工事は行われているものの、雨漏りなど校舎の老朽化が著しく、また、避難経路についても複雑な状況であり、児童の快適な教育環境と安全性を確保するためには、改築の必要性が高まっています。このような状況を踏まえ、今後は「船津小学校整備計画検討委員会」を設置し、財政状況等を勘案したうえで、様々な角度から理想的な船津小学校の在り方について本格的に検討を行っていきたいと考えています。
 
    次に観光関連についてであります。第3回富士山マラソンが12,824人の参加者を迎え成功裡に終了するなど、今年も様々な事業を展開してまいりました。合併後11年が経過し、富士山が世界文化遺産に登録されてから1年が経った現在、当エリアへの関心はますます高まっていますが、一方で求められる満足度レベルも上がっています。観光客のニーズ、旅行形態、来訪国の多様化など、当町を取り巻く状況は加速度的に複雑化しており、また、観光まちづくりの取り組みは全国各地で活発化、高度化していることから観光地間競争はさらに激化している状況です。
観光地のベースとなる多くの資源を有する当町においては、資源を保全し、魅力を高め、観光客ニーズを的確に把握したなかで、受け入れ環境を整え戦略的なプロモーションを行っていかなければならないと考えています。それには、専門性の高い観光推進組織と行政が行うべき業務の明確な役割分担と適切な連携体制の確立が必要となります。
人材の確保・育成、体制の拡充、財源の確保等の様々な課題を解消していくために「観光まちづくり推進体制検討会議」を設置し、豊かな観光立町として永続的な発展を遂げるように観光事業者が主体となった観光まちづくり事業の推進を図っていきたいと考えています。
また、町では、平成21年に富士河口湖町観光推進基本計画を策定後、今年は後期計画策定を行い、その具現化に向けて取り組みを進めているところであります。さらに、その計画をより実効性のあるものとするため、各地区に適した「観光ヴィジョン」の策定を行っています。恵まれた貴重な資源を有効に活用するためオール富士河口湖町で観光振興施策に積極的に取り組んでまいります。

    次に自然環境関連についてであります。世界遺産富士山の景観保全は、富士山及びその周辺地域において良好な景観形成を図り、世界遺産としての価値の保全や質の高い観光地づくりを目指すうえで重要な課題であります。そこで、富士山世界遺産協議会では、ユネスコ世界遺産委員会の指摘・勧告に応えて、世界文化遺産富士山ヴィジョン・各種戦略を「その神聖さ」と「美しさ」を次世代へと伝えるために、早期に策定することとしています。また、山梨県では富士山の保全について、県の責務及び県民等の役割を明らかにし、並びに富士山の保全に関する施策の基本となる事項等を定めることにより、富士山の保全に関する施策を総合的に推進し、後世への継承に資することを目的に「山梨県世界遺産富士山基本条例」の制定に向けてパブリックコメントを実施しております。併せて、開発事業については、景観への影響を評価するとともに、有識者や行政の意見を事業に反映できる「景観アセスメント」を事業の初期段階で行う仕組みづくりの検討を始めている状況です。
 
結びとなりますが、私は平成19年12月に町民の多くのご支持をいただき、富士河口湖町長として町政をお預かりして以来、8年目を迎えました。この間「公平・公正・透明」の政治姿勢を堅持するとともに、本町を取り巻く環境が大きく変革する中でも住民目線に立ち「福祉・教育・環境」を主な施策として町政運営に努めてきたところであります。また、多くの町民との対話を重ねるなかで、「住民に身近で親しみやすい心のかよう協働のまちづくり」を展開し、町民の福祉向上と教育環境の充実や自然環境の保全、観光産業、農林水産業をはじめとした活力ある産業の振興施策に全力で取り組んでまいりました。
今後も引き続き、多種多様な行政需要と行政課題を認識したなかで、全ての町民の皆様が安心して幸せを感じることができる町政の運営を力強く推進してまいる所存であります。どうか、議員各位のご指導とご理解をいただくとともに、町民の皆さんの温かいご支援とご協力を切にお願い申し上げます。

    それでは、今議会に提出いたしました議案についてご説明いたします。提出案件は全部で17件でございます。内訳は報告が1件、指定管理の指定についてが2件、条例の制定が1件、条例の一部改正が7件、特別会計補正予算が5件及び一般会計補正予算でございます。

    提出案件のうち平成26年度一般会計補正予算(第10号)の概要についてご説明いたします。
    
    今回の補正は、歳入歳出予算の総額に106,558,000円を追加し、総額を11,866,463,000円とするものであります。

    歳入の主なものをご説明いたします。

    地方交付税は、74,081,000円を増額し、国庫支出金は、介護給付・訓練等給付費国庫負担金を16,000,000円、社会保障・税番号システム整備費補助金を1,075,000円それぞれ増額し、土木費国庫補助金である社会資本整備総合交付金を5,500,000円減額しました。

    県支出金は、介護給付・訓練等給付費県負担金を五1,327,000円、後期高齢者医療保険基盤安定制度負担金を2,940,000円、富士山保全事業費補助金を2,514,000円、青年就農給付金事業補助金1,500,000円をそれぞれ増額し、県老人医療費補助金を2,250,000円減額しました。

    雑入は、建物等災害共済金を1,322,000円、県道工事に伴う移転等補償料を10,761,000円増額しました。

    町債は、笈の峠1号線道路整備事業に係る合併特例事業債を1,400,000円減額しました。

    次に、歳出の主なものをご説明いたします。

    総務費のうち企画推進費は、地域おこし協力隊の隊員募集等に要する委託料を2,000,000円、税務総務費は、税還付金を2,050,000円それぞれ増額しました。

    民生費のうち社会福祉総務費は、小立福祉ゾーン舗装工事測量設計委託料を1,080,000円、自立支援医療費国庫負担金返還金を1,020,000円、介護給付・訓練等給付費を21,310,000円それぞれ増額しました。老人福祉費は、後期高齢者医療特別会計繰出金を3,921,000円増額し、県単老人医療費助成金を4,500,000円減額しました。福祉センター費は、小立福祉センター国庫補助事業対応委託料を1,188,000円、船津福祉センターの外構工事費を1,188,000円、備品購入費を2,500,000円それぞれ増額しました。高齢者体力づくりセンター費は、温泉施設関連の需用費を1,570,000円増額しました。保育所費は、子ども子育て新システムに係る改修委託料を1,404,000円、船津保育所未満児入所対応工事請負費と備品購入費を2,498,000円増額しました。

    衛生費のうち、保健衛生総務費は、子ども医療費助成金22,000,000円を増額しました。

    農林水産業費のうち、青年就農給付事業補助金を1,500,000円増額しました。

    土木費のうち、道路橋梁総務費は、通学安全対策工事費、LED外灯購入費を1,800,000円増額しました。道路維持費は、雨水対策測量設計委託料を1,000,000円、除雪作業委託料を15,000,000円、維持補修工事費を6,700,000円それぞれ増額しました。一般道路新設改良事業費は、本栖公民館進入道路用地測量業務委託料を1,650,000円、用地購入費2,300,000円を増額しました。町道7011号線新設改良事業費を4,500,000円増額しました。

    消防費のうち、消防施設費は、消火器と消防団員用ヘルメット購入費を1,860,000円増額しました。

    教育費のうち、学校管理費は、大石小学校南側県道の拡幅工事に伴う遊具・立木の移植工事費9,649,000円を増額しました。自然共生事業費は、フィールドセンターデイキャンプ場炊事場工事請負費を2,812,000円増額しました。
 
    以上雑駁な説明で恐縮ですが、本定例会に上程しました平成26年度一般会計補正予算(第10号)案の概要ついて説明させていただきました。詳細な内容や特別会計につきましては、各常任委員会において、担当課長から説明させていただきますので、ご審議のうえ、ご議決を賜りますようお願い申し上げます。

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