平成25年9月議会 施政方針

 本日ここに、平成25年第3回富士河口湖町議会定例会が開会されるに当たり、私の所信の一端を申し述べさせていただくとともに提出致しました案件のうち、主なものについて、その概要を説明させていただき、議員各位並びに町民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げたいと存じます。

 6月22日の富士山世界文化遺産登録に関する各種イベントの開催やマスコミ対応、啓蒙活動等に追われる日々が続きましたが、今後は、世界遺産の町として、かけがえのない自然や景観を保護し、次世代へ引き継ぐという大きな責務が生じたものであると強く自覚するとともに、これを契機に町民が一丸となって、保全管理を徹底し実施していかなければならないと考えております。また、議員各位並びに町民の皆様と共に「住んで良し 訪れて良し 世界遺産にふさわしい質の高い富士河口湖町」にする為に鋭意努めて参りたいと思っています。

 さて、今議会は、議員各位におかれましては、任期最後の議会となるわけでありますが、4年の長きに亘り行政に対して誠意あるご指導、ご協力を賜り衷心より御礼申し上げます。
今後、再選を目指す皆様には引き続いて町民からの負託を担われ、より良い富士河口湖のまちづくりにご尽力をいただきますようご期待を申し上げます。また、今期限りで職責を退く皆様には、今日まで町政発展のために建設的なご意見や、ご提言をいただき、改めて心から敬意と感謝を申し上げる次第であります。

 7月21日に執行された第23回参議院議員通常選挙は、自民、公明両党が参議院の過半数を確保し、ねじれ国会が解消されたことにより安倍政権は安定した政権運営が可能となりますが、今後は地方自治行政全般にわたり、より有効で有益な施策を講じていただけるよう切望するものであります。また、町でも重要課題については強い意志のもとに粘り強く国・県に働きかけを臨んで参ります。

 大議論と多くのエネルギーを注いで取り組んだ平成15年11月15日の町村合併から、今年で10年を迎えるに当たり、合併効果を発現させるために、今後、残された課題とその対応等について検証を図っていかなければならないと考えております。
 具体的には、翌年度に①少子高齢化社会の課題に対応できる人的・財政的な基盤の強化 ②スケールメリットを活かしたサービスの向上、事業の実施 ③合併による行財政の効率化、合理化、経費削減 ④広域的な視野に立ったまちづくりの展開 ⑤地域のイメージアップと地域力の強化などの項目についてのデータの収集や住民からの意見聴取を図ったうえで検証を行ない、結果を公表するとともに、次年度以降の事業計画に反映して参りたいと考えています。また、合併時は交付税措置率や充当率が高い合併特例債の有利な面が強調され、特例債の活用を前提とした新しいまちづくりに大きな期待と希望を描いていたと思われますが、平成19年に導入された新しい財政指標の制定により「公債費負担適正化計画」を策定する厳しい条件が定められたため、公債費負担額・比率をこれまで以上に厳格に精査することが必須となり、特例債を充当した今後の事業展開は厳しいものとなっています。更に、健全財政の持続性を確保していくためには、施設拡大による維持管理費・更新費用など将来負担を考慮したなかで事業の費用対効果を検証し、取捨選択を強めていくことが大変重要であると考えております。

 今年度の町制施行10周年記念式典は、世界遺産登録の記念すべき年度であるため、11月10日(日)に、文化庁長官の青柳正規氏をお招きして「世界文化遺産にふさわしい~文化のかおるまちづくり~」(仮称)と題した基調講演や町のキャラクターグッズなどを記念品として贈呈する予定ですので、多くの町民のご参加をお待ち申し上げております。

 6月に山梨県内の町村長の皆様のご推挙により、山梨県町村会長に就任させていただいたことをご報告申し上げます。
これを契機に、当町が県内町村の主導的立場に立って、各種行政施策について、国・県に対して提案・要望活動を積極的に推進していきたいと考えております。8月22日に町村担当課長会議を開催し、平成26年度国・県の施策及び予算に関する提案・要望案が審議されました。主な項目は、・町村財政基盤の強化のため、町村税源の充実及び地方交付税の所要額を確保すること。また、地方の安定的な財政運営や円滑な事業執行に必要な総額を確保するため、消費税率の見直し時には、町村の配分額等への配慮をすること。・防災・災害対策の強化のため、早急に防災対策を図り、災害対策の一層の充実を図ること。その他、・町村自治の確立について・少子化対策の充実について・地域保健・医療の充実について・介護保険事業の国庫負担等の拡充について・国民健康保険の安定運営の確保について・道路網の整備促進について・教育環境の充実についてなど全部で18項目の提案・要望案を集約いたしました。基礎自治体である町村の共通した重要な諸課題解決のため町村会長の責任において、国・県に強く要望し、実現に向け更なる協力を求めて参る所存であります。

 今年度の主な事業の進捗状況や今後の計画については、本年度の重要施策である「財政基本計画策定」事業、「公共施設白書作成」事業は、9月中に職員を対象とした説明会を開催後、ヒアリングを実施し、年度内に公表を行うよう計画的に進めております。

 企画関連事業では、生活支援巡回バスの運行は継続しており、クニマスリーフレットの作成、総合計画後期基本計画冊子の作成は終了し、世界遺産携帯型冊子作成、関連施設PR映像作成、銘標設置事業、企業立地推進計画事業は着々と進行しています。ソーシャルメデイアを活用した行政情報発信の強化を図るため、「ふじの風」「富士河口湖安心安全メール」のほか、8月からの町公式フェイスブックの運用、防災行政無線の放送内容が受け取れる「富士河口湖町行政情報メール」の配信サービスも開始しました。また、防災行政無線の聞き取りにくい地域の方や耳のご不自由な方などの利便性の向上を図るため、8月23日からケーブルテレビ河口湖において、防災無線の内容を1日9回テロップでお知らせしております。

 国際交流事業関係では、国際交流ボランテイア制度を制定し、海外からの来訪者への対応に備えていますが、一方で、新たに国際交流の創造の模索など、世界遺産の保護を最優先にしながらそれを活かすことで地域の活性化に資することを目的とした「おもてなしの国際交流ワークショップ」は今月から活動を開始しております。

 防災・消防関連事業については、青色パトロールカーの購入、消防団メールシステムや職員非常参集システムの構築、火の見やぐらの撤去などは終了し、防災士資格取得促進補助金制度の活用も図っている状況です。今後も防災備蓄倉庫設置事業など、計画的に順次実施して参ります。なお、町では災害時に備え自治体や各種団体等との防災協定の推進を図っていますが、笛吹市、秋田県仙北市、埼玉県羽生市に続き、8月1日には町内五郵便局や大石地区に施設を所有する世田谷区、真澄寺と協定を締結し、郵便局とは災害時の情報提供や広報活動、援護業務、世田谷区と真澄寺とは避難所施設利用に関する協定内容といたしました。この他にも大学や民間企業との協議も進行しております。

 9月1日の防災訓練は、初の試みとして災害が発生する20秒前から発災直後どのような行動をとるべきなのかを思考していただき、安全確保につなげることを目的に「カウントダウン訓練」や船津会場においては、「マンホールトイレ設置訓練」を実施しました。また、9月5日には、「安心・安全メール」による情報発信に従い「地震から身を守る安全行動」の確認を行う「シェイクアウト訓練」も実施する予定であります。今後は、少ない経費で大きな効果をもたらすソフト事業を積極的に展開していくことが大事であるため、・要援護者を対象とした「避難カルテの作成」や「防災講習会・学習会の開催」、「避難経路確認訓練」、「図上災害対応訓練」、「図上避難所運営訓練」、「防災資機材取扱訓練」なども順次実施していくとともに、災害が起きたとき最も頼りになるのは、家族を中心に隣り近所であることから、自治会加入促進など「共助」の精神による 『日常の地域コミュニテイの充実』を図ることの大切さを町民全てが共通認識として持っていただくことを強く望むものであります。

 福祉関連事業の主なものは、8月31日に「富士山の麓でBBQまちコン」と題した婚活イベントを世界遺産船津胎内があるフィールドセンターで開催した結果、38名の参加者のうち、4組のカップルが成立し、一定の成果を収めたことから、今後も工夫を重ね継続し実施して参りたいと考えています。

 船津福祉センター改築事業については、基本設計が終了し、今年度末の実施設計完了を目指しています。また、小立福祉センター改修事業については、検討委員会の中で協議を重ね方向性を見極めている状況です。福祉ゾーン計画事業は、今後、町の福祉の拠点となることを念頭に、社会福祉協議会を中心に最も合理的で有効な施設の構築を目指して多方面から検討をしている状況であり、私の福祉施設政策の集大成となるべき重要な施策でもあるため、実現に向け全力で取り組んで参る所存であります。

 管内保育所整備計画については、検討委員会において協議を進めている状況ですが、喫緊の課題として船津保育所の敷地が狭小であることや、現在使用している駐車場が借地であることなど、長期的且つ総合的に勘案した結果、必要不可欠な用地であるとの結論に至ったため、船津財産区のご理解とご協力のもとに、今議会に用地取得費・整備費を計上させていただきました。また、平成24年8月に成立した子ども・子育て関連三法に基づき、さらなる子育て支援の充実を図っていくために、「町子ども・子育て会議設置条例」を上程いたしましたので、併せてご承認を賜りますようお願い申し上げます。

 上半期の各種観光イベント事業も計画通り順調に行われ、来月の富士山麓トレイルランから11月24日の第2回富士山マラソンまでのいくつもの秋のイベント開催の準備に入っている状況であります。また、観光トップセールスは、国内をはじめ、シンガポールとマレーシアへ出向き積極的にPR活動を展開する予定であります。

 土木関連事業については、国道139号線までの船津登山道線道路改良工事は年内の完了に向けて順調に進行しており、併せて、町民体育館までの電線地中化設計業務も執行しています。この他、舗装、排水維持補修工事を中心に取り組んでいます。また、公共施設の現状を把握し、安全性の確保とライフサイクルコストの縮減の観点から補修・更新を平準化し計画的に事業を実施するための指針である「長寿命化計画」の策定事業を実施しており、これらの成果を基に翌年度から多くの事業に反映してまいります。

 水道事業については、水道ビジョンや耐震化計画に則り、水道施設・管路の安定した機能維持や耐震化対策事業を継続して実施して参ります。また、災害対策として、マンホールトイレの整備事業を行っており、今年度内に7箇所の整備が終了することとなります。

 昨年度からはじめた富士登山体験学習は、今年は、渡辺玉枝さんに随行していただき、7月29日、30日に町内の小中学生28人が登山を行いました。町内の児童・生徒2,800人の名前と「富士山から世界の絆をつなげて」が記された横断幕を山頂で掲げ、世界遺産のふるさと富士山への愛着を更に深めたことと思います。多くの保護者から「機会があれば富士登山を体験させたい」との声を受け、来年度以降も継続して実施していきたいと考えております。

 今般、地域の元気臨時交付金を活用して、全ての学校においてトイレの洋式化事業を執行することといたしました。これにより、更なる教育環境の向上が図れるものと期待されます。

 昨年7月から改築工事を行ってきました、河口湖南中学校の普通教室棟が完成し、2学期から供用開始しております。今後は、特別教室棟については来年5月、給食棟は翌年度末までに竣工する計画となっております。

 鯉の水の遺跡発掘調査を行った結果、平安期以前の古代律令国家で地方と都を結び、中央からの使者が利用していた官道「東海道甲斐路」が発見されました。県内で官道が発見されるのは初めてであり、甲斐国の成り立ちを探るうえでも重要な手掛かりにもなり、周辺が東海道甲斐路の駅屋だった可能性や中世の「鎌倉往還」の基となった可能性も指摘されるなど歴史的に大変貴重であり重要な成果を残すことができました。

 平成26年度に開催される全国高等学校総合体育大会に向けた引継ぎが先月福岡県において行われ、当町においては下半期からボートコース改修事業、漕艇場桟橋改修事業やカヌー置造成事業など本格的に事業を開始して参ります。

 第28回国民文化祭・やまなし2013 富士河口湖町主催事業は、夏の魅力の創造と発信を目的に、河口湖ステラシアターで8月に2回開かれ、25日の「富士の麓で第九演奏会」は世界的な指揮者佐渡 裕さんがタクトを振り、日本を代表する東京フィルハーモニー交響楽団や県内外から選抜された特別合唱団約460名が練習の成果を披露し、夏の山梨に「歓喜の歌」を響かせました。富士山世界遺産登録の相乗効果により大盛況であり、町民の文化意識の向上に効果があったものと思われます。なお、9月15日・16日の、「Mt・Fuji河口湖ジャズフェスティバル」や9月29日の「吹奏楽の祭典」が開催される予定となっています。

 地域の元気臨時交付金の額が確定し、当町への交付額は75,011,000円となりました。交付対象については、地方単独事業の所要経費及び建設公債の対象となる国庫補助事業の地方負担分に充当することが可能であり、地方負担額等を基礎として、財政力指数等を考慮して算定されたものであります。充当先については、優先順位を精査し計上させていただきましたのでご理解を賜りたいと思います。

 それでは、今議会に提出いたしました議案についてご説明いたします。提出案件は全部で49件でございます。内訳は報告が1件、条例の制定が1件、条例の一部改正が3件、規約の一部変更が1件、特別会計補正予算が9件、一般会計補正予算が1件、認定が33件でございます。

 提出させていただいた補正予算のうち平成25年度一般会計補正予算(第6号)の概要について説明いたします。

 今回の補正は、歳入歳出予算の総額に244,676,000円を追加し、総額を10,671,611,000円とするものであります。

 歳入の主なものをご説明いたします。

 国庫支出金のうち、国庫補助金については、地域の元気臨時交付金75,011,000円を計上しました。

 県支出金のうち、衛生費県補助金を607,000円減額し、農林水産業費県補助金911,000円及び土木費委託金148,000円を追加しました。

 繰入金のうち、船津財産区繰入金については、船津保育所用地購入費補助繰入金として16,000,000円を追加しました。

 小立財産区繰入金については、小立老人クラブ備品購入補助繰入金600,000円を追加しました。

 町債のうち、合併特例事業債については、船津保育所整備事業債40,800,000円を追加し、過疎対策事業債については、消防自動車整備事業債6,400,000円を減額しました。

 繰越金は、118,213,000円を追加しました。

 次に、歳出の主なものをご説明いたします。

 総務費のうち、財産管理費については、財政調整基金積立金50,000,000円を追加しました。税務総務費については、税還付金4,000,000円を追加し、賦課徴収費については、税関連システム改修費2,563,000円を追加しました。

 民生費のうち、老人福祉費については、小立老人クラブ備品購入費補助金600,000円を追加し、老人福祉センター費については、河口福祉センター駐車場整備事業費7,935,000円を計上しました。保育所費については、船津保育所駐車場用地整備事業費6,000,000円、船津保育所用地購入費53,000,000円及び河口保育所ボイラー取替え工事1,100,000円を計上しました。

 衛生費のうち、保健衛生総務費については、子ども医療費助成金35,000,000円を追加しました。景観保全費については、太陽光発電システム設置補助金を5,000,000円追加しました。

 農林水産業費のうち、農業振興費については、自然生活館の冷蔵庫取り付け工事費請負費147,000円及び冷蔵庫の購入費1,616,000円を計上しました。林業振興費においては、有害鳥獣駆除報償費1,170,000円及び松くい虫被害木伐採駆除委託料708,000円を追加しました。

 商工費のうち、いやしの里運営事業費については、営業用チラシ、外国語版リーフレット等の印刷製本費977,000円及び除雪機一台の購入費600,000円を計上しました。

 土木費のうち、道路維持費については、雨水対策、舗装修繕対策等に係わる委託料3,100,000円及び工事請負費13,500,000円を追加しました。住宅費については、町営住宅使用料等管理システム導入委託料2,100,000円を計上しました。

 消防費のうち、災害対策費については、防災備蓄倉庫設置工事請負費3,000,000円及び災害パトロールカー購入費2,500,000円を計上しました。

 教育費のうち、学校管理費については、小学校トイレ洋式化工事請負費20,000,000円、中学校トイレ洋式化工事請負費12,600,000円及び西浜中学校入口補修工事請負費1,050,000円を計上しました。文化財保護費については、町指定文化財貴船神社本殿改修補助金5,000,000円、美術館管理費については、河口湖ミューズ館塗装・防水工事請負費5,000,000円、体育施設費については、グランド夜間照明電球取替え修繕費、町民プール修繕費1,000,000円、精進湖カヌー置場造成事業費2,400,000円をそれぞれ計上しました。

 以上雑駁な説明で恐縮ですが、本定例会に上程しました平成25年度一般会計補正予算(第6号)案の概要ついての説明とさせていただきます。詳細な内容や特別会計につきましては、本会議におきまして担当課長から説明させていただきますので、ご審議のうえ、ご議決を賜りますようお願い申し上げます。

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