平成19年6月議会 施政方針

 本日ここに、平成19年第2回富士河口湖町議会定例会が開催されるにあたりまして、町政に対する基本的な施策に併せて提出いたしました議案の概要等の説明をさせていただきます。

新年度においては、副町長も欠員とし、一昨年からは収入役も廃止したなかで一人三役するも事業の推進については、担当課長と共に大変忙しい毎日を過ごしております。

観光地間の競争が激化するなかではややもすると他の観光地では、宿泊施設等の閉鎖などが聞こえてきているのが現実となっております。当地域では民間業者により進出する宿泊施設(洋式ホテル)が河口地区に二施設小立地区に一施設計画されております。このことは外国人観光において当地域が観光地として脚光を浴びていることと共に本町が観光地として魅力ある元気のある地域として捉えられている証と考えております。
国内での観光地間の競争激化や海外と国内旅行の競争、そして邦人旅行対象人口の減少などの状況下のなかで、邦人観光客のみをターゲットとした観光振興戦略は成り立たなくなりつつあり、本町においても観光における経済活動の活性化を図るため、外国人の受け入れ施策を積極的に推進していることはご案内のとおりであります。本年の1月から3月にかけてウインターフェステバルのイベントに併せ、国のVJC支援事業を受けたなかで、外国人誘客のための春節ウイークのイベントも実施しました。このイベント期間を含んだ、本年1月から4月までの外国人宿泊統計がまとまりましたが、宿泊数が68,070人で、昨年同期間の54,196人に比較すると125.6%増と成っております。非常に高い伸びを示しており、これは新しいイベント更には既存のハーブフェステバル等持続可能なイベントによる観光地対策が効果の表れとみられます。

富士山世界文化遺産登録については、専門職員を採用した中で文化遺産並びに文化財保護等に積極的に取り組んでいるところであります。経過につきましては、特別委員会等で既に説明してきたところでありますが、山梨県推進協議会より資産の洗い出しの依頼がありました。「富士山に関わる文化財を中心に将来的に文化遺産としての構成要素もしくは候補やその根拠資料となる富士山信仰に関わるもの」「富士山のよく見える展望地」「富士山と深い歴史的な繫がりをもつ物・事例」など17件を関係委員会等でご協議いただき挙げております。
こうした対応を、特に町民会議並びに学術委員会を設置して取り組んでいるのは当町だけであり民意を尊重しながらの判断基準として今後もご協議いただきながら取り組んでいきたいと思うところであります。

次に、近年の農業情勢は、国際化の進展などによる社会情勢の変化や、担い手の高齢化による労働力の減少、遊休農地の増加という課題が山積しています。
特に畜産は、米国との輸入牛肉問題や国内での鳥インフルエンザの発生など、畜産物の安全・安心に関する話題が絶えない状況であります。
昨今の課題としては、燃料用エタノール生産向けトウモロコシの需要増加などにより、国内での配合飼料価格が上昇し、畜産農家の経営を大きく圧迫しかねない状況となっています。国や県の取り組みとしては、従来からの食の安全・安心に関する施策の充実や、自給飼料生産への取り組みのための施策を展開されているところであります。
町としましても県下一の酪農基地として幅広いまちづくりに繋げてゆく、消費者の皆様に良質かつ安全な畜産物を供給するという重要な役割を担っている畜産農家に対して、この度、配合飼料価格の変動に伴う緊急支援事業を創設し、畜産農家の離脱を防ぐため補助金を予算化しております。

先に執行された山梨県議会議員選挙は、旧河口湖町から28年ぶりに県議が誕生しました。何よりも現町議員職を辞し、県政へ打って出た白壁氏の勇気ある挑戦にエールを贈るものであり、必ずや県政と町を繋ぐ太いパイプ役としてご活躍されることを大いに期待するものであります。

県政といえば新知事におかれましては、公約の一つとされていた富士東部地域への小児初期医療救急センターを設置することを掲げてこられました。県ではこれに運営協議会を立ち上げ協議してきております。私もこの協議会へ参加しておりますが、設置場所について都留及び大月市は、東部へという綱引き状態の協議でありましたが、県に一任とする結果となりました。診療件数を判断基準としたとき平成18年の実績は東・西部合わせると9,366件でこのうち日赤病院と市立病院がほぼ同数で7,220件を数えており、こうした実績がある以上、おそらく富士吉田地域に設置されることになると思われます。

次に、知事の大きな公約として国際コンベンション構想があります。関係六市町村間の協議会を設置する方向に進んでおります。5月19日には安倍首相の来町で青木が原エコツアーを体験され北麓の自然の豊かさを初めて味あわれ、総理が唱える「美しい国日本」の環境面に強く興味をもたれたようでありました。

頑張る地方応援プログラムは、総務省がやる気のある地方が自由にプロジェクトを自ら考え、前向きに取り組む自治体に対し、国からの財政支援措置として一市町村に単年度3千万円を上限として3年間(平成21年度まで)特別交付税として交付されるものであります。山梨県では60件のプロジェクトを採択しましたが、このうち本町が12件を占めております。特別交付税の3千万円の上乗せ分に期待が持てるところとなっております。

開催まで2年となりましたIVVオリンピアードですが、3月31日に主催団体となります組織委員会が開かれ、また、5月22日には、実行委員会を立ち上げたところであります。
昨年度より、組織及び資金面での働きかけを関係各所に行ってきましたが、山梨県も主催者の一角へ入っていただくことができ、横内知事には組織委員会の名誉会長に就任していただくことができました。また、資金面では、富士五湖広域行政事務組合、日本市民スポーツ連盟からの補助金も取り付けることができております。
5月より本格的に、告知活動を開始したところでありますが、台湾のウォーキング協会を訪れた際、多くの参加者を送り込む用意があるとの回答が得られ心強く感じております。また、7月に、エストニアで開かれる第10回IVVオリンピアードですが、富士五湖地域での開催を成功させるべく視察と、より多くの参加者が獲得できるよう宣伝活動を行う予定であります。
今後は、告知活動とともに専門部会を立ち上げ、準備作業と運営に係わるボランティアの確保等受け入れ体制を整えていくこととしております。

今後のソフト事業としては、 今、映像のデジタル化が進むことで撮影から編集、完成までも手軽にできることから、映画の設計図ともいえるシナリオライターが注目を集めております。このたび新たに計画いたしました富士山・河口湖映画祭は、通常行われているエントリー作品の表彰や上映会などを行うものではなく、富士山麓を舞台に企画制作されたオリジナル作品のシナリオを募集して、その作品の映像化を行うものであります。本年度は、シナリオ募集と映画制作のノウハウを修得するための教室を開催し、来年2月23日の「富士山の日」を映画祭として、入賞者の発表をしようとするものであります。また、映画に関するトークショーなどを実施することとして、その後1年かけて作品の映画化を行い翌21年2月23日の映画祭で上映することになります。この映画祭は、新人シナリオライターの育成及び文化交流人口の拡大を狙いとして映画を通じた地域文化の向上に資するものとし、富士山麓地域のブランド化と地域振興を図る目的のために行うものであり、息の長い事業として取り組むものであります。

町村合併の建設計画においては、町としての基礎体力の増強をはかり経済活動をより快活に展開するためのものとして、例えばいやしの里事業にみる誘客効果等は勿論として、一方では有識者が雑誌の論説に遺産的価値の極めて高い評価をいただいていることなど経済活動に加えて、質の高い事業展開に取り組むことを基本的な活動としていることにあります。
同時に従来は、官主導で政策の立案計画はプロフェショナルによる取り組まれるものが通常の流れでありました。今後は、官と民間企業のパートナーシステムを構築した地域経済活動の活性化を図ることが、より大きな推進力が得られると思われます。こういう考え方の基に官と民が一体となって取り組むことが、より住みやすく、魅力的で活力ある町づくりとして町民への満足度へ繋がるものと思うところであります。

精進の温泉活用事業は、本年度当初予算において事業用地の不動産鑑定など委託料をお認めいただき事業の準備に入っているところですが、今回の補正予算で債務負担行為により用地取得を目指しているところであります。この事業は、町が用地を取得し、民間導入により温泉掘削から施設整備を図るものであり、地域観光関係者の意見を反映した上で基本的な運営方針を定め、それにプロポーザル方式を導入し、民間に投げかけていこうとするものであります。これにより観光及び地域の活性化に貢献する事業になると考えております。
また、都内の企業が関わる新たな地域再生を目的としてアーバンリゾートのガリバー跡地への進出も決定し、事業着手も間近との情報もあります。これらに加えて河口湖地域においても、廃屋施設の活用する民間企業の動きもあり河口地区のボーリング場施設がアミューズ施設として計画されていることなどいくつかの情報が伝わってきております。
こうした動きに加えファナック等高所得者層が本町へ流入していることなどの移住促進。小立地区の区画整理事業に加え民間の開発など今後も町としては、税源移譲等のプラス要素を勘案すると、今後5・6年先の税収は40億円代後半となる見込みもできます。既に本町の税収は県内の市町村と比較してみますと中間的規模の市以上の税が確保できておりますが、さらなる経済活動の活性化に大いに期待するところであります。 

以上のように町村合併以来インフラ整備においては、建設計画に基づき順調に進捗してきておりますが、今後は総合計画においても教育・環境・健康・福祉など官・民が一体となって交流のもたれるソフト事業の充実が次のステップであり町民にとって満足度の高いインフラ活用を図るべきであると考え、新たなソフト事業の取り組みのシナリオづくりが必要と感ずるところであります。

最後になりますが教育委員でありました、渡辺武郎委員の急逝で教育現場のエキスパートとして、また、県教職員組合の書記長としての経験を生かして教育行政に尽力いただきましたが、誠にもって残念ではございますが安らかなご冥福をお祈りしたいと思います。後任の委員につきましては、ここで、船津・勝山・大嵐財産区管理委員ともども選任同意案件として提案しております。

それでは、今 議会に提出いたしました議案等についてご説明申し上げます。

提出案件は全部で17件でございまして、内訳は、繰越明許費の報告が4件、条例制定2件・一部改正が4件、町道の路線認定1件、補正予算案3件、加えて人事の同意案が3件となりました。

 提出させていただいたもののうち 平成18年度において繰越させていただく、介護保険・水道事業・下水道事業特別会計に一般会計の繰越明許費計算書の報告。条例は、富士ヶ峰交流広場並びに観光防災センターの設置管理に関する制定並びに不納欠損処分審査委員会・手数料・国民健康保険税・特別職で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正であります。路線認定は、船津字藤久保地内の新たな路線認定の提案。補正予算は、船津・河口財産区特別会計と一般会計であります。人事の同意案件は、教育委員並びに船津・大嵐財産区管理委員の選任であります。

 それでは、今回提出させていただいた補正予算のうち一般会計補正予算の概要についてご説明いたします。
今回の補正額は、2億2,845万5千円を増額して、総額117億1,683万5千円とするものであります。
主なものは、歳入において、国庫支出金では、補助金のうち、総務費国庫補助金の市町村合併推進体制整備費補助金で事業の採択を受けて本年度交付額の内示による340万円の増額。土木国庫補助金のまちづくり交付金事業の今補正予算にあげた河口湖南部地区整備事業で2,800万円の増額、河口湖北岸地区整備事業で120万円の増額、河口湖船津地区整備事業で548万円を減額しました。
県支出金では、負担金のうち地籍調査事業で一部調査区域等の増加による県負担金を増額しております。

補助金のうち社会福祉費補助金では、臨時特例交付金特別対策事業補助金として2,060万5千円を増額しております。畜産費県補助金では飼料の自給率向上対策事業で236万1千円を増額しております。
寄附金では富士山世界文化遺産募金による寄附金の受け入れ項目を設ける千円予算を計上しました。
繰入金では、船津財産区から富士桜の樹木の移植工事に伴う45万円の増額、河口財産区から河口Ⅱ期バイパス工事の町道用地購入に伴う800万円を増額しております。
繰越金は1億1,543万3千円を増額しております。
町債では合併特例事業債のまちづくり交付金事業の船津地区、南部地区整備に充てる3,500万円の増額となっております。また観光関連施設整備事業債で1,380万円を増額しております。

次に歳出ですが、
まず総務費のうち文書広報費では地域情報通信基盤整備事業交付金にかかる調査委託費の増額など181万6千万円を計上しました。財産管理費では財政調整基金への積立金として3千万円計上しました。これは昨年度3月末の特別交付税交付額の増額や経常経費の節減により留保財源の確保ができたことによるものだと思われます。企画費ではISO9001と14001の統合委託やまちづくり先進都市海外視察研修、富士山世界文化遺産登録推進事業を細目かし準備にかかる経費など総額155万7千円を増額しました。電子計算費では後期高齢者医療システム開発費用として3,800万円の増額としております。
民生費のうち社会福祉費では、歳入で臨時特例交付金特別対策事業交付金を受けるにあたり、障害者自立支援基盤整備事業としてハーバル工房を地域活動支援センターとして設置し自立促進を図ることやデイサービス緊急移行事業、通所サービス利用促進事業など地域生活支援事業を推進するものとして2,547万1千円を増額しました。
衛生費のうち保健衛生費では、少子化対策の一環として子育て世帯の軽減を施す国からの指導により妊婦の健康診査の際の個人負担の軽減を従来3回の公費負担から5回分に増やすもので464万7千円を増額しました。
景観保全費では環境保護の観点から太陽光発電システムを設置する住宅に対し1軒あたり約12万円を上限に補助をするとして120万円を増額いたしました。農林水産業費のうち畜産業費では飼料の自給率向上対策推進事業として自給飼料量産のための機械購入に対し助成する制度として306万9千円の増額、配合飼料価格安定緊急支援事業として357万5千円の増額としました。地籍調査費では富士ヶ嶺地区の地籍調査につき工程の一部を外注化し詳細調査につなげるもので482万円を増額しました。
商工費のうち本年3月の条例化をうけて観光立町推進基本計画(マスタープラン)策定における調査委託、本栖湖青少年スポーツセンター利用計画及び基本計画策定委託など862万円の増額としました。
土木費のうち道路維持費で富士桜の移植工事として45万円、道路橋梁費では一般道路新設改良では来年度から整備予定の小立乳ヶ崎線の改良計画概略設計や河口Ⅱ期バイパス用地購入として1,200万円の増額としました。
まちづくり交付金事業費では船津地区整備事業として河口湖駅前線用地購入、観光モニュメント(七福神設置施設)の整備などを含めたポケットパークの整備見直しで480万円の増額、河口湖南部地区整備事業として勝山中央通線用地購入、勝山富士見線用地並びに建物補償など7,370万円の増額、河口湖北岸地区整備事業として河口湖環境整備推進ワークショップ支援業務委託として300万円を増額しました。
教育費では学校関係で管内学校医報酬改定に伴う予算の組替え、ふるさとやまなし道徳教育推進事業補助金として小学校費で40万円、中学校費で20万円を増額しました。
社会教育関係では、文化振興関係では富士山・河口湖映画祭実行委員会補助金など374万7千円を増額とし、文化財保護費で町文化財の整備、富士山世界文化遺産登録準備等の嘱託職員賃金など326万8千円の増額としました。
 以上、雑駁な説明で恐縮でありますが、提出案件等の説明とさせていただきます。説明し切れなかった項目や細かな内容につきましては、本会議あるいは各常任委員会におきまして担当課長から説明いたしますのでよろしくご審議いただきご議決賜りますようお願いいたします。


おわりになりますが、この場において私の来る12月に馳せる心中を述べさせていただきたいと思います。

常凡なる生を成し 意気に感じ 潮満つる時期
焦心を持って奉職に献身せしも 王道剛気なる呈
則天去私なるを懐帯し 私心を得ず 平身を持って過ぎ
衆々これ等しく接し 職事努めるも 高揚なる事 成し遂げし時
天意の感 五感に浸なるや 時空に馳せるとも 惜念あらず
時期きたるとき 願わくば これ安寧を持って奉職を置く。
道程 凡なる生に帰し 草庵人と成す

目下このような心境です。
変動する社会情勢のなか、合併間もない町であることも承知はしておりますし、幾多の町民・団体から再度の奮起の要請も受けておるところではありすが、現状においての私の真意を述べさせていただきました。

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