平成20年12月議会 施政方針

本日、ここに、平成20年第4回富士河口湖町議会定例会が開催されるにあたりまして、提出いたしました議案の概要と、あわせて平成20年度上半期の町政の状況等について、ご報告をさせていただきます。

私は、昨年12月町長に就任させていただきまして、早一年が経過したところであります、この間、議員各位におかれましては、多方面に渡り、ご支援とご協力を賜りまして、衷心より厚く感謝申し上げます。
就任して間もない時期ではありましたが、最初の予算編成に取組み、情報公開条例、介護慰労金、小学校の少人数学級の充実、といった、町民の皆様に公約させていただいた事柄を予算に反映しつつ、富士河口湖町長として船出することができました。

この一年間、町の代表者という立場で町を見てきたわけですが、当町は、いまさら言うまでもなく、富士山とこれを取り巻く湖からなる自然景観を誇りとする地域であります。この恵まれた環境をよりよいものにするため、これまでに、住民福祉の向上と、観光地としてさらに魅力をアップさせるための施策として様々な施設が整備され、活気と魅力ある町づくりが進められてまいりました。県全体の人口が減少するなかで、当町の定住人口の増加はそれを物語っているところであります。

昨今の国内の経済情勢は、百年に一度の金融危機とも言われるなか、企業のリストラや新規採用者の内定取り消しといった記事が新聞紙面を賑わしております。こうした景気の低迷は当町の税収にも影を落とし、本定例会では法人町民税を当初予算額から5千万円減額せざるを得ない状況になっております。次年度の税収につきましても一定程度の減収は避けられない見通しであります。こうした、社会状況にあっては、新たな施設整備は大変厳しい状況にあることを認識し、主要事業についても必要度合いを見定め見直しを行ったところであります。これから、次年度の予算編成に入るわけですが、優先すべき施策を慎重に見極めるとともに、経費の削減を図り、限られた財源を重点的かつ効果的に配分することを肝に命じて取組んでまいります。基本的には、ハード面からソフト面へと軸足を移す時ではないかと考えております。

私は、この間、町民の声を聞く機会を持つ一つの方法として、町内の様々な団体やグループの会合に足を運びました。町内には、自分たちの住む町の環境はいかにあるべきかをテーマに日々活動されている団体やグループが沢山あります、それぞれの立場に立ち、よりよい地域環境を求めて真剣に議論し活動されている様子を目にしております。恵まれた自然景観を守り、又、有意義に活用していくことを模索し、豊かな生活環境を創出するためには、こうした団体、グループが相互に連携し、町づくりを担っていただけるならば大きな成果が得られるのではと実感しております。その旗振り役をする事も私の仕事の一つではないかとも思っております。観光立町としてまず、そこに生活する人々の安全で快適な生活環境をつくることが、全国から又、外国から、町に訪れる人々にとっても心安らぐ場所になるのではと考えております。「環境に優しい街づくり」「皆でするきれいな街づくり」を訴えていきます。これまで、多くの予算を投じて整備してきた諸々の施設についても町民の声をききながら、町民にお手伝いいただきながら、維持運営していきたいと思っております。それは文化施設であり、観光施設であり、教育施設であり、公園や遊歩道や公衆トイレにもいたるものであります。西浜小中学校では、ボランティアグループによって、校庭を芝生化する活動をしていただいている団体があります。この活動への町からの支出は無いわけですが地域の子供たちのためにとご尽力いただいております。町職員からも町内の公共施設の緑地化をボランティアで進めていきたい旨の提案も私に届いております。小さな提案ではありますが、大事にしたいと思っております。世界遺産登録という大きな目標に向かって、町の環境美化を進め、心やすらぐ環境に優しいきれいな町づくりを実現していくことも、私の使命の一つではないかと考えております。

次に、高齢者ドライバー支援の仕組み作りについてであります。この事業は国立長寿医療センター研究所の協力と、独立行政法人科学技術振興機構から資金的支援を得まして実施するものであります。高齢者福祉の充実の一環として、今後増加が見込まれる高齢者ドライバーが安全に運転を継続するための仕組みづくりに着手するものでありまして、高齢者ドライバーの運転特性の研究を行っている長寿医療センター研究所研究成果を活用するものです。今年度から3年間で仕組みを構築して、その後本格導入を目指します。当町の高齢化率は19.7パーセントと同規模自治体の平均より低い数値になっていますが10年後には25.2パーセントに達すると予測されております。このため、免許保有率を勘案した場合の高齢者ドライバーの数は倍増すると予想されることから、安全運転のための支援システムの構築することが急務となっております。

こうした状況を踏まえ現在福祉推進課を中心とした勉強会「富士河口湖町の高齢化を考える会」で知見を深めていたところであります。この結果、長寿医療センター研究所の研究成果であります「ドライブシュミュレーター」による運転能力の計測、及び「ドライブレコーダー」による実地検査、さらに高齢者向けの定期的な講習会を組み合わせることによるシステムの整備を発案しました。これが科学技術振興機構の「研究開発成果支援プログラム」に認められ支援が決定したものです。この事業費の総額は1,500万円で、全額の支援が受けられるものであります。
都市部と違って当町のような生活環境においては、今後もマイカーでの移動が基本的な交通手段となっていることから、高齢者にできるだけ長く、安全に運転してもらえる仕組みづくりを緊急の課題として取組んでまいります。

平成18年度から町づくり交付金事業を導入して進めている観光活性化案内標識整備事業がこの度、山梨広告協会主催の山梨広告賞奨励賞を受賞いたしました。この賞は、昨年10月から本年9月までの一年間に県内で出された広告を対象に効果性や独創性、倫理性を基準に選ばれるもので、新聞広告の部、電波広告の部、印刷物の部、屋外広告の部からなり、屋外広告の部で当町の「富士河口湖町案内サイン」が受賞したものです。この事業は18年に西湖地区、19年に船津地区、20年に精進・本栖地区と実施しており次年度では河口湖北岸地区まで実施する計画であります。景観と利便性を追求して整備している訳ですが、これが客観的に評価されたことになり、担当職員と共に喜んでいるところであります。

 「町うた」についてであります、民間ボランティアで構成され、毎年町の誕生日イベントを企画・開催していただいている町の誕生日イベント実行委員会の皆さんから提案をいただいているものですが、合併によって新町が誕生して5年が経過したところですが、1町3村の住民が合併によって新町富士河口湖町の住民になったわけですが、住民が一つになり後世に渡って慕い・愛される故郷(ふるさと)にしていくために計画されたものです。実施主体は、誕生日イベント実行委員会の皆さんによって、「町うた制作委員会」が設立され、活動を展開していただいております。歌の作詞は、全国の町に愛着を持っていただいている方から募集し、作曲については、河口湖ステラシアターで連続してコンサートをし、町に○○なる愛情をいただいている、シンガーソングライターのイルカさんが担当していただけることになりました。
来年の1月末まで歌詞を募集し、3月末には歌詞を決定し、7月ごろには富士河口湖町の「町うた」が完成し、発表をする予定と聞いています。
この企画は、「町うた制作委員会」が主体となって進められていますが、町も連携を取りながら、協力していきたいと考えています。また、完成した「町うた」は広く町民の定着し、町のイメージアップにつながるものとして、将来に渡り町民に愛され歌い続けられるものとなるよう願っております。

それでは、今回提出させていただいた補正予算のうち、一般会計補正予算の概要についてご説明いたします。
今回の補正額は、3,581万7千円を増額して、総額113億5,959万円とするものであります。補正総額から特定財源を差し引き、不足する一般財源については、普通交付税確定分2,434万6千円と繰越金1億1,932万2千円で充当するものです。
また、まちづくり交付金事業費において船津地区ふれあい多目的施設建設事業ほか2件について繰越明許費の設定をするものです。

主なものは、歳入において、町税のうち町民税で、個人町民税の退職分離課税を中心とした全体の伸びで1,462万円の増額がありますが、法人町民税の昨今の景気低迷が反映した特に町内トップ3法人の減額見込みが大きく5千万円の減額があり合計で3,538万円減額しました。

国庫支出金で、負担金のうち民生費負担金において、身体障害者保護費負担金の給付が増えることによる1,288万3千円の増額、国庫補助金のうち土木費国庫補助金で、地方道路整備臨時交付金、まちづくり交付金事業の双方において、予定していた事業の後年度への先送り分として、5,415万円を減額しました。

県支出金では、負担金のうち民生費負担金において、国庫支出金と同様に身体障害者保護費負担金の給付が増えることによる644万1千円の増額、補助金のうち民生費補助金において、重度心身障害者医療費助成事業、地域生活支援事業、ひとり親家庭医療費助成事業などの事業費が増額したことによる1,622万円の増額、委託金のうち教育費委託金において、スクールガード事業の確定による86万1千円の増額としました。

寄附金では、町の社会福祉へと2名の方から合計110万円の寄付がありました。
諸収入では、本年度より県税事務所ともタイアップし強化しだした、税滞納者に対する延滞金や事務処理等にかかる費用の徴収分として235万6千円の増額としました。

町債では、合併特例事業債の事業の変更や後年度へ送る見直しによる減額、過疎対策事業債の県負担金部分の増額、土木債の道路整備事業債の後年度への先送りによる減額などで総額6,480万円の減額としました。

次に歳出ですが、総務費のうち総務管理費の企画費では、新築住宅奨励金の当初見込みより新築定住者が増えたことによる380万円の増額としました。

民生費のうち社会福祉総務費では、視覚障害の方との窓口での案内のスムーズ化にためのパソコンセットや障害児の療育支援遊具の購入や、重度心身障害者医療費、自立支援医療費、介護給付訓練等給付費の増加による5,265万2千円の増額、老人福祉費では介護保険特別会計繰出金として8,511万5千円の増額としました。児童福祉費の母子福祉費では、ひとり親家庭医療費助成金を350万円増額しました。

衛生費のうち景観保全費では、太陽光発電システム設置費補助金の交付増加に伴い120万円を増額しました。

水道費では、足和田簡易水道事業で大嵐地区の加圧式ポンプが落雷被害にあいその修理にかかる繰り出し分として560万円を増額しました。なおこの財源については100パーセントが大嵐財産区からのものとなっております。

農林水産業費のうち、農業費の農業振興費では、中山間地域整備事業の県の事業費の増額による町の負担金111万3千円の増額、畜産業費では増減はありませんがジビエ食肉加工施設の運営開始にかかる準備など必要となった項目への組み替えを行っております。

商工費のうち観光費では、富士山・富士五湖観光圏整備事業負担金など411万1千円増額としました。
土木費のうち道路橋梁費では、道路新設改良費の乳ヶ崎線新設改良事業で、用地購入が翌年度以降になることによる2,500万円の減額としました。

まちづくり交付金事業費では、河口湖船津地区の土木関係事業で、大久保賑い交流広場整備の翌年度へ移行による1億円の減額、河口湖北岸地区の消防関係事業で、大石分団詰所及び車庫整備でまちづくり交付金事業に適さないということで100万円を減額としました。

教育費のうち小学校管理費、中学校管理費で減額ですが、教育振興費において要保護・準要保護就学援助費で増額となっております。保健体育費では、財源が河口財産区からの繰入金となる、河口少年野球スポーツ少年団ユニフォーム購入補助として20万円を増額としました。

その他、特別会計においては河口財産区特別会計を始め8の会計で補正予算が提案されております。

以上、雑駁な説明で恐縮でありますが、提出案件等の説明とさせてただきます。説明し切れなかった項目や細かな内容、特別会計につきましては、本会議あるいは各常任委員会におきまして担当課長から説明いたしますので、よろしくご審議いただきご議決賜りますようお願いいたします。

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